2018.09.21

MDM用語・機能

Apple Configuratorって? 機能やメリット、MDMとの違いを解説

スマートフォンやタブレット、ノートPCなどのスマートデバイス(以下、デバイス)が、仕事や学校で使用されるシーンは増えてきています。しかし、これらのデバイスを活用するにはまず大量のデバイスの準備から始まり、設定や管理といった多くの手間をかけなければなりません。

このようなデバイス準備や管理に役立つツールが、「Apple Configurator」や「MDM」といった存在です。

今回は、Apple Configuratorに焦点を当て、その機能やメリットだけでなく、モバイルデバイスの一元管理が可能なMDMサービスとの違いや、それぞれどのように使い分け、iOSデバイスを管理していけば良いのかについて、詳しく解説していきます。

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Apple Configuratorって?その機能とは

 

Apple Configuratorとは、Apple社が無料で提供している複数のiOSデバイス(iPad/iPhone/iPod touch/Apple TV)を管理するための専用アプリケーションです。もともとApple Configuratorは、2012年にリリースされていますが、2015年に大幅にアップデートが行われ、現在バージョン2(Apple Configurator2)として公開されています。

Apple Configuratorを利用すると、iOSのアップデートをはじめ、構成プロファイルの作成や作成したプロファイルのデバイス適用、アプリや書類のインストール、パスコード強化ポリシーの強制など、さまざまな設定を一括で行うことが可能です。

さらに、複数の端末の設定情報・データをバックアップすることができ、必要であれば指定した状態に復元することも可能となります。

Apple Configuratorの基本機能

Apple Configuratorでは、おもに以下の機能を使用することができます。

機能 内容
プロファイルの作成 新規のプロファイルの作成
既存のプロファイルの確認と編集
端末のデータ・情報管理 端末基本情報の管理(シリアル番号/アドレス/ID/空き容量/オペレーティングシステムのバージョン)
インストール済みのアプリ・プロファイルの確認
端末管理 アプリのインストール・削除
プロファイルのインストール・削除
監視設定
データの設定・バックアップ・復元・初期化など

 

Apple Configuratorのメリット・デメリット

 

Apple Configuratorを利用すると、具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。それぞれみていきましょう。

メリット

Apple Configuratorは、複数デバイスの情報確認や、各端末へのアプリ導入など便利な機能が搭載されていながらも、無料で利用できる点が大きな魅力です。

また、端末の情報管理による監視設定機能により、デバイスを監視対象にすることも可能です。

たとえば、学校・教育現場のシーンでは、授業で利用するアプリがクラスの生徒が使用するデバイスにインストールされているかを事前に確認できます。また、学習に関係ないプライベート用のアプリの監視ができるほか、未インストールなどによる授業遅延のトラブル防止にも役立てることができます。

デメリット

Apple Configuratorは、デバイス設定の際に、Macとデバイスの有線接続が必要なことや、デバイス再設定の際には初期設定時と同様に、デバイスを回収する手間がかかるといったデメリットがあります。遠隔からの設定作業ができないという点もそうですが、職場や学校に用意されているデバイスの数は決して少なくはないので、台数の数だけ有線での作業を行うことは、作業時間の面でも大きな負担を強いることとなります。

また、運用する際は、ユーザーがデバイスを利用することになりますが、Apple Configuratorは、利用されているデバイスを管理・制御するといった仕組みは構築されていません。デバイス自体がどこでどのように使用されているのかや、紛失・盗難などのリスクに対応していない点もデメリットと言えるでしょう。

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Apple ConfiguratorとMDMの違い

 

Apple Configuratorについて詳しく見ていきましたが、同じくデバイス管理を行えるツールとして「モバイルデバイス管理(MDM)」も存在します。どちらを使用するのがベストなのか、はたまた併用すべきなのかといったことを悩む担当者も多いのではないでしょうか。

ここでは、Apple ConfiguratorとMDMの違いについて、それぞれのポイントを表にまとめてみます。

 

Apple Configurator・MDM

Apple Configuratorを利用する場合

Apple Configuratorは、取り扱うデバイスの台数が10台前後で、無償でデバイス管理を活用してみたい方におススメです。
Apple Configuratorは「デバイスへの厳密な設定(以下、監視対象)」、パスコードや制限項目、ネットワーク設定、フィルタリングなど、きめ細かな設定ができるという点は魅力であり、主に企業などセキュリティレベルの高い環境においては必須と言える設定です。(下図 参照)

Apple Configurator、構成プロファイル作成画面

しかし、設定の際に有線接続が必要なこと、再設定の際にデバイスを回収する手間がかかることから、現実的に手の届く範囲にデバイスがあり、10台前後のデバイスを取り扱う場合であれば運用はできるのではないかと思います。
また、どのようにデバイスが使われているのか把握できない面としては、リアルタイムでの管理が難しいということになります。デバイスを回収し、接続して初めてどういうアプリがインストールされたのか、設定が変更されたのかがわかるといった状況です。

MDMを利用する場合

MDMは有償であることに加え、さまざまなMDMサービスが登場していることから、導入において費用と選定基準のハードルが高く感じるかもしれません。
しかし、有線ではなく無線ネットワーク経由での設定・管理ができることから、たとえデバイスが遠方にあったとしても、また利用者が移動中や外出先であっても時間・場所問わず、設定変更やアプリ・コンテンツの配信ができます。こうすることで、準備から運用までを効率的に行うことができます。さらに、デバイスの台数問わず小規模から大規模の運用にも適している点も大きな魅力です。

一方、Apple Configuratorは、利用時のデバイスを管理・制御するといった仕組みは構築されていないため、Apple Configuratorだけでは解決できなかった点をMDMが補完してくれる存在と考えると分かりやすいでしょう。たとえば、デバイス自体がどのように使用されているのかといった点や、紛失・盗難のリスク対応などもMDMであれば可能となります。

このことから、企業や学校にて、本格的にデバイス活用を行う際は、Apple ConfiguratorとMDMを併用することで、安全かつ効率的なデバイス運用を実現することができます。

MDM利用の場合、ADEとの併用がオススメ

 

デバイス活用をする場合は、セキュリティ面について気になるという方も多いでしょう。
MDMを利用する場合は、Apple社の提供するADE(Automated Device Enrollment)と組み合わせることで、デバイスを監視対象にすることができます。では、ADEとはどのような特徴があるのかについてカンタンにご紹介します。

ADE(Automated Device Enrollment)とは?

