2021.06.02
セキュリティ対策
社用携帯、紛失したらどうする?企業の対処法を解説!【始末書テンプレートつき】

社用携帯を従業員に貸与している企業は数多いと思いますが、場合によっては従業員が紛失してしまったというケースも少なくはないでしょう。そして、社用携帯の紛失には大きなリスクが潜んでいます。
今回は、実際に社用携帯を紛失した際にはどうすればいいのか?という対処法に加え、社用携帯紛失にまつわるリスクを防ぐ防止策についてご紹介したいと思います。記事の最後に、社用携帯を紛失した場合の始末書のテンプレートも用意していますので、あわせてチェックしてみてください!
この記事の目次
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社用携帯を紛失する原因
まずは、社用携帯を紛失する原因としてどんなことが挙げられるのかを見ていきましょう。
原因(1)外出先での置き忘れ
外出先の飲食店や、移動の電車の中で社用携帯を置き忘れてしまったということは多く見受けられます。ポケットやカバンに入れたつもりでも忘れてしまうことや、もしくは気づかない間に落としてしまったということも十分に有り得ます。
原因(2)泥酔による紛失
飲み会などでつい飲みすぎてしまい、気が緩んで携帯をなくしてしまったというケースもあります。泥酔している場合は記憶もあいまいで、どこに携帯を置き忘れたのかということも特定しづらいため、紛失時の捜索はより難易度が増してしまいます。
こうしたミスをしないように、社用携帯を貸与している従業員には徹底して紛失防止を訴えるべきではありますが、置き忘れ、泥酔などのうっかりミスは、誰にでも起こりうるものです。こうした紛失を100%防止するというのは、現実的にはなかなか難しいところだと言えます。


社用携帯を紛失するリスク
では、社用携帯を紛失することで起きるリスクとはどういったものが考えられるでしょうか。改めてしっかりと認識しておきたい、社用携帯紛失のリスクをここからは説明していきます。
個人情報の漏えい
個人携帯の紛失でも同様のことが言えますが、やはり第一に個人情報の漏えいが大きなリスクとして挙げられます。特に社用携帯の場合、携帯所有者の個人情報はもちろん、連絡先に登録している顧客や取引先の情報、メールの履歴なども重要な個人情報となります。こうした情報漏えいは、企業としても絶対に防がなければなりません。
企業の機密情報の漏えい
メールやチャットアプリを社用携帯で使用している人も多くいますが、こうしたやりとりの中には、社外秘とされるような重要な機密情報も含まれています。企業の今後の方針や、売上といった数値情報なども、社用携帯を紛失することで流出・漏えいしてしまうことに繋がってしまうため、非常に大きなリスクとなります。
会社の信用問題
最後に、会社の信用問題が挙げられます。個人情報や機密情報が漏えいしてしまうとなると、取引先や従業員、関係者にも多大な影響を及ぼします。社用携帯を紛失してしまうと、上記に挙げたような情報の漏えいを引き起こしてしまい、情報漏えい防止ができていない、危機管理ができていない会社だとみなされてしまいます。たかが携帯の紛失と思わず、ステークホルダーに信用をもってもらうために十分な対策を講じる必要があるのです。
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社用携帯を紛失したときにするべきこと
社用携帯紛失の原因や、そのリスクを解説していきました。しかし、気を付けてはいたものの紛失してしまったということもあるでしょう。その場合、企業としてまずは何をするべきなのか、具体的な対応をステップを分けてご説明していきます。
ステップ1:紛失したことを報告する
まず、社用携帯を紛失したことに気づいた時点で、当事者は速やかに会社へ報告を行いましょう。紛失してしまった事実を報告するのは気後れしてしまうかもしれませんが、報告が遅れるほどに情報漏えいのリスクは高まります。決して、翌日会社に出社したときに報告しようなどとは思わず、まずはすぐに担当者へ報告を行ってください。
なお、後述しますが、報告を受けたのち社内の担当者により遠隔ロックなどで携帯からの情報漏えいを防ぐ作業を行う必要があります。あらかじめ社内でも作業担当者を決めて、万が一の場合にすぐに対応できる人員を立てておきましょう。
ステップ2:遠隔ロック操作や位置情報の確認
紛失の報告を受けた担当者は、該当の社用携帯に対して遠隔ロック作業を行いましょう。こうすることで、情報の漏えいを防ぐことができます。また、携帯の位置情報を取得しておくことで回収も容易となります。その後回収できそうであれば、速やかに端末を回収しておきましょう。携帯電話を盗難して端末を売却するようなことも発生していますので、会社の情報だけでなく資産を守るためにも、迅速な行動が必要です。
遠隔ロックの方法:iPhoneの場合
iPhoneであれば、パソコンもしくはiPhoneがあれば、「iPhoneを探す」機能を使うことで、遠隔ロックが可能です。紛失した端末のApple IDとパスコードを利用することで、遠隔ロックが行えます。
※パソコンからの場合は、下記へのアクセスが必要です
icloud.com/find
ただし、紛失した端末で「iPhoneを探す」、「iPhoneの位置情報サービス」がともにオンになっていなければ利用できませんので、ご注意ください。
遠隔ロックの方法:Androidの場合
Android端末の場合、端末にGoogleアカウントを追加済みであれば「デバイスを探す」機能が自動的にオンになっています。下記のURLへアクセスし、ログインをすることで表示されたマップへ端末の位置情報が示されます。その後 [ロック/データ消去を有効にする]を選択することで、遠隔ロックが可能となります。
https://www.google.com/android/find
なお、こちらの機能も下記の条件を満たさない場合は対応できないため、ご注意ください。
- 電源がオンになっている
- Google アカウントにログインしている
- モバイルデータまたは Wi-Fi に接続している
- Google Play での表示がオンになっている
- 位置情報がオンになっている
- 「デバイスを探す」がオンになっている
引用:https://support.google.com/accounts/answer/6160491?hl=ja
ステップ3:顧客などの個人情報が流出した場合は速やかに報告
ステップ2までは紛失時の初動対応になりますが、その後は情報漏えいなどが発生していないかを確認する必要があります。万が一、情報が漏えいしてしまった、漏えいしている可能性が高いといった場合は、速やかにその事実を報告し、謝罪を行います。この事実を隠しておくことは、後々大きな損失にもつながりかねないため、必ず報告と謝罪を行いましょう。
ステップ4:情報開示や謝罪
情報漏えいが発生した場合、企業は社会的責任を負う立場として、対象者以外にも社会に対して報告や謝罪を行う必要もあります。規模が甚大であるなどの内容によっては、謝罪会見を行うといった必要性も考えられます。いずれにしても、場合に応じた真摯な対応が企業には求められると言えるでしょう。また当然ながら、再発防止策をしっかりと講じる必要もあります。


