2023.03.23(2023.08.09更新)

業務効率化

AI(人工知能)活用事例9選|AIにできることや業界別活用方法、メリットをわかりやすく解説!

近年、AI(人工知能)はさまざまな場面で活用されています。しかし、私たちが日常生活やビジネスシーンにおいて改めてAIの存在について意識する機会はほとんどないでしょう。なんとなくAIのイメージはわかるものの、具体的にどのようなことができるのか、どういったところで活用されているのか、詳しく知らない方も多いと思います。
本記事では、そもそもAIとはどのようなものか、またAIでできることを企業の事例とともに紹介します。企業がAIを活用するメリットを知ることで、自身の身近なAIの活用方法を探るきっかけになるかもしれません。

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そもそもAI(人工知能)とは?

AI(人工知能)とは、人間の思考プロセスと同じように動作するプログラム全般、または人間が知的だと感じる情報処理や技術のことをいいます。

近年のAIブームにより、「機械学習」や「深層学習(ディープラーニング)」という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれません。機械学習はAIに含まれる概念で、人間の「学習」に相当する仕組みをコンピューターなどで実現するものです。機械学習では、入力データから発見したパターンやルールを新たなデータに当てはめることで、データの識別や予測ができます。ディープラーニングは、機械学習の手法のひとつです。ディープラーニングでは、多数の層から成るニューラルネットワークを用いて機械学習を行います。

深層学習
DL:Deep Learning
機械学習のうち、多数の層から成るニューラルネットワークを用いるもの パターン/ルールを発見する上で何に着目するか(「特徴量」)を自ら抽出することが可能
機械学習
ML:Machine Learning
AIのうち、人間の「学習」に相当する仕組みをコンピュータ等で実現するもの 入力されたデータからパターン/ルールを発見し、新たなデータに当てはめることで、その新たなデータに関する識別や予測等が可能
人工知能
AI:Artificial Intelligence
人間の思考プロセスと同じような形で動作するプログラム全般 あるいは、人間が知的と感じる情報処理・技術全般

画像引用元:総務省「AIに関する基本的な仕組み
参考:総務省「 人工知能(AI:エーアイ)のしくみ

AIと機械学習の違い

機械学習は、AIの手法のひとつとして位置づけられています。機械学習はAIブームの中心的存在であるため、近年はAIと同義で用語が使われていることもあるかもしれません。コンピューター自らが、数値や文字、画像、音声などのデータからルールやパターンを学習する技術が機械学習であると理解しておきましょう。

例えば、機械学習を使えば消費者ごとにおすすめの商品を提示するといったことも自動でできます。入力した購買データを機械学習が自ら学習し、消費者の購入した商品と消費者の性別や年齢などの特徴からルールやパターンを導き出して、新たなデータの予測や識別ができるのです。
参考:総務省「 人工知能(AI:エーアイ)のしくみ

AIとディープラーニングの違い

ディープラーニングは、機械学習の手法のひとつです。多層的に情報を抽出するニューラルネットワークを使って行う機械学習のことをディープラーニングと呼んでいます。ニューラルネットワークとは、人間の脳の仕組みをコンピューター上でまねたものです。ディープラーニングでは、データのパターンやルールを発見するときに着目すべき特徴を自ら抽出できます。データを識別する際に、何に着目すべきかをあらかじめ人が設定する必要はありません。

例えば、機械学習では、スムーズに花の種類を識別するには、「色に着目する」という指示をあらかじめ人が与える必要があります。しかしディープラーニングでは、色に着目すればうまく識別できるということをAIが自ら学ぶことができるのです。
総務省「AIに関する基本的な仕組み

AI(人工知能)で出来ること

AI(人工知能)では、画像認識や 音声認識、自然言語処理、需要予測、レコメンドを行うことが可能です。すでにさまざまな商品やサービスに組み込まれているAIの機能について、実際にどのようなことができるのかを解説します。

参考:総務省「情報通信白書/第2節 人工知能(AI)の現状と未来
総務省「自治体におけるAI活用・導入ガイドブック

画像認識

画像認識では、画像や動画から人や物、文字を識別できます。さまざまな場面で導入されているAI技術のひとつです。近年は、ディープラーニングの手法によって識別の精度も向上しています。例えば、帳簿入力業務を画像認識の技術で代替することも可能です。帳簿から文字を画像として抽出し、文字認識をしてデータ化できます。画像認識を使えば、手入力に比べて帳簿1枚の登録時間を10分の1、コストをおよそ半分にできるといわれています。

