2021.06.15

教育現場

GIGAスクール構想をわかりやすく解説!教育ICT、1人1台端末環境の実現とは?

2020年度に大詰めとなった「GIGAスクール構想」、児童生徒に1人1台の端末の配布と高速ネットワーク設備対応のほか、教育のICT化を進める国の取組みですが、すでに導入を終え、徐々に活用が進んでいる現場も多いのではないでしょうか。
当初、3カ年計画だった期間が1年半に圧縮され、教育現場や関係企業共に密度の濃い時間を過ごしたと思います。

2020年度のGIGAスクール構想では主に小中学校での導入が進み、高等学校ではこれからの整備が多いという状況でもあります。おさらいも含め、GIGAスクール構想についてわかりやすくご紹介したいと思います。

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GIGAスクール構想とは?

GIGA(※1)スクール構想とは、Society5.0(※2)の時代を生きる子供たちのために、公正に「個別最適化され、創造性を育む学び」を実現させる国の取組みです。
主には、2023年度までに「1人1台の学習用端末(タブレットやパソコンなど)」と、クラウド活用(学習ツールなど)を前提とした「高速・大容量ネットワーク環境」を学校に整備する計画です。

記憶に新しい新型コロナウイルスの流行や、リモート学習などの生活様式の変化、また「GIGAスクール構想の加速による学びの保障」で補正予算が4,610億円と大きく増額されことから、2021年3月現在では全国1,812自治体のうち、1,769自治体(97.6%)が2020年度内に納品を完了する見込みと発表されています。

(※1):GIGA:『Global and Innovation Gateway for All』 の略。 『全ての人にグローバルで革新的な入口を』という意味であり、子供たち全員へ教育ICT環境を提供することを明示しています。
(※2):Society5.0:『仮想と現実の空間が高度に融合した人間中心の社会』という意味であり、目指すべき未来社会の姿として内閣府より提唱されています。(参考:https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/)

現状のICT教育の実情って?

GIGAスクール構想の発表当初、日本の学校のICT環境設備は世界的にも遅れており、「授業におけるデジタル機器の利用時間が短く、OECD加盟国中、最下位」という調査結果があります。
参考:https://www.mext.go.jp/content/000021454.pdf

文部科学省の調査によると、児童生徒が利用する学習者用コンピュータの充足率は低く、2020年3月時点で児童生徒5.4人に1台(小学校で7.7人に1台、中学校で6.3人に1台)とあります。また、すでに校内にネットワーク環境がある学校も含め、利用端末の増加、アプリなどのクラウドコンテンツ、動画やプログラミング、リモート学習など、今後の活用でネットワークに大きな負荷が予測されることから、十分耐えうる設備が必要となります。

つまり、GIGAスクール構想以前の教育現場でのICT教育に向けた環境整備は、なかなか整っておらず、早急な解決が求められる状況にありました。こうした課題を短期間で解消しようというのもGIGAスクール構想の大きな狙いのひとつでもあります。

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GIGAスクール構想実現のためにすべきこと

これまで「1人1台の学習用端末」と、「高速・大容量ネットワーク環境」を強調して伝えてきましたが、これらはあくまで「ハードウェア」とされる設備です。実際の授業で活用するには、この「ハードウェア」に加え、デジタル教科書や学習用アプリなどの「ソフト(クラウドサービス)」や、「指導体制」の3点が揃って機能します。

ポイント
ハードウェア ・ネットワーク環境 ・児童、生徒1人1台の端末整備 など
クラウドサービスの活用 ・デジタル教科書や学習用アプリの利用 ・業務効率化となるクラウドサービスの利用 など
指導体制 ・アドバイザーによる説明会やワークショップ ・ICT支援員による授業サポート ・教員のICT活用やスキルアップを進める体制づくり など

より詳しく理解するために、この「ハードウェア」「ソフト」「指導体制」の3つのポイントについて、個別に詳しく見ていきましょう。

GIGAスクール構想実現のために必要なポイント(1)ハードウェアの整備

まずはハードウェアの整備における内容を見ていきましょう。ICT環境構築の土台となる部分となりますので、この基礎作りが重要なポイントです。

校内ネットワークの整備

GIGAスクール構想を実現する上で土台となるのが校内ネットワークの整備です。
校外へのネットワーク整備ももちろん必要ですが、補助対象となるのは校内ネットワークとなります。厳密にいうと校内ネットワークと端末の整備をセットで行うことがGIGAスクール構想の原則となります。

校内のネットワークについては前項でも触れた通り、教育コンテンツや動画、プログラミングなど、活用が進むにつれネットワークに負荷がかかることが予想できます。そのため初期の構築時点でそれを見据えた高速な環境を検討する必要があります。また、多くの場合はWi-Fiによる接続環境ですが、家庭学習や校外利用なども検討している学校はLTEによるネットワーク構築も考えられ、これは国からも認められています。

