2017.06.12

デバイス活用

学校のタブレット管理、監視や機能制限はどこまですべき?事例で紹介

GIGAスクール構想により、生徒1人1台のタブレット端末が配られるようになりました。実際にタブレットをどのように管理していくべきか、その点に頭を悩ませているという学校も多いのではないでしょうか。特に、タブレット学習において生徒の端末をどこまで監視すべきか?機能制限はどの程度まで持たせるべきなのか?といった点については、なかなか結論を出しづらいというところもあるかと思います。

今回は、そうした生徒・児童の端末管理における監視や機能の制限について、実際の事例を紹介しつつ考え方のノウハウを紹介していきたいと思います。

学校・教育現場はどこまでタブレット利用を管理・監視すべき?

児童・生徒1人1台のタブレットが配布されるにあたり、その運用方法の決定は重要なポイントであったかと思います。タブレットを利用したICT教育の活用で、児童・生徒に今までとは違う教育スタイルでアプローチをしていくという試みには、多くの教育現場も賛同するところではあるでしょうが、実際には気がかりな点も数多くあるのではないかと思います。

例えば生徒が端末を壊してしまう可能性や、不適切なサイトを閲覧したり、授業中もタブレットで遊ぶのではといった不安も数多く耳にしています。本来学習に用いられるべきタブレットが、想定していない使われ方をすることへの危惧は、現場からしても当然の声ではあるでしょう。
では、タブレットのありとあらゆる機能を制限するのがよいのか?と言われると、それが正解であるとも言い難いところです。あくまで、生徒や児童の個性や学校の方針に合わせた運用方法や制限が必要であり、その運用ルール作りはやはり現場の先生方が状況を見ながら日々アップデートしていくより他ないというのが現状です。

しかし、ゼロからルールを考えるのは骨が折れるものです。ここからは、教育現場でよく用いられている機能制限や監視のあり方の一例をご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

方法①学習に不適切な利用を制限する

児童・生徒に自由な環境を与えたい場合でも、教育上不適切な情報に容易にアクセスができる環境が好ましいとは言えません。たとえばタブレット端末を使って不適切なサイトを閲覧しているという状況は、本来望むタブレットの活用からはかけ離れています。子どもたちにも悪影響を及ぼさないためにも、Webコンテンツの閲覧には適切な制限が必要だと言えるでしょう。

このような場合は、Webフィルタリング機能を活用するのが良いでしょう。たとえばカテゴリー指定をしてフィルタリングをかければ、成人向けのコンテンツは閲覧できないといった制限が可能です。この方法であれば、生徒・児童に対して不適切なコンテンツは回避しつつ、子どもたちの知りたいという知的好奇心を満たすことができるでしょう。

方法②段階的に自由度を高める

生徒・児童の成長というのは著しいものです。学年が一つ変わるだけで、子どもたちへのアプローチの方法も変わっていくということは、先生方もよく知るところでしょう。

ICT機器に慣れ親しんだ現代の子ども達は、タブレット端末を使うこと自体はすぐに適応しますが、タブレット端末を利用方法や、タブレットを通じて得る情報の良し悪しを判断する力が備わっているかどうかは別の話です。そのため、その年齢、学年に応じた自由度の設定というものが求められてきます。

たとえば、ある学年になったらYouTubeの閲覧を許可するといったように、年齢や発育段階に応じて制限を緩和するといった取り組みをしている学校もあります。適切な制限を設けることで、児童・生徒の発育を段階にあわせて促進できるのではないでしょうか。

方法③児童・生徒のタブレット活用状況を「見守る」

端末に対して、機能制限をすることは可能です。しかし初めから機能制限を設けないやり方を用いることでも、生徒の自律心を養うことは可能です。

たとえば、ゲーム系アプリは使ってはいけないというルールがあるとします。
このとき、初めからゲーム系のアプリをインストールできない機能制限をかけておくのではなく、インストールや利用が確認できたときに、先生や管理者側に違反通知が届く仕組みを設けておくとしましょう。その場合は、ルール違反があったら指導につなげるといった使い方ができます。あえて、制限ではなく「見守る」選択をすることで、生徒の自律性を促すこともできるでしょう。この機能をうまく活用することで、決められたルールの中で児童・生徒が自ら考え行動できる環境づくりができます。

タブレット管理の事例:監視ログ機能を学習に活用する

機能制限のあり方について一例をご紹介してきましたが、もう一つの課題として「監視」をどこまで行うかという点がると思います。学習用のタブレットには、管理者側で監視ができる機能を設けることも可能ですが、学校側としてもどこまで監視すべきか?という線引きは、悩ましい点だと思います。

監視というとネガティブなイメージがありますが、使い方や発想を変えれば、生徒の学習意欲を湧かせるヒントを得ることもできます。

ある学校では、監視機能の一部であるログ機能を活用しています。ログ機能では、生徒がどんなキーワードで検索をしたかを把握できます。これは同時に、このログから生徒がいま何に興味を持っているのかを知ることができるため、関心の高いキーワードを授業に取り入れてみたところ、生徒の反応がまったく違うことに気づいたそうです。

このように、ログ機能をうまく使うことで、学習にも活用することが可能なのです。監視ではなく、生徒の関心を引き出すという観点を持つことで、より発展的な利用へもつなげられるでしょう。

学校のタブレット管理・機能制限や監視に役立つMDMとは?

