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電子契約とは?サービス選定のポイントと注意点を完全解説

近年、テレワークが普及していく中で、多くの企業では経費削減や業務効率化を目的とした「電子契約」のニーズが高まりを見せています。
テレワークを本格的に実施する予定の企業では、このような電子契約をはじめとしたIT環境の整備やクラウドサービスの導入を検討しているところも多いでしょう。しかし、電子契約の導入を検討していても、実際に書面契約との違いや、導入することでどのようなメリットがあるのかいまいち理解していない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、電子契約の特性や書面契約との違い、メリット、サービスを選定する際のポイントを解説するとともに、おススメの電子契約サービスについてもご紹介していきます。
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電子契約とは
電子契約とは、ビジネスにおける契約成立を証明するために、電子データに電子署名を残すことで、書面による契約と同様の証拠力を成すものが電子契約です。
これまでは、お客様や取引先と契約を交わす際、紙の契約書に押印し、合意内容を証明するという方法が一般的でした。しかし、2001年に「電子署名法」が定められ、、電子署名が手書き署名や押印と同様の効力を持つようになったことをきっかけに、少しずつ電子契約が広まるようになってきました。
昨今においては、内閣府が2020年7月に策定した規制改革実施計画の一つに、電子署名の活用が取り入れられたことに加え、コロナ禍によるテレワークの導入企業が一気に増えたことで、さらに電子契約の注目が集まっています。
ちなみに、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が調査したデータによると、各企業はコロナ禍の勤務形態の変化に対応し、電子契約システムを利用している割合は、67.2%にものぼっています。
参考資料:JIPDEC社 コロナ禍にみるIT化の現状─「企業IT利活用動向調査2021」
電子契約は大きく2タイプに分かれる
電子契約は、大きく分けると以下の「立会人型」「当事者型」の2タイプに区分することができます。それぞれの特徴をみていきましょう。
立会人型
「立会人型」の電子契約は、一言でお伝えするとメール承認により、本人性を担保するものです。本人確認の方法は、契約システムから配信されるメールを受信すると本人確認が完了します。
メールの受信さえできれば、基本的にはどの企業でも電子契約を交わすことが可能です。取引相手に負担をかけず素早く契約締結を行うことができるため、人気の電子契約のタイプとなります。
当事者型
「当事者型」の電子契約は本人確認を行うにあたり、第三者機関である電子認証局が厳格な審査を行った上で電子証明を発行するため、実印レベルに値する、とても信用性の高い電子署名です。
とくに高額な取引や、実印を押印する契約書、本人性の高さが求められる契約文書への署名などにも利用される電子契約のタイプです。
電子契約と書面契約との違い
つづいては、電子契約と書名契約との違いについて、みていきましょう。主な違いは、以下のとおりです。
書面契約の場合
- 形式:紙文書を製本
- 証拠力:印鑑、印影
- 管理方法:実物を管理
- 印紙税:必要(200円~2,000円)
紙文書を製本するため、書類の保管スペースが必要です。また、印刷代、郵送代、印紙印紙などのコストも発生します。なお、証拠力としては印鑑、印影を利用しています。
電子契約の場合
- 形式:電子データ、PDFデータ
- 証拠力:電子署名※1、タイムスタンプ※2
- 管理方法:サーバー上で管理
- 印紙税:不要
※1)電子署名・・捺印。電子文書において、「誰が」「何を」作成したかを証明するもの
※2)タイムスタンプ・・消印。電子文書の「いつ」「何を」作成したのか証明できる技術
電子契約の場合は、書面契約とは違い電子契約サービス上で書類を作成します。データはクラウド上で管理されるので、保管場所を用意する必要もありません。印刷代や収入印紙が不要なため、コスト削減ができる点も大きな違いだと言えます。
電子契約の法的効力
電子契約は、紙の書面契約と比較すると管理もラクでコストを抑えることができるなどメリットの多いサービスですが、なぜ法的に効力が認められているのでしょうか。ここでは、電子契約の法的根拠についてみていきましょう。
電子契約の法令整備
電子契約に関する法令は、2000年以降より「民法」「電子署名法」「電子帳簿保存法」を中心に、法令整備が行われるようになりました。それぞれの法令整備の内容は、次のとおりです。
民法
