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Volume Purchase(旧:VPP)でアプリ管理を簡単に!
企業や教育機関などにおいて、モバイル端末やデバイスへのアプリ配信の作業に悩んでいる情報システム担当の方も多いのではないでしょうか。大規模なモバイル端末の導入があった場合、アプリの配信を1台ずつ行うのは手間もかかり、効率的ではありません。しかし、こうした悩みも「Volume Purchase(旧:VPP)」があれば簡単に解決できます。
今回はVolume Purchaseの特徴やVolume Purchaseの使い方などを解説していきます。モバイル端末へのアプリ配布にお悩みの方はぜひご覧ください!
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Volume Purchase(旧:VPP)とは?
Volume Purchaseとは、Apple社が提供する企業や教育機関がアプリケーション(以下、アプリ)の購入・配布を効率化するためのプログラムのことを指しています。Volume Purchaseは大規模なモバイルデバイスの導入や運用において、アプリの購入から管理はもちろん、そこに至る準備段階の手間を軽減することができます。
一般的にiOSでAppStoreに登録されているアプリを利用する場合、まずは個人でApple IDを取得し、App Storeからアプリのインストールを行います。同様に企業や教育機関で大規模なモバイル端末の導入があった場合も、同じ手続きを台数分行わなければなりません。また、運用も行っていくため、以下の点が管理者の方が頭を悩ませるのではないでしょうか。
- Apple IDの取得(メールアドレス作成・パスワード設定・再設定用の質問の回答 など)
- Apple IDの管理(台帳など)
- 定期的なパスワードの見直し
- 利用者、モバイル端末の変更によるアプリ・設定の変更
- アプリのライセンス管理など
他にも負担になり得る要因は考えられますが、VPPという仕組みがこれらの課題を解決してくれます。
Volume Purchase(旧:VPP)の特徴
それではVolume Purchaseには一体どのような特徴があるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
管理者用のApple IDのみで、全端末のライセンス入手可能
Volume Purchaseでは、管理者用のApple IDを準備するだけで、管理する全てのモバイル端末のライセンスを入手することができます。つまり、端末ごとのApple IDがなしでも運用が可能となり、利用者のアプリを使う環境が管理者側で簡単に構築できるのです。もちろん、利用者が個別に持っているApple IDを端末で利用することもできるため、業務に必要なアプリは管理者から配布し、利用者ごとに必要なアプリは個別にインストールをしてもらうといったことも可能です。アプリ・ライセンスの利用状況はMDMから確認できるので台帳管理からも解放されます。
例えばですが、Volume Purchaseを利用することで、以下のいずれのパターンにも対応できます。
- 業務アプリは管理者から配布し、個別に必要なアプリは利用者ごとで任せる
- 利用者個人のアプリは制限する(App Storeの禁止)
- 経理の負担軽減のため、有償アプリは購入申請後、管理者から配布する
【教育機関限定】特別価格でアプリが購入できる
企業だけでなく、教育機関でもVolume Purchaseは利用可能です。Volume Purchaseストアからアプリ購入する際に数量が20点以上になる場合、特別価格(50%)が適用されます。詳しくはこちらをご参照ください。
>>Apple Deployment Programs 教育機関向けVolume Purchase Programガイド
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Volume Purchase(旧:VPP)の有無による違い
Volume Purchaseの特徴を見ていきましたが、実際にVolume Purchaseを使う場合、使わない場合でどのような差があるのでしょうか?