生徒・児童のタブレットに向けた機能制限や監視の機能の活用について見ていきましたが、参考となる事例はあったでしょうか。実際にこういったやり方を取り入れてみよう!とお考えの場合は、より円滑なタブレット管理に向けた、MDM(モバイルデバイス管理)の利用がおすすめです。

MDM(モバイルデバイス管理)とは?

MDMとは「Mobile Device Management」の略称で、「モバイルデバイス管理」という意味となります。このMDMは、効率的にデバイス管理を行うためのソフトウェアやシステムが多くの会社から提供されています。
MDMは教育分野はもちろん、企業での利用も数多くあります。セキュリティ対策やアプリ配信といった作業を端末1台ずつセッティングする必要なく、一括で管理・操作できる点がMDMのメリットだと言えるでしょう。

mobiconnect(モビコネクト)とは?

mobiconnect(モビコネクト)は教育分野向けの「for education」と、企業向けの「for business」の2種類でMDMを提供しています。完全国産MDMとして、導入時のヒアリングからキッティング、導入後のサポートまでしっかり行っています!文教市場ではシェアNo.1(※)の実績となっており、安心してご利用いただけます。

※テクノ・システム・リサーチ社「エンドポイント市場調査レポート2020-2021」より

教育現場で役立つMDMの機能

先ほど説明した機能制限やログの確認なども、mobiconnectを使えば利用可能です。具体的にどの機能を使えば実現できるかを説明していきたいと思います。

Webフィルタリング可能な「i-FILTERブラウザー」

mobiconnectのオプションで利用可能な「i-FILTERブラウザー」では、カテゴリー指定でカテゴリー指定でWebフィルタリングが行えます。iOS / Android / Windowsに対応しています。今回紹介したように、カテゴリを指定して児童・生徒に不適切なWebコンテンツを表示させないといった使い方も可能ですし、セキュリティ対策にも効果を発揮します。

「グループ別ポリシー設定」で、学年ごとに自由度を設定

mobiconnectの機能の一つである「グループ別ポリシー設定」では、作成したグループごとに端末の運用や管理の方針(制限の度合い)を設定が可能です。この機能を利用することで、たとえば学年ごとに制限を緩和・追加したりということもできますので、生徒1人ずつの端末設定の変更といった作業は不要になります。

ルール違反を見抜く「違反検知時に管理者に自動メール通知」機能

さきほど、あえて機能制限を行わず、違反があった際に通知を行い指導を行うといったケースを紹介しましたが、これが「違反検知時に管理者に自動メール通知」の活用です。検知した違反や異常を、登録したメールアドレスに通知しますので、生徒や児童のルール違反にもすぐに気づくことができます。

キッティング・アプリ配信機能

最も活用されているのは、タブレット端末を学習で利用するためのキッティング(校内のWi-Fiに接続するための設定など)やアプリを配信する機能です。この機能は、導入前のキッティングを効率化するためにも活用されますが、児童・生徒にタブレット端末を配った後に、設定の変更が必要となった場合やアプリのインストールやアップデートを行うといった場合にも大きく活躍します。

たとえば、タブレット端末の導入後に新たに使いたいアプリが出てきたとします。その際に児童・生徒のタブレット端末を回収してセットアップを行ったり、授業時間内で児童・生徒自身にアプリをインストールさせるのは非効率的ですし、授業時間を奪ってしまうことにもなります。
そんな場合も、アプリ配信機能を使えば、タブレット端末に触れることなく各タブレットへのアプリの配信が可能です。児童・生徒からすれば気づいたら自分のタブレットにアプリがインストールされており、スムーズに学習環境を整えられます。この機能は、先生方のチャレンジにもスピード感を持って応える機能だとも言えます。

まとめ

今回は、学校現場でのタブレット端末管理方法における機能制限や監視の考え方について解説していきました。実際どのようにタブレット管理をしていけばいいのかわからないと、お悩みだった方も、具体的なイメージをもって運用や管理の方法が見えてきたのではないでしょうか。

mobiconnectでは導入時にヒアリングの上、最適の運用方法をご提案いたします。タブレット管理には不可欠のMDM、ぜひお悩みの場合はmobiconnectにご相談ください!

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