ADE(Automated Device Enrollment)とは、Apple社が提供する企業や教育機関向けのiOS端末導入支援プログラムです。以前まではDEP(Device Enrollment Program)と呼ばれていたため「DEPであれば、聞いたことがある」といった方もいらっしゃるでしょう。

ADEの機能は、購入したモバイル端末をすぐに利用者に配布できるようにしたり、管理者やキッティングが端末に触れることなく配備できるといったことに加え、ユーザーが行うアクティベーション(初期設定)の段階で設定まで完了するといった便利な機能が搭載されています。

ADE(旧:DEP)ってなに?詳しく知りたいという方は、以下の記事をチェック!

≫ADE(旧:DEP)って何ができるの?今さら聞けないADEの特長を大公開

ADEとMDMの併用で、デバイスを「監視対象」にすることが可能に

ADE(Automated Device Enrollment)は、iOS端末導入支援サービスであり、デバイスを使える状態にする(キッティング)作業を大幅に軽減します。(下図 参照)

DEP(Device Enrollment Program)

ADEの登場により、MDM単体ではできなかったデバイスを「監視対象」にすることも無線ネットワーク経由から可能となります。
設定用のMacの準備や「Apple Configurator」が不要となり、端末を手元に集める作業もなく、キッティング作業の効率化に大きく貢献しています。

ADEによる管理者側・利用者側のメリットについては、以下のとおりです。

管理者側のメリット

MDMでデバイスを管理するためには、デバイス側に「MDMの構成プロファイル」が入っていることが前提となります。しかし従来のMDM単体での初期設定ではそのプロファイルが削除できてしまいました。こうなってしまうと、MDMの管理下から外れ、万が一の遠隔制御などはもちろん、デバイスの情報を管理画面から取得できなくなってしまいます。

ADEを使うことで「プロファイル削除の防止」をすることや、「プロファイルの強制」ができるため、デバイスの管理下からの離脱やデバイスもプロファイルがないと利用できない状態を作ることができます。

 

プロファイル削除

利用者のメリット

通常、デバイスの初期起動の際、様々な設定項目を利用者は求められます。
ADEを使うと、これらのステップも運営に必要な項目のみ表示させ、不要な設定はスキップさせることが可能です。

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ADEの注意点

MDMとADEを組み合わせることで、デバイスを「監視対象」に設定でき、遠隔制御によって運用面でも大きなメリットを感じれたのではないでしょうか。
しかしADEを使用する上では、次のような注意点にも気を付けておく必要があります。

ADEによるプロファイル変更にはデバイスの初期化が必要

MDM単体でのデバイス設定(監視対象なし)をしている端末を後から「監視対象にしたいからADEで」とする場合、今までのデバイス設定は初期化によりリセットされてしまいます。そのため、プロファイル以外のアプリやコンテンツなども、改めて設定をする必要があります。

ADE対象端末でないとADEはできない

ADEをするためには、「ADE対象端末であること」という前提があります。
では「ADE対象端末」をどうのように入手するのか、その方法は「①キャリア(docomo/au/softbank)、Apple指定代理店にて端末購入」​もしくは「②Apple Configurator 2を利用して端末をADE対象端末に設定する」の2種類あります。

①キャリア(docomo/au/softbank)、Apple指定代理店にて端末購入​

こちらの方法のメリットは、複数台の端末を一括でADE対象端末として購入できる点や、端末の入手からMDMの登録、設定の配布、端末の修理交換までをゼロタッチで実現できるといったことが挙げられます。

一方、指定代理店でのADE対象端末の確保に時間がかかるケースがあるため、その点においては少なからずデメリットもありますが、②と比較するとこちらの方法がおススメと言えるでしょう。

②Apple Configurator 2を利用して端末をADE対象端末に設定する

こちらの方法のメリットとしては、入手済みの端末や、SIMフリー端末など、①で対応できない端末も、後付けとしてADE対象端末にすることができる点です。

しかしながら、 Apple Configurator 2がインストールされたMacに、端末を1台ずつ接続して設定する必要があるという点や、万が一端末の修理交換が発生した場合、上記設定を再度実施する必要があります。
加えて、30日間は端末側でプロファイルの削除、組織からの離脱(MDM逃れ)が可能な状態となる点などもデメリットとして挙げられます。

ただし、ADE対象端末でないデバイスを持っている場合、Apple Configuratorを使うメリットもでてくるかと思います。

まとめ

 

今回は、デバイス運用にあたり、Apple Configuratorの特徴に加え、MDMとの違いや「MDM+ADE」との併用メリットなどについて解説してきました。

管理者側の立場からすると「MDM+ADE」は、準備の効率化からセキュリティ面まで、運用を前提とした環境作りに優位点が多くあります。現時点では、監視対象までの制限は必要ないと考えていても、今後の運用で必要になることを見越して、今のうちから制限項目の多い監視対象での設定をおススメします。