2021.12.20(2023.08.10更新)

デバイス活用

ICT教育とは?効果やメリット、デメリット、オススメツールを紹介!

学校や教育現場では、文部科学省が推進する「GIGAスクール構想」の取り組みに加え、新型コロナウイルスの影響によりPCやタブレット端末を使用したオンライン授業が増えたことで、より一層ICT教育の必要性が高まってきています。

今回は、ICT教育とはどのようなものなのかに加え、ICT教育が推進されている理由やメリット・デメリット、オススメのツールなどについて詳しく解説していきます。

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ICT教育とは

ICT教育とは、教育現場にてPCや電子黒板、インターネット、動画などの”情報通信技術”を活用した取り組みのことを言います。なお、ICT教育の「ICT」とはInformation and Communication Technologyの略称であり、和訳すると「情報通信技術」を意味しています。

ICT教育が学校の授業現場で活用されているシーンを一部ご紹介すると、以下のような活用方法が挙げられます。

  • タブレット端末に表示されるデジタル教科書を活用して学習す
  • 教室にあるプロジェクターを使用して大型画面に図表を拡大投影する
  • インターネットを使用して調べ学習を行う
  • タブレット端末を用いた音声朗読機能により、英語の正しい発音や国語の朗読を聞く

このように、従来では想像できなかったような教育活動が、ICTを活用することで一気に実現できるようになってきています。

ICT教育が推進されている理由

近年ますます注目を浴びるICT教育ですが、そもそもICT教育が推進されるようになったのは、どのような背景や理由があるのでしょうか。

GIGAスクール構想の実現

ICT教育が推進されているのは、文部科学省が主体となって取り組みを進めている「GIGAスクール構想の実現」が大きく関係しています。GIGAスクール構想とは、学校や教育現場において児童・生徒のために、1人1台タブレット端末の普及と、高速大容量の通信ネットワークといったICT環境整備の実現に向けた5年間の計画のことを言います。

具体的には、児童・生徒が変化の激しい今の時代を生き抜くために、これまでのような一斉教育に限らず、1人1人に最適化された創造性を育成する教育の実現を目指すために、ICT教育を用いて人材を育成してくといった狙いがあります。

GIGAスクール構想については、以下の記事をチェック!
≫GIGAスクール構想をわかりやすく解説!教育ICT、1人1台端末環境の実現とは?

新型コロナウイルスの影響

GIGAスクール構想の実現は、発足当初5年にわたる計画で進められていました。しかし、2020年から急速に感染拡大した新型コロナウイルスの影響で全国の学校が一斉休校となったことから、非常時の対応としてオンライン教育や ICT等を活用した自宅学習が取り入れられることとなりました。

今後は、withコロナ時代を見据えたこれからの学びの在り方として、オンライン教育を含む ICT 活用を積極的に取り入れていくことで、これからを生きる児童・生徒に求められる資質・能力をより一層高めていく必要があると考えられています。

教育現場の負担軽減

昨今における学校や教育現場の課題として、教職員の業務における多忙化が問題視されています。 ICT活用を積極的に取り入れていくことで、 教員1人1台のコンピュータ整備に加え、ICTを活用した業務効率化により、教職員の負担を軽減できたり、本質的な教育活動に時間を注げるといったことが期待されています。

このようにICTを活用することで、児童・生徒だけでなく教員にとって働きやすい環境作りに貢献する狙いがあります。

ICT教育のメリット

学校・教育現場にてICT教育を積極的に行っていくことで、どのようなメリットがあるのでしょうか。おもに、3つのメリットをご紹介します。

学習の効率化を図ることができる

ICT教育のメリットとして、児童・生徒と教員ともに、学習の効率化を図ることができる点が挙げられます。
児童・生徒側にとっては、タブレット端末を使用して画像や動画を見ることで、紙だけでは伝えきれない情報を視覚的、聴覚的に受け取ることができ、楽しみながら学習を進めることができます。

また、教員側にとっては、テキストによる文字情報だけでは伝えづらいことを、画像や動画を使用して授業を行うことができるほか、資料を児童・生徒のタブレット端末へ一斉配信できるので、より効率的な授業を進めることが可能となります。

教員の作業負担の軽減

ICT教育を導入することで、教員の作業負担を軽減し、業務の効率化を図ることが可能です。従来までは紙を使用することが大半でしたが、ICT教育を実施することでそのほとんどを、タブレット端末やPCなどのデジタル機器に置換えることができます。そのため、児童・生徒分の資料を印刷するといったこともなくなり、業務時間の短縮を見込めるでしょう。
また、ICT機器を利用することで、教員同士のコミュニケーションや資料の共有なども容易になり、物事を円滑に進めることが可能となります。

たとえば、大型プロジェクターを使用することで、教科書をそのまま投写したり、機器によっては書き込みなども可能となるため、黒板を使用する必要がなく、より創造的な学習を提供できます。

児童・生徒のリテラシーを育成できる

ICT教育により、児童・生徒がPCや情報通信ネットワークといった手段に慣れていき、PCでの文字入力や、タブレット端末で教科書を見るといった基本的な操作ができることで、ITリテラシーを育成できるといったメリットがあります。

たとえば、PCのキーボードなどによる文字の入力のほか、電子ファイルの保存やインターネットの閲覧、文章の編集・図表の作成なども学習活動を通してスキルを養うことができます。こういったITリテラシーの育成も、これからの時代を生きる子どもたちに向けて必要とされるICT教育の重要な要素です。

