2023.04.27(2024.02.28更新)

業務効率化

【2024年最新】IDaaS比較12選!おすすめの選び方とタイプを徹底比較!

社内システムを運営する上で、従業員のIDやパスワードの管理を管理することは容易ではありません。新入社員や退職者への対応、パスワードを忘れてしまった従業員への対応、異動や組織変更に伴う対応などの情報システム部門の負担だけでなく、IDやパスワードの流出、不正アクセスなどのリスクについても考慮する必要があります。IDaasを導入すれば、上記のような負担やリスクを一気に解消することが可能です。しかしながらIDaasはサービス提供会社の種類も多く、専門用語ばかりで導入へのハードルが高いと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、iDaasの基本的な機能や導入のメリット、選び方のポイント、タイプ別の特徴、おすすめのIDaas13選をご紹介します。要点をわかりやすくまとめた表も掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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IDaaSとは

IdaaSとは、「Identity as a Service」の略で、システムやアプリケーションへログインするときに必要なIDやパスワードなどの情報を一括管理することが可能なサービスとして注目されています。ログインの際、IDやパスワードの入力の手間を省くことはもちろん、細かい管理設定によるセキュリティ強化も実現可能です。現在、数多くのIDaas製品が各社からリリースされており、機能・コスト・セキュリティなどさまざまな側面から選定することが可能になっています。

IDaaSの機能とできること

この項目では、IDaaSの機能とできることをご紹介していきましょう。

ID・パスワードの一元管理

IDやパスワードの管理を従業員に任せている企業の場合、各従業員の管理方法が曖昧となってしまう可能性があります。そのため、IDやパスワードの使い回し、第三者への漏えいといったリスクも少なからずあるでしょう。

さらに、新入社員や従業員の異動・退職といった際の対応や、「パスワードを忘れてしまった」という問い合わせが頻繁に情報システム部門に押し寄せてしまい、ID・パスワードの管理に多くの時間が要されるケースもあると思います。しかし、これらの課題は、IDaasを利用することで全て解消することが可能です。IDaasを導入すれば、自社のシステムを含めたクラウドサービス上の膨大なIDとパスワードを一元的に管理可能になり、情報システム部門の負担軽減、各従業員の利便性を高め、業務効率の向上にも繋がるでしょう。

シングルサインオン(SSO)

シングルサインオンとは、一度認証すれば二度目以降は認証することなくログインすることができるシステムです。さらに社内で取り扱う複数のシステムと連携することにより、全てのシステム、サービス、アプリケーションにおいて自動的にログインすることも可能になります。これにより従業員は複数のパスワードを記憶する必要がなくなり、情報システム部門の負担も軽減。ID・パスワードの流出防止にも繋がるでしょう。

▼シングルサインオンについては、こちらの記事でも詳しく解説しています
【図解つき】シングルサインオン(SSO)とは?機能や仕組み、導入メリット、デメリットをわかりやすく解説!

アクセスコントロール機能

アクセスコントロール機能とは、システムにアクセスすることのできる利用者を制限するセキュリティシステムです。システムそのものだけではなく、部門によってアクセス可能領域を変更することも可能です。アクセス可能な端末の設定、IPアドレスによるアクセス制限、ワンタイムパスワードや生体認証を組み合わせる二段階認証システム・多要素認証を導入するといった方法があります。

ログのレポート

ログのレポートとは、IDaasの利用状況を記録しておくシステムです。パスワードの変更履歴やシステムの利用状況の履歴を残し、管理者が常に把握することを可能にします。定期的に管理者が確認することで、システム運用に問題がないかをチェックし、予期せぬトラブルにも早く気づいて対応することができます。

IDaaSの選び方のポイント

この項目では、IDaaSを選ぶときのポイントをご紹介します。

シングルサインオン連携の対応範囲

シングルサインオンを利用する際、連携できるアプリケーションの数が製品によって異なります。対応しているアプリケーションの多い製品であれば、それだけ柔軟にシングルサインオン連携を活用することが可能です。また、自社ですでに利用しているアプリケーションに対応している製品を選ぶことで、スムーズな設定が可能になるというメリットもあります。