2020年4月に改正された「契約方式の自由」の明記により、書面における契約の成立は不要ということになりました。とくに、取引基本契約・秘密保持契約・売買契約・業務委託契約・請負契約・雇用契約など、幅広い契約において、電子契約が使用できるようになりました。
”第522条
1 契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。) に対して相手方が承諾をしたときに成立する。2 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。”
電子署名法
電子署名法は、手書きの署名や押印の代わりに、電子データへ電子署名をしたユーザーを表示し、作成したあとに修正や改変されていないことを確認できる技術的な措置を「電子署名」と定めた法律です。
電子ファイルへ本人が電子署名を行うことで、正式に契約が成立します。
”第2条 この法律において「電子署名」とは、電磁的記録(略)に記録することができる情報について行われる措置であって、次の要件のいずれにも該当するものをいう。
一 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。
二 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。第3条 電磁的記録であって情報を表すために作成されたもの(公務員が職務上作成したものを除く。)は、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名(これを行うために必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限る。)が行われているときは、真正に成立したものと推定する。”
電子帳簿保存法
電子帳簿保存法では、7年間にわたり、税法上・契約書・注文書・領収書・見積書等の取引情報に関係する書面を保管する義務が定めれています。
しかし、電子データで契約書を保管する場合は、以下の要件を満たすことで、紙の契約書の原本と同じ扱いとなります。
”電子帳簿保存法10条
真実性の確保—認定タイムスタンプを付与、改変不可能もしくは改変が記
関係書類の備付—マニュアルが備え付けられていること
検索性の確保—主要項目を範囲指定および組み合わせで検索できること録されるクラウドサービスを利用、または社内規程があること
見読性の確保—納税地で画面とプリンターで契約内容が確認できること”
電子契約の「完全性」の要件
電子化された文書は、デジタル上でデータを編集できるため、紙の文書と比較すると、痕跡を残さずに改ざんできるといった特性を備えています。そのため社内では、電子化文書が操作ミスや事故などで滅失することを防ぎ、改ざんがあったことをつねに確認できる状態にしておかなくてはいけません。
実際にビジネスの現場で電子契約を使用する際は、経済産業省が定めた要件として、以下の「完全性」を満たす必要があります。
”完全性の要件Ⅰ
電子化文書に記録された事項が保存義務期間中に滅失し、又はき損することを防止する措置を講じ
ていること。
完全性の要件Ⅱ
電子化文書に記録された事項について、保存義務期間の間において当該記録事項の改変又は当該電
子ファイルの消去の有無又はその内容を確認することができる措置を講じていること。
完全性の要件Ⅲ
電子化文書に記録された事項について、保存義務期間の間において当該記録事項の改変又は当該電子ファイルの消去を抑止する措置を講じていること。”
ちなみに、これら3つの完全性の要件を満たすことができるのが、電子契約サービスを使用する際に用いられる「電子署名」や「タイムスタンプ」になります。
資料引用:経済産業省「文書の電子化・活用ガイド」
電子契約のメリット
つづいては、企業へ電子契約を導入するメリットについてみていきましょう。
コストの削減
電子契約を導入することで、契約に関連するコストを削減できる点は大きなメリットです。従来のような紙の契約書の場合、書類を準備するために印刷代や封筒代、郵送代、印紙税などさまざまな費用がかかります。
さらに、これらの一連の業務には、書類を探す時間もかかったり、業務の行程に携わる従業員も必要となるため、人的コストも発生してきます。
しかし、電子契約に切り替えると、メールでカンタンに契約書を送付することが可能となり、契約書にかかる印刷代やインク代、封筒代、郵送代などのコストを抑えることができます。
加えて、電子契約は、印紙代がかからないという点も大きなメリットです。紙の契約書では、印紙税がかかり、契約金額に応じて印紙税の費用も上がるため、書面での契約と比べた場合、契約締結するまでに発生するコストを削減できるのはメリットの一つといえるでしょう。
≪電子契約の導入で削減できるコスト一例≫
- コピー用紙代、印刷代
- 印刷時のインク代
- 封筒代
- 郵送代
- 印紙代
- 人的コスト
業務効率化の実現