しかしLTEの場合、端末側に通信機能をもつことから補助対象枠を超えることや、また端末ごとの通信費は補助対象外のため、その点を踏まえた事前計画が必要となります。

児童・生徒1人1台端末の導入

端末に関しては、先の校内ネットワークとセットで検討が原則です。
求められる仕様に関しては文部科学省の「GIGAスクール構想の実現パッケージ」で示されています。

1人1台端末は、従来の一斉授業とは異なり、学習状況や地域問わず、個々の理解度に合わせた学び、感染症や災害時でも学びをとめることのない環境を実現しました。
また先生から生徒への一方向の授業ではなく、全員参加型で児童生徒全員の考えその場で得ることができたり、時には生徒同士で議論を深めるといった、双方向のコミュニケーションの活性化が期待されます。

GIGAスクール構想実現のために必要なポイント(2)クラウドサービスの活用

ネットワークと端末というハードウェア部分に関して説明してきましたが、こうした設備面に関しては各校でそこまで大きな仕様の差異はないかと思います。ハードウェアの整備が整ったのちは、2つめのポイントとして、実際の授業で使用されるデジタル教科書やアプリケーションといった、クラウドサービスの利用が必要とされてきます。

実際によく利用されているソフトウェアやアプリケーション、クラウドサービスの例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • デジタル教科書
  • ドリルなどの学習ツール
  • 出欠や成績などの管理ツール
  • コミュニケーションを目的としたグループウェア

児童や生徒に向けた、学習の好奇心をくすぐるサービスはもちろんですが、先生の業務を効率化するアプリケーションなども多く提供されています。GIGAスクール構想におけるクラウドの活用は児童・生徒の活用はもちろん、教員の働き方改革などもで期待できるため、できる範囲でスタートしてみてはいかがでしょうか。

こうしたクラウドサービスの活用ほか、1人1台端末導入に向けた各校の取り組みなど、実際に導入された先生方の貴重なインタビューも弊社では行っています。先生方の生の声や事例をもっと知りたい、という方はぜひこちらもご参照ください。

>>インタビュー動画集はこちら

セキュリティーポリシーの遵守

クラウド活用と同じくして各校で異なるものとして「セキュリティポリシーの遵守」があります。これは、デバイスやクラウドなどの活用をどういったルールにするかというものです。

実はこの工程は非常に重要で、児童・生徒への見守りの一環として、あらかじめ考えられるリスクと、より良い活用のために必要な要素を取り決めておきます。たとえば、学年ごとにポリシーを設けるといった内容も考えられますし、学年が上がるごとに制限が解除されていくといった運用方法も多く見られているようです。

これらポリシーの遵守はデバイス管理での設定をはじめ、「指導体制」として専門家への相談などをしつつ策定することをお勧めします。

GIGAスクール構想実現のために必要なポイント(3)指導体制の整備

ハードウェアをはじめとするICT環境が整備され、クラウドサービスやアプリケーションの利用が進んでいくとなると、改めて考えてきたいのが学校における指導体制となっていきます。従来の一斉授業から変わっていくことを踏まえて、今までとは異なる体制の検討や準備を行わなくてはなりません。

こうした新たな体制づくりにおいては、学校内だけで完結するよりも、外部の声を積極的に取り入れていくことが成功の鍵だと言えるでしょう。ICT活用に長けたアドバイザーによる説明会やワークショップ、ICT支援員の登用による授業サポートといった方法などが具体的には挙げられます。また同時に、教員へのICT活用を促す仕組みづくりやスキルアップへの施策も考えておくとよいでしょう。

「教育の情報化に関する手引」でのICT活用の例

学習指導要領にて、「情報活用能力」が学習の基盤となる資質・能力と位置付けられました。そして「情報活用能力」は教科等問わず、横断的にその育成を図ることになっています。

GIGAスクール構想は、その育成のために必要なICT環境を整えました。
また教育の情報化を促進するために、教師から児童生徒への指導や、学校・教育委員会の具体的な取組を「教育の情報化に関する手引」として文部科学省が取りまとめています。