社内システムとの連携ができるか

社内独自のシステムとの連携が可能であるかを確認しておくのもポイントのひとつです。製品によっては既存のアカウント情報を統合できるので、より効率的な運用が可能になります。また、将来的に使う予定があるシステムやアプリケーションについても、連携することが可能かを確認しておくと良いでしょう。

ユーザーの認証手段

複数の認証方式を組み合わせた二段階認証・多要素認証を利用することで、よりセキュリティを強化することができます。具体的には、生体認証、ワンタイムパスワード認証、IPアドレス認証、顔画像認証、クライアント認証などがあり、IDaas製品によって対応している方式はさまざまです。注意点として、認証手段によるセキュリティの向上と利用者負担のバランスを考慮する必要があります。クライアント認証やワンタイムパスワード認証などの手間がかかる認証手段を用いる場合、業務の効率が下がってしまう可能性があることを考えた上でセキュリティ強化について検討しましょう。

費用

IDaasを導入するにあたり、費用によって機能の充実度や形態が大きく変わってきます。そのため、予め必要な機能を明確にしてから費用を検討すると良いです。IDaas製品にはオンプレミスタイプとクラウド型の二種類があり、構築やメンテナンスといった運用コストも変わってきます。初期費用だけではなく、月々の運用にかかる費用も含めて慎重に選びましょう。無料プランを実施している場合もあるので、積極的に活用した上でオプションなども合わせて検討するのがおすすめです。

【タイプ別】IDaaSの特徴

ここでは、IDaaSの特徴をタイプ別に見ていきましょう。

クラウドサービスとの連携数が多いタイプ

まずは、クラウドサービスとの連携数が多いタイプのIDaas製品についてみていきましょう。Okta、OneLoginなどは、連携できるクラウドサービスが豊富にある上、海外SaaSとの連携にも強いのが特徴です。国内においても幅広い連携実績があるので安心して利用することができます。国産アプリケーションとの連携を重視する場合には、GMOトラスト・ログインがおすすめです。国内登録数トップクラスの実績を誇り、管理者画面やサポート体制も充実しています。

クラウド以外にも連携範囲が幅広いタイプ

クラウドサービス以外のSAML認証や社内の独自システム、オンプレミス環境などへの幅広い連携が可能なタイプもあります。Windows統合認証に対応しているID Federation、OneLogin、Gluegent Gateは、Windowsにログインすればあらゆるサービスへのシングルサインオンができるという便利なIDaas製品です。

セキュリティ強化に強みがあるタイプ

近年増回傾向にあるリモートワークにおいて、セキュリティ強化は重視すべきポイントのひとつです。ログインや認証についてはもちろん、クラウドサービスを利用する上で発生するさまざまなリスクに備えたい場合には、セキュリティ強化機能が充実しているIDaas製品を選択すると良いでしょう。Digital WorkforceはWebサイトのアクセス制限、ファイルのアップロード・ダウンロードの制限を可能にする充実した機能を搭載しています。またHENNGE Oneには、端末にファイルを保存させない機能や高度なメールセキュリティ機能が搭載されています。各社それぞれの強みがあるので、セキュリティを強化すべきポイントをリストアップして検討すると良いでしょう。

IDaaSサービスの比較表

この項目では、IDaaSサービスを比較して紹介していきます。

表は横にスクロールします

サービス名 提供形態 連携サービス数 費用 無料プランの有無
HENGE One
(HENNGE株式会社)
クラウド 230以上 月額150円~ なし
GMOトラスト・ログイン
(GMOグローバルサイン株式会社)
クラウド 6,200以上 0円~ あり
OneLogin
(OneLogin, Inc.)
クラウド 6,000以上 月額300円~ あり
Okta
(Okta Japan株式会社)
クラウド 7,400以上 要問合せ なし
ID Federation
(NTTコミュニケーションズ株式会社)
クラウド 2,000以上 月額100円 あり
Azure Active Directory
(マイクロソフト)
クラウド 2,800以上 月額$6~ あり
CloudGate UNO
(株式会社インターナショナルシステムリサーチ)
クラウド 250以上 月額200円 あり
IIJ IDサービス
(株式会社インターネットイニシアティブ)
クラウド 90以上 0円〜 あり
SeciossLink
(株式会社セシオス)
クラウド・オンプレミス 30以上 月額150円~ なし
Gluegent Gate
(サイオステクノロジー株式会社)
クラウド 70以上 月額100円~ なし
LOCKED
(株式会社onetap)
クラウド・オンプレミス 不明 要問合せ あり
Digital Workforce
(ユニリタグループ)
クラウド・オンプレミス 不明 月額200円 なし