音声認識

音声認識では、人間の音声データを認識して、テキストデータへ変換するほか、声の識別も可能です。コンピューター上で人間が発する音声の空気の振動から波形データを入手し、文字データに変換しています。音声認識の技術を使うと、会議の議事録作成や窓口業務の翻訳が自動でできます。スマートフォンに搭載されている音声アシスタント機能も音声認識の技術を活用したものです。

自然言語処理

自然言語処理は、人間の普段話す言語をコンピューターで処理して内容を抽出する技術です。言語の処理や解析で得られたデータは、ウェブ検索エンジンや文字入力変換、音声入力システム、機械翻訳などに活用されています。例えば、ウェブ検索エンジンでは、コンピューターが自然言語処理技術を活用して文章を理解しています。文章を理解することで、ウェブサイトを探す作業に必要なテキストデータを処理できるのです。

需要予測

需要予測は、気候データや過去の売上などから商品や部品の需要を予測する技術です。需要予測を使うと、売り上げや生産のペースを事前に把握できるため、商品や部品の発注を計画的に行うことができます。発注数を最適化することで、在庫ロスの削減やリードタイムの短縮も可能になるでしょう。

レコメンド

レコメンドは、顧客のデータを分析して、個人の趣味嗜好に合わせた商品やサービスを提示する手法です。機械学習のアルゴリズムが、顧客のウェブサイト上での購買履歴や視聴・閲覧などの行動履歴を解析します。これまで店舗で店員が顧客に合わせて商品を勧めていたことを、AIがオンライン上で行っているとイメージしてみてください。

機械制御

機械制御では、ロボットや生産設備などの操作を自動化できます。機械制御により、状況を判断して作業内容を変えたり、生産設備の制御パラメーターを調整したりといった操作が可能です。機械制御を活用することで、生産性や品質の向上、コストや人件の削減が期待できます。

AI(人工知能)の業界別活用事例

AI(人工知能)の技術は日々進化しており、多くの企業の業務やサービスで活用されています。製造や金融・保険、不動産、医療、自動車、建設、物流、農業・水産業、小売の各業界でどのようにAIが活用されているか事例を紹介しましょう。

参考:総務省「ICT や IoT 等を活用した働き方

製造

全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会によると、製造業でもさまざまな業務にAIが活用されています。ロボットの製造・販売を行っている大手電機メーカーでは、AIの導入によって工場の省人化を実現しました。

本来300人の従業員が必要な工場を100人程度の規模で運営することができたのです。工場のライン作業や搬送作業などにロボットを活用することで、業務の効率化や生産性の向上を進めることができました。今後は、熟練工の技が必要になる精密機器の調整作業にもAIを活用することが期待されています。調整作業の設定のみを熟練工が行うことで、ロボットが決められた作業をこなすだけでなく、効率的な動きを自動学習することも可能です。

金融・保険

株式会社みずほ銀行は、業務の効率化を目的に、凸版印刷株式会社が開発した「AI校閲・校正支援システム」を活用しています。同システムでは、AIが金融業界で特有の表記や専門用語を学習し、企業ごとの基準に沿って文章の校閲・校正をします。

また、媒体制作におけるレギュレーションの管理がシステム上でできるため、異なる制作者や管理者による品質のばらつきも防止できます。さらに、制作業務に最適なインターフェースを提供することで、制作時のチェックから修正までの制作フローのデジタル化や効率化を実現しました。同システムの導入によって、実際に従業員の業務量の軽減、ヒューマンエラーの減少などの効果が確認されています。

不動産

東急リバブル株式会社は、株式会社Ristと協働して「マンション価格査定AI」を開発しました。「マンション価格査定AI」は、不動産売買の仲介実務で活用されています。同システムでは、東急リバブルの査定担当者と同等水準の不動産査定価格を算出することが可能です。AIモデル作製には実際の査定データを利用し、一般的な査定ルールと査定担当者の経験則に基づく判断の両方を兼ね備えたシステムが構築されました。

