2021.09.02

MDM用語・機能

Google Classroomでできることって?使い方や機能、始め方の手順まで紹介!

昨今における新型コロナウイルスの感染症対策と、加速していくIT化の流れを受け、教育現場においてもオンライン学習システムの積極的な導入が進んでいます。

その中でも、Googleが提供するサービスの一つ「Google Classroom」は、教育現場のオンライン学習を効率化してくれる便利なツールとして注目を集めており、これから本格的に導入したいと検討している学校や教員の方も多いでしょう。
しかしながら、Google Classroomを活用してタブレット学習を進めていきたいと思っていても、「どのような機能があるの?」「使い方がいまいち理解できない……」とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、Google Classroomとは、どのようなサービスなのか分かりやすく解説した上で、その機能や使い方、始め方の手順などについて詳しく解説していきます。

Google Classroomとは

 

Google Classroomとは、教育現場で役立つオンライン学習システムで、クラス単位で生徒や学習内容を運営・管理することが可能となります。米国IT企業大手のGoogleが提供している教育向けのサービス「Google Apps for Education」の一つに含まれています。

また、保護者への連絡事項の共有や生徒・児童同士の交流なども、Gmailを使用することでGoogle Classroomにて実施できます。そのため、クラス単位での管理や運用に関しては、Google Classroomで完結できます。

昨今において、ウイルス感染症の拡大とIT化が進んでいることから、オンライン学習システムのニーズが増加しています。そのため、Google Classroomをはじめとする授業プラットフォームは多くの教育現場で注目を集めるサービスとなっています。

参考資料:Google Classroom公式サイトより




Google Classroomで出来る機能

 

それでは、Google Classroomでは具体的にどのような機能が搭載されているのでしょうか。Google Classroomでは、先ほども説明したように保護者への連絡から生徒・児童同士の交流までもが可能となっています。

ここでは、実際にGoogle Classroomを使用するであろう「生徒」「教師」「管理者」「保護者」、それぞれに向けた機能を個別でご紹介していきます。

Google Classroomの生徒・児童向け機能

Google Classroomでは、生徒・児童向けの機能として以下のような機能が搭載されています。

  • Google Classroom上で宿題や課題を確認、提出できる
  • 提出物のフィードバックや、採点後の成績をチェックできる
  • ストリーム(Google Classroom内で使用できるクラス専用のオンライン掲示板)やメールで教師やクラスメンバーに質問したり、情報共有できる

Google Classroomでは、生徒・児童はツール上で課題を提出したり、成績の閲覧のほか、課題へのコメント、共有情報の閲覧などが可能となります。

たとえば、教師から課題を与えられた場合、生徒・児童自身は、Google Classroom上で課題を提出することができます。さらに、その課題はそのまま教師が採点した上で返却されるため、成績をチェックすることも可能となります。

このように、Google Classroomを使うことで、これまでノートや紙を使って提出していたものが、そのままタブレット上で提出から受取まで完結します。こうした機能があることで、ペーパーレスに繋がるということはもちろんですが、感染症の影響から登校を行わない期間であっても課題や宿題、またフィードバックを与えることで、学習の遅延を抑止することもできるでしょう。

さらに、自習する際に適した機能として、教師には非公開にできる課題へのコメントや、その他の共有情報の閲覧なども可能となります。

Google Classroomの教師向け機能

Google Classroomの教師向け機能では、クラスの運営や管理に便利な機能が多数揃っています。

  • クラスや課題を作成・管理が可能。さらに採点機能を設定することもできる
  • 課題にYouTube 動画やGoogle フォームのアンケートなどの資料を追加できる
  • 生徒・児童の提出物のフィードバックをリアルタイムで提供可能
  • お知らせ投稿や、生徒・児童からの質問をベースに話し合いを開始できる
  • 提出期限が迫っている課題や未提出の課題をお知らせできる

たとえば、学校内で定期的に実施されるクラス替えのシーンでは、教師が生徒・児童となるメンバーをピックアップしてクラスを作成したり、編成することができます。加えて、カレンダーや共有フォルダの管理や、生徒・児童に必要な情報を共有することも可能です。

また、Google Classroomの生徒向け機能でもご紹介したように、課題の作成や採点、返却などもGoogle Classroom内で行うことができるため、課題の実施などについても、紙でのやり取りと比較すると手軽に効率よく進めることができます。

Google Classroomの管理者向け機能

Google Classroomでは、システムやアプリなどを管理・運用する管理者向けの機能も複数そろっています。

  • データ保護やユーザーの権限を設定できる
  • クラスと名簿の設定が可能
  • クラス内の生徒・児童や教師の追加・削除が可能
  • 年中無休 24 時間対応可能なヘルプデスクを利用できる