表から、全てのIDaas製品がクラウドに対応していることがわかります。一方でオンプレミス環境に連携可能なサービスは限られているため、自社で必要としている形態を予め明確にしておくことが必要です。連携サービス数は、各社で大きく異なっています。連携できるサービス数をポイントにしている製品、セキュリティ面に重点を置いている製品など、それぞれどこに重点を置いてサービスを提供しているのかを踏まえて検討しましょう。

おすすめのIDaaS13選

上記の表で紹介したサービスについて、それぞれ詳細を見ていきましょう。

HENGE One(HENNGE株式会社)

GMOトラスト・ログイン(GMOグローバルサイン株式会社)

画像引用元:HENNGE One

HENNGE Oneはクラウド型のIDaasサービスで、国内シェアトップの製品です。さまざまな業種・業態で導入されているという実績があります。IDやパスワードのみならず、生体情報や多要素認証と連動するセキュリティ面が特徴です。さらに、高度なメールセキュリティ機能も搭載しています。連携できるサービスは230以上。月額150円から600円までの3つのプランがあり、さらにオプションを追加することで柔軟に機能をセレクトすることができます。また導入前後のサポート体制の充実もHENNGE Oneが人気である理由のひとつです。無料プランはなく、資料請求をすればより詳しい情報を得ることができます。

OneLogin(OneLogin, Inc.)

画像引用元:GMOトラスト・ログイン

GMOトラスト・ログインはID・パスワード管理、シングルサインオン、認証強化、ID連携を兼ね備えたクラウド型のIDaasサービスです。運営元のGMOグローバルサイン株式会社は、SSL認証局として20年以上の実績を所有しています。基本料金は0円、より高機能のサービスを利用した場合には月額300円のプロプランも用意されており、オプションも豊富です。低コストで高レベルな機能を利用することができる業界最高のコストパフォーマンスが特徴。クラウドサービスへの連携に強いタイプで、サービス連携数は6,200以上となっています。

Okta(Okta Japan株式会社)

画像引用元:OneLogin

OneLoginは、世界200カ国以上で利用実績のあるクラウド型のIDaasサービスです。連携できるサービスは6,000以上と多く、認証方式も豊富に対応。費用は月額300円のSSOプラン、月額600円のAdvanced プラン、月額1,020円のProfessionalプランとなっており、それぞれのプランを30日間無料で体験することができます。

ID Federation(NTTコミュニケーションズ株式会社)

画像引用元:Okta

Oktaは、7400以上のクラウドサービスにシングルサインオン連携可能なクラウド型IDaasサービスです。国際基準のセキュリティ品質を保持し、安心安全な運用を実現しています。カスタマーファーストを掲げ、顧客支援チームによる手厚いサポートを徹底しており、顧客からの評価・満足度の高いサービスです。料金は要問合せとなっており、30日間の無料トライアルができます。

Azure Active Directory(マイクロソフト)

画像引用元:ID Federation

ID Federationは、クラウド型のIDaasサービスです。IAMの世界最大手であるPing Identity社の国内トップパートナーとしてシングルサインオン機能に優れ、独自のクラウド基盤や管理機能が充実していることが特徴です。多要素認証が豊富で、安心で安全なセキュリティ環境を提供しています。連携サービス数は2,000以上にものぼり、費用は月額110円から、各種プランを30日間無料で体験することが可能です。

CloudGate UNO(株式会社インターナショナルシステムリサーチ)