Volume Purchase(旧:VPP)を使わない場合
Volume Purchaseを使わない場合、導入から運用において手間がかかると考えられるポイントは以下となります。
項目 | 詳細 |
Apple IDの準備 | ・氏名、住所などの情報 ・ユニークなメールアドレス(モバイルの台数分) ・IDごとのパスワード(モバイルの台数分) ・パスワード忘れの際の質問と返答 |
Apple IDとパスワードの管理 | どのような形式かは様々ですが、IDとパスワードの組み合わせを保管しておく必要がります。 また、IDやパスワードは忘れることもあるので、利用者からの問い合わせへの対応なども運営上必要と考えられます。 |
2ファクター認証の問題 | Apple IDの2ファクター認証は一度設定してしまうと解除することができません。 そのため、会社支給のモバイル端末の認証先として個人携帯を設定してしまった場合、もし退職などあればそのApple IDに紐づいたアプリなどは回収することが困難となります。 ※ Apple IDを作成した時点ではデフォルトではオフです。 |
導入時の代行のコスト | Apple IDの準備をはじめ、台数の規模により代行を業者にお願いするケースも多々あります |
上記はあくまで一例ですが、「 Apple ID 」を中心とし、導入から運用まで課題があるように感じます。手間なくコストをかけないためにも、アプリの管理にはVolume Purchaseが有効ではないでしょうか。
Volume Purchase(旧:VPP)アプリを使う場合
Volume Purchaseはアプリを購入するまでの工程と、購入したライセンスの管理を行い、モバイル端末へのアプリの配布・回収はMDMを用いて行います。なお、Volume Purchaseはアプリ(ライセンス)の管理で非常に有効なプログラムですが、これまでの説明通り、Volume Purchaseはあくまでアプリのライセンスを一括で入手する仕組みとなります。実際のアプリの配布や回収、デバイスのインストール状況などを行うためにはMDM(モバイルデバイス管理)が必要です。*
* Volume Purchaseに対応したMDMが必要です。
Volume Purchaseの導入からモバイル端末へのアプリ配布までの工程は以下の通りです。
工程 | |
1 | AppleでVolume Purchaseの登録(ASMもしくはABM) |
2 | MDMとVolume Purchaseアカウントの紐づけ |
3 | 「Volume Purchase Store」でアプリライセンスを購入 |
4 | アプリライセンスを端末もしくはApple IDに割り当てるか選択 |
5 | アプリを配信 |
6 | メールやプッシュ通知でユーザーを招待、もしくはアプリが直接デバイスにインストールされる |
7 | (ユーザーを招待した場合)利用者はApple IDでログインし、アプリをインストール |
管理者側で行う作業は1~5が主となります。アプリ配信の業務が効率化できているのが、この手順からもよくわかるのではないでしょうか。
Volume Purchase(旧:VPP)と連携したMDMの役割
Volume Purchaseを使ったアプリ配布にはMDMが必要と前述しましたが、MDMにはどういった機能や役割があるのかというのも気になるポイントかと思います。ここからは、Volume Purchaseと連携した際にMDMが担う役割について解説していきます!
MDMの役割①ライセンスを割り当てる
Volume Purchaseで入手したライセンスはMDMの管理画面からモバイル端末に割り当てます。割り当ての手順としては、①モバイル端末に入手したライセンスを付与(設定) → ②アプリを配信する、以上の2ステップでモバイル端末にアプリがインストールされます。
なお、Volume Purchaseと連携可能なMDMであるmobiconnectでは、「ライセンス付与」と「 アプリの配布 」の分かれた手順を一本化し、この配布作業をより簡単にすることが可能です。
Volume Purchaseのアプリ配布方法
Volume Purchaseには3つのアプリ配布方法があります。
- 製品引換コード
- 管理配布(ユーザベース)※Apple IDベース
- 管理配布(デバイスベース)
管理配布(ユーザーベース)の場合:
Volume Purchaseのアプリライセンスが利用者のApple IDに紐づきます。
端末の利用者がiphoneとiPadの二台を所有している場合に適しています。有償アプリの場合、二台分買う必要がありません。
管理配布(デバイスベース)の場合:
Volume Purchaseのアプリライセンスがデバイスそのもの(シリアル番号)に紐づきます。
配布での端末利用者の作業が発生しないため、また利用者のAppleIDに管理も発生しないので、もっとも効率的です。「 アプリをインストールしますか? 」といったダイアログも表示されず、利用者は気づけば端末内にアプリが入っているというイメージです。(これをサイレントインストールと言います)
ライセンスの回収と再配布
Volume Purchaseは、ライセンスを回収し、別のモバイル端末に付与し直すことができる点も特徴の一つです。ソフトウェアも組織にとって大事な資産ですが、Volume Purchaseはソフトウェア資産管理としても活用できます。
Volume Purchaseでアプリを管理することで、利用者の変更や端末の入れ替えが必要な場面でライセンスを回収し再配布できるので、持っているソフトウェア資産を有効に、且つ柔軟に管理することができます。
未使用の端末に有償アプリが残ったまま、それに気づかずに追加購入してしまったり、異動や退職などの環境の変化でも端末をわざわざ回収し、個々に再設定を行うことも不要となりますので、無駄のないソフトウェア管理が実現します。
アプリ管理で無駄をなくす
企業では入社や退職、異動を契機とした人の動き、業務の変化があります。これらの人の変化に合わせ、会社から支給される端末や、その端末内のアプリもまた利用者が変わります。
入社:端末やアプリの付与が必要
退職:端末やアプリの回収
異動:新たな業務に必要なアプリの付与
このような場合も、MDMとVolume Purchaseを使うことで不要な者から端末やアプリを回収し、必要とする者に再配布することで、足りない分だけ買い足すといったこともできます。こうした無駄のない運用管理が可能な点も、Volume PurchaseとMDMが企業に役立つ理由だと言えます。
Volume Purchase(旧:VPP)と連携するならmobiconnectで!