たとえば、Google Classroom内で作成したクラスのメンバーを追加・変更したり、生徒・児童の成績表や教師への周知事項といったデータを保護するために、データへのアクセスを教師・生徒別にしたり、グループ別にするなど、データに応じてユーザーアクセスを許可する制御機能などがあります。

さらにGoogle Classroomの利用にあたり、何か困った際は、年中無休で24時間対応してくれるヘルプデスクを利用することもできるため、安心して活用できます。

Google Classroomの保護者向け機能

Google Classroomでは、教師や生徒・児童だけでなく、以下のような保護者向けの便利な機能もあります。

  • 生徒、児童の課題に関する概要が記載されたメールの受信
  • 定期的なお知らせ、クラスでの活動をチェックできる

具体的には、学校の管理者・教師は、生徒・児童の保護者に向けて、課題に関する概要(未提出の課題や提出期限の近い課題 など)が記載されたメールを保護者が受け取れるよう招待することが可能です。

また、保護者は、教師が最近投稿したお知らせ・課題・質問といったクラスでの活動をメールで受信することもできます。このようにクラスの活動や学習の状況を保護者にも共有できる点は、保護者にとってもタブレット学習への安心感にも繋がるでしょう。

Google Classroomの使い方・活用

 

つづいては、Google Classroomを実際に学校や教育現場で使用する際の、具体的な使い方や活用方法についてご紹介していきます。

課題の進捗確認

Google Classroomでは、教師が生徒・児童へ出した課題の状況を一人ずつ確認することができます。

課題投稿機能を使用すると、課題用のプリントや授業で使うワークプリントなどをオンライン上で配布できるため、ネット環境さえあれば外出先でもパソコンやスマートフォンなどから手軽に課題を確認することが可能です。

また、教師が課題を作成する際は、「各生徒にコピーを作成」を選択し、作成することで、Aさんだけが閲覧・編集できたり、Bさんだけが閲覧・編集できるといった風に、生徒・児童一人ずつに個別の権限を付与できます。こうすることで、一人ひとりに向けたプリントを用意することができます。

課題については、クラス毎の共有フォルダに自動保存され、Googleが提供するツールのファイル形式であれば、生徒・児童の課題の進行状況をフォルダ内でこまめにチェックすることが可能となります。

課題の提出とフィードバック

Google Classroomを使用すると、授業内容は自動的に保存される仕組みとなります。さらに、クラウド上にデータを保存できるGoogleドライブと自動連携しているため、授業で与えられた資料や課題などは、随時共有フォルダへ自動保存されるようになります。

また生徒・児童は、その課題をGoogle Classroom上で済ませた上で提出し、採点とともに教師からコメントによるフィードバックを受けることが可能となります。生徒・児童の自習用としては、課題にコメントを書き込んだり、その他の共有されている情報などを閲覧することもできます。

このようにGoogle Classroomを活用することで、忘れ物や紛失などを防ぐことができ、効率的に学習を行うことができます。

質問もオンライン上で

Google Classroomでは、授業中だけでなく、その他の休憩時間や放課後など好きな時間帯を活用して、生徒・児童は教師に向けてオンライン上で気軽に質問することができます。大勢のクラスメイトの前では聞きづらい内容だったり、質問したい内容が後から浮かんだ場合でも、オンライン上であれば、いつでも気軽に質問できます。

また、Google Classroomを使用して、オンライン上で多くの質問や発言を集められるため、教師にとっては今後の課題発見や意見の可視化に役立てられるのも、Google Classroomを使用することで得られるメリットといえるでしょう。

▼関連記事はこちら
>>GIGAスクール構想をわかりやすく解説!教育ICT、1人1台端末環境の実現とは?




Google Classroomの始め方

 

ここでは、教師の方に向けて、Google Classroomを始める際の手順についてご紹介していきます。

Google Classroomは、Googleアカウントを持っているユーザー(クラスの作成は、13歳以上)であれば、個人のGoogleアカウントで気軽に始めることができます。ちなみに現在、学校でGoogle Workspace for Educationのアカウントを使用している場合は、 Classroomでクラスを作成するにあたり、そのメールアドレスを使用する必要があります。

また、Google Classroom内で利用できる「クラス作成」においては、PC・iPhone/iPad・Androidなど、デバイスによって作成手順が異なります。それぞれの手順をみていきましょう。

PC

手順1.Google Classroomへログイン

まずは、インターネットブラウザからGoogleのトップページにアクセス。右上の「ログイン」をクリックし、ログイン

≫Googleのトップページ

手順2.Classroomを選択

Googleのトップページにて、右上のタイルのような「googleアプリ」マークをクリックし、その後「Classroom」のアイコンを選択。Classroomのトップページで「続行」をクリック