詳細は手引を一読してもらえればと思いますが、ICTを効果的に活用した学習場面は10の分類例として示されています。

一斉学習
挿絵や写真等を拡大・縮小、画面への書き込み等を活用してわかりやすく説明することにより、子供たちの興味・関心を高めることが可能となる。
A1 教員による教材の提示:電子黒板等を用いた分かりやすい課題の提示
個別学習
デジタル教材などの活用により、自らの疑問について深く調べることや、自分に合った進度で学習することが容易となる。また、一人一人の学習履歴を把握することにより、個々の理解や関心の程度に応じた学びを構築することが可能となる。
B1 個に応じる学習:一人一人の習熟の程度などに応じた学習
B2 調査活動:インターネット等による調査
B3 思考を深める学習:シミュレーション等を用いた考えを深める学習
B4 表現・制作:マルチメディアによる表現・制作
B5 タブレットPC等の持ち帰りによる過程学習
協働学習
タブレットPCや電子黒板等を活用し、教室内の授業や他地域・海外の学校との交流学習において子供同士による意見交換、発表などお互いを高めあう学びを通じて、思考力、判断力、表現力などを育成することが可能となる。
C1 発表や話合い:考えや作品を提示・交換しての発表や話合い
C2 協働での意見整理:複数の意見や考えを議論して整理
C3 協働制作:グループでの分担や協力による作品の制作
C4 学校の壁を越えた学習:遠隔地の学校等との交流

また小学校・中学校・高等学校の段階別に教科ごとの具体例も示されています。具体的には、こちらの内容を参照してみてください。
>>「教育の情報化に関する手引-追補版-(令和2年6月)」第4章

ICT活用を用いて、次世代の学校・教育現場へ

GIGAスクール構想によって学習環境の整備が進み、かつ「教育の情報化に関する手引」や先進校の先生方の取組みにより、教育課程や教科ごとの活用例も充実していきます。

文部科学省では今までのナレッジを含め、GIGAスクールで導入された設備やツールを従来の文房具や教具と同様、日常的に活用していけるよう、先進的に実践事例等を「 stuDX Style(スタディーエックス スタイル) 」で随時発信をしています。

主なトピックとしては以下の5つとなります。

これまで紹介してきた設備や学習ツール、授業での実戦など、いずれも単に導入すればいいというものではなく、児童・生徒1人1人にとって最適な学びになることがGIGAスクール構想の価値だと言えるでしょう。
何からはじめたらいいのかと、お悩みの声も耳にしますが、先に紹介した当社事例の先生方もおっしゃる通り、いきなり先進的な取組みを取り入れるのではなく、身近なことから徐々に置き換えてトライをしていくことも大事な一歩です。

GIGAスクール構想にはデバイス管理が重要

GIGAスクール構想について詳しく解説していきましたが、実際に端末を導入する教育現場では、不安な点も多いかと思います。特に、児童・生徒へ1人1台端末を導入するとなると、その管理はどうすればいいでしょうか。

子供たちが学校で活用する端末も、一般に売られている端末と変わりありません。カメラ撮影もできれば、インターネットもできます。また様々なアプリをインストールし、使うこともできます。
もちろん「児童・生徒に端末を自由に使わせたい」という思いも学校側としてあるでしょうが、すべての機能をフルに使わせてしまうことにはリスクがあります。たとえば、授業中にゲームや動画をみていたり、悪意のあるWEBサイトに誤って接続してしまったり、人の写真を勝手に撮りSNSで拡散してしまったりといったことも容易に行えてしまいます。こうなってしまうと、本来目的としている授業での活用を妨げとなります。

こういったリスクに備え、児童・生徒の習熟度にあわせた制限(見守り)が必要になってきます。その環境を整えることができるのがMDMと言われる「モバイルデバイス管理」です。MDMでは、端末に備わっている機能の「制限(カメラOFF など)」や盗難・紛失時の「遠隔制御(ロック など)」、WEB閲覧を制限するフィルタリングなど、安全な環境を作ります。

またアプリのインストールや設定変更のたびに端末を回収するとなると、管理者の大きなコストとなります。そんなときも遠隔で「アプリ配信」や設定変更を行うことができるためコスト削減にも役に立ちます。

なお、弊社のMDM「mobiconnect(モビコネクト)」は1000校以上に導入されており、教育現場に向けたデバイス管理のノウハウや機能を有しています。もしMDMを導入したいという希望があれば、ぜひお気軽にご相談ください!

▼教育機関でのMDM導入事例をこちらからチェック!
https://www.mobi-connect.net/request/

MDMに関する詳細は、下記のページで動画なども使って説明していますので、さらに詳しく知りたいという方はぜひこちらもご覧ください。

>>モビィが解説!mobiconnect(MDM)ってなに?

まとめ

GIGAスクール構想によって、全国的な教育ICTの土台が整いつつあります。
一方、従来の授業形式からの大きな変化もあるため、教職員や児童生徒にも戸惑いがあるのもまた事実です。
「千里の道も一歩から」とあるように、まずは国の手引きや先進校の取組などを参考に、身近なところからICTを取り入れて実践してみてはいかがでしょうか。
もちろん学校、教職員や児童生徒に関わる各企業や保護者も、現場の理解とサポートしていく姿勢が大切だと思います。

当社はMDM(モバイルデバイス管理)として多くの教育機関への導入実績があります。
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導入を検討されている方も、すでに導入してるが活用が進んでいない方も、まずはお気軽にご相談ください。