紙の契約書の一連の流れは、製本から押印、取引先へ書類の郵送を行ったあと、契約相手に押印、返送をしてもらうため、手間と一定の時間がかかります。
一方、電子契約であれば、クラウド上で契約を完結することができるため、作業の効率化を図ることが可能となります。
さらに電子契約は、パソコンやタブレットなどの画面上で契約が完結するまでの一連のステータスを確認することができるため、契約締結の遅延や漏れを防止することもでき、円滑な取引が実現します。
コンプライアンス(法令遵守)の強化
社内の就業規則・規定、法令などのコンプライアンス(法令遵守)の強化においても、電子契約は有効な方法です。
電子契約は、契約を取り交わすまでのプロセスが可視化されており、契約書に関わった人や場所などの記録が残ることに加え、署名を行う際の本人証明を行う仕組みが構築されています。
そのため、契約漏れや更新、解約漏れといったリスクがなくなり、コンプライアンスの強化を図りたい企業にもおススメです。
電子契約サービス選定のポイント
以上の解説を踏まえて、ここからは電子契約を導入する際に、チェックすべきポイントを3つご紹介していきます。
月の契約書数を基準にする
電子契約システムを導入するとなると気になるのは費用面ではないでしょうか。一般的に電子契約システムを導入する際にかかるコストは、以下のとおりです。
基本料金+従量課金制(契約締結ごとに発生:100円~200円ほど)
このように、一般的な電子契約システムの料金形態は、従量課金制となっているため、契約書数が多ければ多いほど高額な費用が発生してしまいます。
一方、電子契約の送信が無料かつ定額制のサービスであれば、契約書数が多くなるほどメリットは大きくなります。
そのため、電子契約サービスを導入する際は、あらかじめ月の契約書数がどれくらいなのか算出した上で、どちらのプランを選ぶのか検討しておくことをおススメします。
セキュリティ機能をチェックする
電子契約サービスを選定する際は、自社が必要とするセキュリティ機能が搭載されているかチェックすることも重要なポイントです。
とくに、電子契約は取引先との重要な契約内容が含まれたデータをネット回線を通してを電子ファイルで送信するサービスとなります。万が一、サイバー攻撃に遭ってしまっては、社内の機密情報が漏えいし、大きな損害・損失を負うことになり、取引先への信頼も失ってしまいます。
そのため、電子契約サービスを選定する際は、暗号化できるかどうかや、法令に対応しているサインが利用できるかといったことが非常に重要です。
また、サイバー攻撃に使われるウイルスは、進化するのも早く、同じセキュリティ対策を講じるだけでは対処できないケースがあります。そのため、最新のセキュリティを導入できるサービスを選定するようにしましょう。
立会人型・当事者型の対応有無
最後は、冒頭で電子契約の種類について触れたように、電子契約の種類が「立会人型」または「当事者型」のどちらに対応しているかといったことも確認しておきましょう。
とくに、高額な取引を行う際や大きいリスクを伴う契約書を扱う場合は、当事者署名型を利用することをおススメします。
一方、厳重なチェックが不要な比較的軽い内容の契約を交わす場合は、メールの受信さえできれば、電子契約を交わすことのできる立会人型の電子契約サービスを選ぶといいでしょう。
以上、電子契約の特性や書面契約との違いや、サービス選定時のポイントなどについて解説してきました。次章では、いよいよモビナビがおススメする電子契約サービスをご紹介していきます!
電子契約なら「電子印鑑GMOサイン」
画像引用:GMOサイン
電子契約サービスの導入を検討している方の中には、どのサービスを選ぶべきか迷っている方も多いでしょう。そんな方におススメしたいサービスが「電子印鑑GMOサイン」です。
「電子印鑑GMOサイン」は、これまで紙文書に印鑑を押印したり、サインしていた契約を電子文書としてクラウド上で契約締結を行うことができる電子契約サービスです。GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社が提供しています。
他の電子契約サービスと比べると低コストで利用でき、機能も充実しているため、幅広い企業で導入されている人気の電子サービスです。
「電子印鑑GMOサイン」のメリット
「電子印鑑GMOサイン」の具体的なメリットについては、以下の3つが挙げられます。
差込文書一括送信に対応
「電子印鑑GMOサイン」では、”差込文書一括送信機能”により、宛先や内容が異なる契約書を一括送信することができます。
たとえば、業務委託や雇用契約など、ルーチーン化された業務において、同じ業務委託契約書でも契約期間だけを修正して、複数の宛先へ一括送信したいといった場合もあるでしょう。そんなときでも、CSVファイルへデータ入力を行い「電子印鑑GMOサイン」にアップロードするだけで、一括送信が可能となります。