手順3.「教師」を選択(初回のみ表示)

次のページへ進むと、⽣徒か教師を選択する画面が表示されるため「私は教師です」を選択

手順4.クラスの作成

次のページでは、クラスの作成やクラスへの参加はこちらと矢印が向いている右上の「+」マークをクリック。その後、以下の4項目を入力後「作成」をクリック

  • クラス名(講義名)を⼊⼒(必須)
  • セクション(省略可)
  • 教室(省略可)
  • 科目(省略可)

Classroom では、生徒をクラスに招待する際に、使用できるクラスコードが自動で作成されます。ちなみに、クラスコードについては、いつでもクラス ストリームにて確認できます。

iPhone/iPad

手順1.Classroomアプリをインストール

iPhone/iPadでクラスを作成・管理する場合は、はじめにClassroomアプリのインストールが必要です。なお、アプリの最新バージョンを入手するには、デバイスに iOS 11 以降が搭載されていることが必要です。

手順については、まずモバイルデバイスで「App Store」 をタップ。その後「Google Classroom アプリ」を検索してインストール

▼アプリインストールに関する詳細は、こちらでご確認いただけます。

≫Classroomヘルプサイト

手順2.クラスの作成

次に「Classroom アプリ 」をタップ。右下の追加アイコン 「クラスを作成」を選択し、以下の4項目を入力後「作成」をタップ

  • クラス名(講義名)を⼊⼒(必須)
  • セクション(省略可)
  • 教室(省略可)
  • 科目(省略可)

Android

手順1.Classroomアプリをインストール

Androidでクラスを作成・管理する場合は、はじめにClassroomアプリのインストールが必要です。アプリの最新バージョンを利用するには、デバイスに5.0(Lollipop)以降が搭載されている必要があります。

モバイルデバイスで「Playストアアイコン」 をタップ。その後「Google Classroom アプリ」を検索してインストール

▼アプリインストールに関する詳細は、こちらでご確認いただけます。
≫Classroomヘルプサイト

手順2.クラスの作成

次に「Classroom アプリ 」をタップ。右下の追加アイコン 「クラスを作成」を選択。以下の4項目を入力後「作成」をタップ

  • クラス名(講義名)を⼊⼒(必須)
  • セクション(省略可)
  • 教室(省略可)
  • 科目(省略可)

 




タブレット学習にアプリは不可欠

 

オンライン教育の導入において、Google Classroomは教師や生徒・児童のみならず、管理者や保護者にとっても便利なツールです。使い方次第では、情報の共有や意見の可視化など今後の学習に幅広く活かすことができるため、タブレット学習を導入している教育現場では積極的に取り入れておきたいサービスと言えます。また、日々進化していく学習用アプリなどを授業に取り入れることも、生徒・児童に向けて必要なアプローチだと言えるでしょう。

このように、便利なツールやアプリをタブレット学習に導入していくことは不可欠だとも言えますが、同時に、生徒・児童に向けて適切な学習環境を設けておくこともまた、求められるところです。例えば、生徒・児童は授業に必要なアプリだけが利用でき、ゲームアプリは使わせないするなどの対策を講じておきたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

教育現場のタブレット管理をスムーズにしてくれるMDM

上述したような課題は、オンライン学習におけるタブレット端末の管理が可能なMDM(Mobile Device Management:モバイルデバイス管理)を導入することで解消します。

MDMとは、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスを一元的に管理・運用できるシステムです。MDMを使えば、生徒・児童の端末へのアプリの一斉配信も可能ですし、Webサイトのフィルタリングや、アプリのダウンロード制限といったことも可能となります。

とくに、生徒・児童へタブレット端末を1 人1 台支給するとなると、大量の端末設定や管理が必要となり、膨大な時間と工数を取られてしまうといった課題が生じてきます。端末の管理・設定の時間を削減し、本来の教育活動に専念するためにも、教育現場においてもMDMの導入もあわせて検討しておくことをお勧めします。

▼教育現場でのMDM導入事例は、こちらより詳しくチェックできます!
≫MDM導入事例集はこちら

まとめ

 

今回は、Google Classroomの特徴や機能、使い方、始め方の手順などを分かりやすく解説しました。Google Classroomは、オンライン学習における課題の作成や受け渡し、採点や管理のほか、教師や生徒・児童間のコミュニケーションを円滑にしてくれる便利な機能が満載です。

学校や教育現場では、このような便利なツールを活用し、オンライン学習の効率的な運用を行ってみてはいかがでしょうか。

Facebook