同システムによる査定では、過去の事例で類似性の高い案件を選択し、重みづけを行って査定価格を算出しています。類似案件が少ないなど注意して査定すべき案件に対しては、自己判断機能によって査定担当者に通知することも可能です。同システムの導入により、高精度の査定業務の標準化、査定業務時間の短縮が実現されました。

医療

聖マリアンナ医科大学病院では、看護記録に音声入力システムを活用しています。スマートフォンで医学辞書を搭載した専用アプリを立ち上げると、音声をAIが認識して自動入力がされる仕組みです。スマートフォンに蓄積した音声データは、電子カルテに送信されます。音声の認識精度は、ログインIDによって個人の音声や話し方を機械学習することで向上していく仕組みです。

本技術の導入により記録スピードが4.5倍に向上し、看護記録時間の削減効果がみられました。そのほかにも、電子カルテの病室への移動化や看護記録の標準化などを進めることで、最終的には時間外労働を半減することに成功しています。さらには看護記録に割く時間の短縮により、患者への直接ケアの時間も増加しました。

自動車

WILLER EXPRESS 株式会社では、バスの安全対策にAIを活用しています。「乗務員用眠気探知機器」を導入することで、運転中の乗務員の脈拍を読み取り、眠気の予兆を検知して振動で注意を促すことができるようになりました。また「通信型デジタル式運行記録計」も導入し、AIが自動で収集する運転中の車両速度や急ブレーキ、急加速などの情報を運行管理者がリアルタイムで確認しています。AI技術で収集した乗務員の運転情報を運行管理者が把握することで、必要に応じてアドバイスを行い、事故の未然防止を可能にしているのです。

さらに、「衝突被害軽減ブレーキ機能」付きの車両割合を増やす取り組みも進めています。「衝突被害軽減ブレーキ機能」は、AIが道路上の車両を検知して衝突危険性を判断すると自動ブレーキで衝突回避を支援するシステムです。そのほか、乗務員の顔の動きから運転注意力を監視する「顔認識カメラ」や白線を踏むと警告する「白線認識カメラ」、適切な車間距離を自動的に維持する「車間距離保持機能付オートクルーズ機能」などが整備されています。

建設

株式会社大林組では、AIの導入により建設現場でのリスクの見える化や安全対策の高度化を目指しています。同社が2023年から導入する「安全AIソリューション」は、「利用データの作成」、「リスク予測データベースの構築」、「危険予知と安全対策の実施」の3フェーズのAIモデルで構成したものです。同システムは、大林組の建設現場にて評価を行いながら開発されました。

まず「利用データの作成」では、組織内外の労働災害情報をデータベース化しています。「リスク予測データベースの構築」では、労働災害データからAIがリスク予測データベースを自動構築して、リスクを自動で判定可能です。「危険予知と安全対策の実施」では、現場で発生する労災情報を登録して、職種や使用機械、予測災害などから帳票を生成することで、安全対策を徹底できます。建築現場へのAIの導入によって、労働安全衛生管理のさらなる高度化が期待できるでしょう。

物流

日本通運はNECと業務提携を結び、AIを活用した業務の効率化を進めています。通関にかかる業務改善では、「関税計算書システム」を全社で導入しました。「関税計算書システム」では、送り状などのさまざまな帳票をAI-OCRで自動データ化できます。

AIは入手したデータを用いて関税計算や申告書作成などの業務をトータルで支援することが可能です。AIによって帳票から自動データ化した品目の詳細登録情報は、一覧表示されます。一覧表示により、一括でミスの発見と修正に対応できるようになり、従業員のチェック作業の負担が減りました。さらにAIが通関士の専門領域である業務も自動でサポートしており、人材を補填する役割を担っています。引き続き日本通運では、AIによるデータのチェックや転記などの機能を拡充して、従業員の負担軽減や業務のペーパーレス化を推進していく予定だそうです。

農業・水産業

株式会社クボタが提供しているのは、AIの技術を活用したスマート農業サービス「KSAS(KUBOTA Smart Agri System)」。「KSAS」では、農業ロボットやICT、地理情報システム(GIS)などの技術が用いられています。例えば、トラクターは、AIによって自動運転が可能です。自動運転では、GPSの情報をもとに経路を決定できます。