ICT教育のデメリット

ICT教育の導入は、学習の効率化や教員の作業負担の軽減などメリットが多い反面、少なからずデメリットもあります。ここでは、ICT教育を導入するにあたり、知っておきたいデメリットをご紹介します。

ICT環境の構築が求められる

ICT教育を導入するとなると、PCやタブレット端末を使用してインターネットで調べものをすることも当然増えてくるため、インターネット環境の整備のほか、児童・生徒が使用する端末自体も準備しなければなりません。
さらにICT教育を進めていく上では、生徒が所持するタブレット端末を学校が指定した学習ツールが使用できるように設定したり、情報などが漏えいしないような設定なども必要になってきます。

もちろんこれらのICT環境を構築するには、その分の膨大なコストや時間もかかってくるので、その点においてはデメリットと言えるでしょう。

教員側で運用のノウハウを身に着ける必要がある

ICT教育の導入にあたり、教員がICT機器や教材を活用した授業を行うには、教員側にもそれ相応の学習やICTへのリテラシーが求められます。もちろん元々ICTに関する知識がある方であればとくに問題ないでしょうが、苦手意識を持っている人も少なくありません。

さらに、これまでとは違う授業内容を考える必要が出てきたり、ICT教育を実施する上でのツールを管理する手間も必要となります。このように、ICT教育を運用していくためのノウハウを教員側が習得するための負担が発生することは、デメリットの一つと言えるでしょう。

児童・生徒の「考える力」を鍛えづらい

インターネットですぐに問題を調べられるのは便利な反面、わからない問題があった場合でもすぐに答えがわかってしまうというリスクがあります。こうした状況では、児童・生徒が自分自身で考える力や、粘り強く取り組む力を鍛えづらいという問題も生じてしまいます。

こうした問題に対し、CTを活用した学び方において自分自身で情報を見極めて整理できるような指導をすることに加え、考える力を鍛えるような授業構成が必要となってくるでしょう。

ICT教育導入にオススメのツール、アプリケーション

ここでは、ICT教育の実施を本格的に検討している方に向けてオススメのツールやアプリケーションをご紹介します。

デジタル教科書

ICT教育を実施するにあたり、タブレットで閲覧できる「デジタル教科書」の活用は外せないツールと言えます。デジタル教科書とは、児童・生徒が授業使用できることを前提に、紙の教科書と同一の内容をタブレットやPCで表示できるようデジタル化した教材です。

デジタル教科書は、おもに「指導者用」「学習者用」に大別されています。指導者用は、電子黒板やプロジェクターなどを使用して拡大表示可能な情報提示型の活用がメインとなり、生徒の学習状況の把握や、授業の記録も行えます。

一方、学習者用デジタル教科書は、児童生徒が1人1台のタブレット端末を使用して学習することが前提となっており、書き込み保存や音声、映像なども活用して学習することが可能となります。

なお、学習者用デジタル教科書は、文部科学省が定める使用する際の基準として、紙の教科書と併用して使用されることが定めており、2024年度には本格導入する方針で進められています。こうした政府の動きを見据えて、児童・生徒や教職員が今のうちからデジタル教科書に慣れておくことで、本格導入の際にもスムーズに学習や運用を進めることができるでしょう。

デジタル教科書について詳しく知りたい方は、以下のリンクもチェック!
≫デジタル教科書とは?メリット、デメリットや2024年度本格導入の詳細までチェック!

モバイルデバイス管理(MDM)

ICT教育を進める上で、タブレット端末を児童・生徒に1人1台配布するにあたり、効率的な端末の管理・運用も求められるようになってきます。とくに数百台のタブレット端末を導入するとなると、設定などの管理や運用も膨大な手間と時間がかかってしまいます。

タブレット運用を安全かつ効率的にするためには、MDMと言われるモバイルデバイス管理押さえておきたい必須ツールです。MDMとは、タブレットやスマートフォンなどの複数のモバイル端末の準備や運用を安全・効率的に行えるモバイルデバイス管理ツールです。MDMを導入すると、複数の端末のアプリ配信やライセンス管理を一括して遠隔操作できます。

また、児童・生徒が勝手に学習以外のアプリやwebサイトを見ないように、webサイトの閲覧を制限するフィルタリング機能が搭載されていたり、盗難・紛失時のリモートロックなどの機能も充実しています。効率的かつ安心・安全なタブレット運用を実現には、MDMの導入はもはや必須と言えるでしょう。

なお、弊社のMDM「mobiconnect(モビコネクト)」は、教育現場に向けたデバイス管理の機能・ノウハウを持ち合わせています。現在、MDMの導入を検討している方は、ぜひお気軽にご相談ください!

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まとめ

今回は、ICT教育について詳しく解説してきました。ICT教育は、デジタル化した教科書や教材、機器を利用するだけでなく、児童・生徒が調べた情報を活用するなど、今後の社会で求められる能力育成の手助けを担います。
学校・教育現場でICT教育を導入する際は、授業内容の見直しを図り、デジタル機器をどのように取り入れていくか対策を講じていく必要があります。本記事でご紹介したICT教育を手助けしてくれるツールなどの導入も併せて検討していくといいでしょう。

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