Volume Purchaseと連携するMDMの役割についてはご理解いただけたかと思います。では実際にどのMDMを選べばいいの?といった問題があると思いますが、弊社の提供するMDM「mobiconnect(モビコネクト)」であれば、Volume Purchaseとの連携はもちろん可能です。前述したアプリの配布方法でも、mobiconnectは「管理配布」に対応しています。
具体的にモビコネクトではどういったことができるの?という方は、ぜひモビコネクトの「機能一覧」をご覧ください。
また、Volume Purchaseとの連携をはじめとする、MDM導入に関する不安や相談ごとなどがありましたら、お気軽にお問い合わせください!
Volume Purchase(旧:VPP)とmobiconnectでアプリの自動管理を実現
Volume Purchaseによるアプリの配布は「 ライセンスを付与する 」「 アプリを配信する 」という2ステップがあります。またアプリはバージョンアップなどのアップデートが発生し、都度発生した時点で再配布など作業を行います。毎回この作業を管理者側で行うとなると大変ですが、mobiconnectを使うことで、これらの作業は「 自動化 」できます。
ライセンスの自動割り当て
mobiconnectの管理画面上で、モバイル端末を管理するグループにあらかじめ「 自動割当 」の設定をしておくことで、アプリ配信の際にライセンスを自動で付与します。
これにより、Volume Purchaseでは2ステップあった工程が1ステップとなり事前に「 ライセンス付与 」する工程が省略されます。
アプリの自動アップデート
mobiconnectは常にApp Storeを監視し、App Store上でアプリのアップデート版がリリースされたタイミングで、自動的に各モバイル端末内のアプリを最新バージョンにアップデートします。
これにより、定期的に管理者がアップデートを確認し、再配布する手間がなくなります。
アプリ管理プロセス効率化イメージ
これらの「 ライセンスの自動割当て 」と「 アプリの自動アップデート 」、VPPを組み合わせることでアプリ管理の工程は劇的に効率化します。
図を見るとわかる通り、mobiconnectなら導入時点でアプリ自動化の設定さえしておけば、ライセンスの割り当てからアプリのアップデートまでがすべて自動化できます。デバイス管理は多くの端末をどれだけ効率的に管理できるかがポイントですが、こうした機能を活用することで情報システム担当者の方の業務負担も軽減できるでしょう。
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Volume Purchase(旧:VPP)の申請・利用設定方法
Volume Purchaseを利用するメリットについては十分ご理解いただけたかと思いますが、実際にVolume Purchaseを使うにはどうすればいいでしょうか? ここからは、Volume Purchaseの申請手順についてご説明していきます。
1. Appleへの登録手続き
Volume Purchase(アカウント)の利用には事前にAppleに登録する手続きが必要となります。
登録は「 Apple Business Manager(ABM)もしくは Apple School Manager(ASM)の登録 * 」と「 Volume Purchaseへの登録 」を行います。
登録に必要な情報、また細かな設定手順は下記をご参考にしてください。
ABMの場合:https://help.apple.com/businessmanager/#/tes40577306d
ASMの場合:https://help.apple.com/schoolmanager/#/apd402206497
* ビジネスの方はABM、教育機関の方はASMが対象となります。
2. MDMサーバの追加
「1.」で登録したABMもしくはASMの管理画面上からご利用のMDMサービスを設定します。ここではABMやASMの管理画面の他、ご利用中のMDMサービス上での作業も発生します。
細かな設定手順は下記をご参考にしてください。
ABMの場合:https://help.apple.com/businessmanager/#/asm1c1be359d
ASMの場合:https://help.apple.com/schoolmanager/#/asm1c1be359d
3. Volume Purchase Storeからアプリの購入
AppleのWEBサイト、Volume Purchase Programへサインインし、アプリの購入をします。
細かな設定手順は下記をご参考にしてください。
ABMの場合:https://help.apple.com/businessmanager/#/apde19b23f7f
ASMの場合:https://help.apple.com/schoolmanager/#/apde19b23f7f
まとめ
Volume Purchaseによるアプリ管理は、アプリ取得に必要なIDの事前準備から運用の場面の効率化に大きく貢献します。アプリの扱いに関しては導入する組織によって様々な方針があると思いますが、「 利用者ごとの自由なインストールは控えたいからVolume Purchaseで配布する 」、「 有償アプリは企業から配布し、無償アプリは個人の自由に任せている 」など、Volume Purchaseとmobiconnectを活用することで組織に合わせた柔軟な管理を実現できます。
モバイル端末を新規で導入する方や、今までのアプリの運用を見直したいなど、一度Volume Purchaseによる運用をご検討してみてはいかがでしょうか。
弊社では、Volume Purchaseを活用したアプリ管理の効率化もサポートさせていただきますので、お気軽にお問い合わせください!