さらに、天候や作物の生育状況などのさまざまなデータを使って、耕す、種をまく、収穫するといった農作業を自動で行うことも可能です。スマート農業では、圃場や作業内容、収穫内容、農機の稼働情報などのデータを可視化して管理できます。そのため、従来の農業では把握しづらかった営農情報やノウハウが蓄積され、管理しやすい農業が実現されているのです。今後はAIカメラにより自ら考えて動く農機具の活用が期待されています。AIを活用したスマート農業は、これまでの農業の産業構造を大きく変える取り組みとなるでしょう。

小売

株式会社イトーヨーカ堂は、AIを用いた発注提案システムを全店舗に導入しています。同システムの対象となる商品は、加工食品や冷凍食品など合わせて約8000品目です。発注提案システムでは、AIが天候や曜日、商品の価格などの基本情報を分析して、最適な販売予測数を提案しています。

発注を提案するAIの精度は、運用を続けることで向上する仕組みです。そのため、導入当初は従業員が必要に応じて発注数量の修正を行う必要があったものの、最終的にはAIが自力で適正な発注数を導き出すことができるようになりました。発注提案システムの導入により、従業員が発注にかける時間が3割削減されたという効果も報告されています。

さらに、発注提案システムによって適正な数量の商品を開店前に陳列できるため、営業時間中の商品の品切れや補充の頻度を減らすこともできました。また店舗で不要な在庫を抱える必要がないため、バックルームにスペースができ売り場面積の拡大も検討できるようになってきています。

AI(人工知能)を企業が活用するメリット

企業は、AI(人工知能)を活用することで多くのメリットを享受できるでしょう。AI技術により業務の効率化や生産性の向上を実現している企業も多くあります。地方など働き手が不足している企業では、AIは人手不足を解消する有効な手段にもなるかもしれません。また、AIの働きは時に人間より正確です。精緻な技術が求められる業務にAIを活用することで、ヒューマンエラーを軽減することも可能でしょう。企業がAIを活用するメリットについて詳しく解説します。

業務効率化・生産性向上

AIを活用すると、繰り返しの多いルーチンワークを自動化することができますルーチンワークをAIに任せることで、従業員が行う業務を効率化することも可能でしょう。例えば顧客からの問い合わせ対応や顧客データの分析をAIで自動化すると、従業員の業務量を減らすことができます。業務量を減らすことは、従業員の負担軽減にもつながるでしょう。AIを活用することで、業務全体の処理スピードを上げて、生産性を高めることも可能です。また従業員への研修にあてる時間や費用の削減にも繋がります。

人手不足の解消

AIを導入することで、企業の人手不足を解消できるでしょう。一部の業務をAIによって自動化させることで、同業務に貴重な人材を投入する必要がなくなるためです。またAIによる自動化は業務の効率化を進める効果もあるため、より少ない人材数で業務を行うことも可能になります。AIによって業務負担が軽減すれば、魅力的な求人として新たな人材の採用もしやすくなるかもしれません。

ヒューマンエラーの軽減

AIによる自動化は、ヒューマンエラーの軽減にも役立ちます。AIは決められたアルゴリズムに基づいて自動で判断や対応ができるためです。例えば人間は同じ業務を繰り返すと疲労がたまり、ミスをしてしまうかもしれません。しかし、膨大なデータの入力や分析などにAIを活用すれば、ミスを減らすことができるでしょう。AIの自動化は人間の判断によって発生するミスも減らすことが可能です。

まとめ

人間の思考プロセスと同じように動作するAIは、さまざまな場面で活用されています。特にAIの手法である「機械学習」は人間の学習に相当する仕組みをコンピューターで実現できるため、AIの活躍の場を飛躍的に増やしました。AIを使うと、画像認識や音声認識、自然言語処理、需要予測、レコメンド、機械制御を自動で行うことができます。各企業がAIの機能を企業サービスや商品に活用することで多くのメリットを享受できるでしょう。AIで業務を自動化することで、業務を効率化し、生産性の向上を図ることも可能です。またAIに一部の業務を任せることで、従業員の業務負担を軽減できるため、人手不足の解消にも貢献。AIは決まったアルゴリズムによって自動で業務をするので、ヒューマンエラーの軽減にも役立ちます。日々進化するAI技術から今後も目が離せません。

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