画像引用元:Azure Active Directory

Azure Active Directoryは、クラウド型のIDaasサービスです。2,800以上のサービスと連携可能で、クラウド・オンプレミス関係なしにID管理を行うことができます。月額$6と$9のプランがあり、オプションなどの詳細は要問合せです。30日間の無料プランを終えた後は従量課金制となります。

IIJ IDサービス(株式会社インターネットイニシアティブ)

画像引用元:CloudGate UNO

アプリひとつで高度なセキュリティ管理が実現するCloudGate UNOは、クラウド型のIDaasサービスです。生体認証を利用した多要素認証による、高度なセキュリティ機能が強みです。機能については、全てのプランでアクセス制限や認証機能が充実しています。マルチクラウド標準プランのスタンダードプラスが月額400円、アイデンティティ管理プランのエンタープライズプラスが月額500円、より高度な機能が搭載されたスマートパックが月額600円です。サービスを最大30日間体験できる無料プランもあります。

SeciossLink(株式会社セシオス)

画像引用元:IIJ IDサービス

IIJ IDサービスは、クラウド型のIDaasサービスです。90以上のアプリケーションにシングルサインオン連携が可能で、高度な認証セキュリティを施すことで不正アクセスなどのリスク検知も実現します。基本機能は0円で、豊富なオプションを自由に選択することが可能となっています。

Gluegent Gate(サイオステクノロジー株式会社)

画像引用元:SeciossLink

SeciossLinkはID管理と認証を一元管理することのできるIDaasサービスで、クラウドとオンプレミスの両方に対応しています。30以上のサービスにシングルサインオン連携が可能で、さまざまな認証方式を組み合わせた高度な多要素認証を採用してセキュリティを強化しています。Standardプランは月額150円、Enterpriseプランは月額500円で利用することができ、Standardプランは1ヶ月間無料体験することが可能です。他にも統合ID管理機能、AD/LDAP連携、クライアント証明書などをオプションで追加することができます。

LOCKED(株式会社onetap)

画像引用元:Gluegent Gate

Gluegent Gateは、クラウド型のIDaasサービスです。誰でも簡単に導入・運用することができるシンプルさを追求し、独自の二段階認証などのセキュリティ強化に注力しています。70以上のサービスと連携が可能です。月額100円のBusinessコースから月額1,000円のUnlimitedコースまで3種類の料金形態となっており、無料プランはありませんが、無料デモを依頼することで実際の画面操作を体験することができます。

Digital Workforce(ユニリタグループ)

画像引用元:LOCKED

LOCKEDは独自のプラットフォームを展開し、SSO、自動設定、棚卸台帳の3つを一元管理することのできるIDaasサービスです。クラウド・オンプレミスの両方に対応しており、連携可能なサービス数や費用については要問合せとなっています。

まとめ

画像引用元:Digital Workforce

Digital Workforceは、リモートワークを導入する企業の悩みを解消するIDaasサービスです。ポータル、シングルサインオン、ID管理、API管理、セキュアブラウザの5つを組み合わせ、安心安全で快適なリモートワーク環境を提供しています。クラウド・オンプレミスの両方に対応しており、連携可能なサービスは多種多様にわたっていますが、具体的な数は公表されていません。月額200円のベーシック、月額400円のスタンダード、月額670円のプレミアムの3つのプランがあります。無料プランはありませんが、累計25万人以上のユーザーがおり、96.9%が利用を継続しているという実績と口コミからも安心して利用できるサービスだと言えるでしょう。

まとめ

この記事では、iDaasの基礎知識やサービスを選ぶときのポイント、タイプ別の特徴、おすすめのIDaas13選を紹介しました。基本的な専門知識を理解すると、各社のサービスについても特徴を踏まえて選ぶことができるようになり、適切に比較することができます。コロナ禍を機にリモートワークが急速に広まり、働き方も大きく変化したことで、IDaasの需要は急速に高まりました。IDaasを導入すれば、情報の流出や不正アクセスなどのリスクを回避することができるうえ、業務効率も向上し、管理者がシステム上の動きを把握しやすくなります。無料プランを実施しているサービスも多いので、気になるサービスがあれば気軽に試してみてはいかがでしょうか。

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