加えて、これまで数週間かかっていた契約締結もあっという間に1日で完了できるため、効率的な契約締結が実現します。
閲覧制限やユーザーグループ設定も可能
「電子印鑑GMOサイン」では、閲覧制限やユーザーグループ設定などの機能により、安全な管理・運用体制を整えることができます。
たとえば、”閲覧制限”を使用すると、一部のメンバーのみ閲覧することができ、部外秘の文書を安心して保管することができます。
また、”ユーザーグループ管理”では、部署ごとにグループを分けて運用できたり、”役割・権限設定”により、ユーザーごとに役割と権限を設定することもできます。
さらに、すぐにCSV 出力が可能なリストを作成・提出できる”文書リスト作成 (CSV 出力)”といった機能により、業務効率化を図りながら、管理体制を整備することが可能です。
スマホアプリで利便性アップ
「電子印鑑GMOサイン」では、PCを開かなくても、外出先からスマホアプリでカンタンに電子署名が可能です。
スマホアプリを確認するだけで、締結の承認依頼がスマホにプッシュ通知で届き、そのまま契約締結業務を済ませることができます。
そのため、外出の多いビジネスマンや経営者など、すぐにサインが必要とされるシーンにおいて、スピーディな対応が実現します。
「電子印鑑GMOサイン」の機能一覧
「電子印鑑GMOサイン」は、以下のように機能が充実していることも魅力の一つです。これらの機能は、すべて標準搭載されています。
契約印タイプ 電子署名 | 署名順設定 |
実印タイプ 電子署名 | アクセスコード認証 |
手書きサイン | 文書テンプレート登録 |
3社間契約対応 | 差込文書一括送信 |
完全オンライン締結 | アドレス帳 |
印影登録 | 文書検索(電子帳簿保存法対応) |
国内シェアNo.1の認証局と直接連携 | 契約更新の通知 |
長期署名・認定タイムスタンプ | 閲覧制限(文書/フォルダ単位) |
Adobe認定証明書を採用(AATL) | フォルダ作成 |
スマホ対応(署名) | ユーザーグループ管理 |
契約ステータスの確認 | 役割・権限設定 |
証明書の期限通知 | 文書情報項目設定 |
ワークフロー | 文書リスト作成(CSV出力) |
署名依頼メールの再送信 | 操作ログ管理 |
署名者変更 | ワンタイムパスワード |
「電子印鑑GMOサイン」のセキュリティ対策
電子契約は、デジタル上での取引を行うため、セキュリティ面においても、やはり気になる部分ではないでしょうか。「電子印鑑GMOサイン」では、ワンタイムパスワードやIPアドレス制限といった機能によりセキュリティ強化も可能となっているため、ビジネス上での取引や運用においても安心です。
「電子印鑑GMOサイン」を契約している方であれば、どなたでも使用できる”ワンタイムパスワード”は、管理ページへのログインにおいて、ワンタイムパスワードの認証を追加することがます。
さらにセキュリティを強化したい場合は、特定のネットワークだけにログインを許可する”IPアドレス制限機能”に加え、許可をもらったクライアント証明書がインストールされた端末からのみアクセスを許可する”クライアント認証”といった機能も、オプションにより追加することが可能です。
「電子契約GMOサイン」の料金・プラン
「電子契約GMOサイン」では、無料プランと有料プランを展開しており、お客さまのニーズに合ったプランを選択することが可能です。
お試しフリープラン(無料プラン)
お試しフリープラン | |
月額基本料金 | 0円 |
ユーザー数、署名数 | ユーザー数:1 署名数:無料(5文書まで) |
署名方法 | ・契約印タイプ(電子署名) |
送信料 | 0円 |
電子証明書 | ‐ |
契約印&実印プラン(有料プラン)
契約印&実印プラン | |
月額基本料金 | 9,680円(税込) |
ユーザー数、署名数 | ユーザー数:無制限 署名数:無制限 |
署名方法 | ・契約印タイプ(電⼦署名) ・実印タイプ(⾝元確認済み ⾼度電⼦署名) ・マイナンバー実印(※オプション) |
送信料 | 契約印タイプ:110円/件 実印タイプ:330円/件 |
電子証明書 | 1枚目:無料 2枚目以降:年間8,800円/枚 |
まとめ
今回は、電子契約の特性や書面契約との違い、サービス選定時のポイント、おススメのサービスまで詳しく解説してきました。
電子契約サービスは、紙の書面契約と比較すると管理もラクな上、印刷代や郵送代、印紙税などのコスト削減も可能となるため、IT化が進む時代においてメリットの多いサービスです。
とくに、今回ご紹介した「電子契約GMOサイン」は、導入費用も安く、便利な機能も充実しているため、初めて電子契約サービスを導入しようと検討している方にもおススメです。
現在、電子契約の導入を検討している経理や総務担当者、本格的にテレワークの導入を進めていくことを考えている経営者などは、ぜひこの機会に電子契約サービスを導入してみてはいかがでしょうか。