社用携帯 紛失時のセキュリティリスクを低減するには
社用携帯の紛失に対し、もっとも気を付けておきたいのは個人情報・機密情報の漏えいです。ここからは、こうした粉末時のセキュリティリスクを低減できる具体的な方法を紹介していきます。紛失を完全に防ぐことは難しいですが、対策できるサービスを利用することで、セキュリティ面で安心できる体制を築けることでしょう。
MDMの導入でセキュアな環境を実現
先ほど、紛失が発覚した時点で遠隔ロックをすると説明しました。デバイスの標準機能を利用しても遠隔ロックすることも可能ですが、企業としてよりセキュアな環境を実現するにはMDMの利用もおすすめです。
MDMとはモバイルデバイス管理の略で、大量の社用携帯やデバイスを取り扱う企業にこそ、導入しておきたい管理ツールです。紛失時への対策はもちろんですが、セキュリティ面の対策も可能で、初期設定やアプリ配信なども一括で処理できます。
〔MDMの機能例:一部〕
紛失対策 | ・遠隔ロック(リモートロック) ・遠隔からの端末の初期化(リモートワイプ) ・位置情報の取得 ・デバイスの機能制限 |
設定管理 | ・StoreアプリやIn-houseアプリ(独自のアプリ)、PDFなどの一括配信、アップデート ・ネットワークなどの利用環境の設定、フィルタリングの適用 ・部署やクラスなど階層的なグループ管理 |
端末の利用状況の把握 | ・不正改造(JailBreak、root化)の有無などをデバイスから取得 ・設定したセキュリティポリシーの違反を自動で検知し、管理者にアラートを通知 |
上記はあくまで一例ですので、他にも多岐にわたる機能が利用できます。社用携帯の紛失対策などにお悩みの企業も、MDMを導入することでセキュリティ面、運用管理面も一気に円滑化します。まだ導入していない企業であれば、導入しておくことでセキュアな環境の実現に繋がります。
社用携帯を紛失した場合の始末書テンプレート
ここからは、従業員が社用携帯を紛失してしまった際の始末書のテンプレートをご紹介します。実際の状況にあわせてアレンジするなどして、ご活用ください。
代表取締役社長 ΟООΟ 殿 ●●●●年●月●日 始末書 このたびは、会社より貸与されていた携帯電話を紛失してしまい、誠に申 以 上
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まとめ
今回は、社用携帯紛失時の対策と防止策について解説していきました。社用携帯は会社の資産であり、個人情報・機密情報を含むものとなります。紛失しないよう日々心掛けることはもちろんですが、万が一の際は遠隔ロックなどを行うことで情報漏えいを防ぐことが重要です。
MDMを使うことで、遠隔ロックや位置情報の取得といった紛失時の対策はもちろん、ネットワークの設定なども効率化が実現します。社用携帯を取り扱っている企業であれば、あらゆる対策にまずは取り入れておきたいツールとなりますので、この機会にぜひ導入を検討してみてくださいね。