デバイス活用マガジン「モビナビ」
デバイス管理の“ できない” を“ もっとできる” に変えるマガジンです。
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1600台のiPadを管理!
導入から7年目の伊藤先生が伝えたいこと

立命館守山中学校・高等学校では2014年からiPadの1人1台体制を導入するなど、早くからICT教育に取り組んでいます。
大量の端末の運用管理や広がる授業スタイルの選択肢など、立命館守山中学校・高等学校での事例をご紹介いただきます。
また、コロナ禍の影響で新入生の端末が入らないといったトラブルが起きた際、どう対応したのか?
直面した教育現場でのトラブルや課題についてもお話いただき、これから端末を導入される学校関係者の皆様に考えておくべきこと、気を付けるべきことなどアドバイスをいただきました。
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1600台のiPadを管理!
導入から7年目の伊藤先生が伝えたいこと
【 タイムテーブル 】
1.端末導入から7年、広がる活用方法 (0:46)
2.コロナ禍で突然の自宅学習の整備、BYODの課題も (5:33)
3.他社MDMからmobiconnectに (7:54)
4.初期設定の要、DEPのありなしを経験 (10:50)
5.教育現場にmobiconnectがあって良かったこと (14:00)
6.伊藤先生から、国公立の先生方へのアドバイス (18:25)
出演者
伊藤 久泰 氏:
立命館守山中学校・高等学校/メディア教育部主任・情報科教諭
2014年度よりiPadの一人1台体制を導入し、現在中高合わせて約1,600台のiPadを管理。
http://www.ritsumei.ac.jp/mrc/
iPad端末導入から7年、広がる活用方法
立命館守山中学校・高等学校では2014年からiPadの一人一台体制を導入するなど、早くからICT教育に取り組まれています。立命館守山でICT関連全般を担当する、メディア教育部の伊藤久泰先生にmobiconnect導入時のことや、DEP、BYODについてお伺いします。
ーー端末導入を始めて7年目ということですが、活用方法の事例をいくつか教えていただけますか?
ーーやはりコロナウイルスの休校期間を経験して、先生方もそのときにオンライン授業とかをされていたんですね。うちの学校ではもう7年前から、ICTを活用して色んなことをやってきたので。普段教室でやっていることを、(先生の)自分の自宅から繋ぎながら、色んな教育活動をされているっていうのは、結構スムーズにいったのかなっていう風に思っていました。さらにそれを経験したので、今まで以上に多くの先生がやはりICTをすごく効果的に活用されているなっていうのは、特に印象的でした。
ICT、うちはiPadを中心に使っていますけれど、色んなアプリを使うようになって一つは、先生だけでなくて、生徒・保護者もペーパーレス化が格段に進みました。保護者の印鑑をなくしてくださいとか、色んなアンケートとかを、色んなクラウドのサービスを使って実施できますよ、みたいなのもありましたけど。そういったものも、3年くらい前から取り組ませていただいて、保護者の方にもペーパーレスで色んな情報をダイレクトに伝えられるようになっています。さらに今年からは欠席連絡とかもアプリからやっていただいたりしてですね、非常に学校と家庭と、ペーパーレス化が進んだなっていう風に思っています。
あとはですね、1人1台iPad端末を持っていますので、今までの一斉授業の改善っていうのももちろんされているんですけれど、さらに共同学習ですね。iPadとか、色んなアプリとかを活用した共同学習っていうのは、格段にこの間進んだなっていう風に思います。
あとやっぱり簡単にタブレットで動画が撮れるので、それを提出するっていうのも。(生徒が)先生に課題として宿題を提出したりとかですね。あと逆に、先生が作った動画、あるいは既成の動画、Youtubeの動画、色んな動画を見て、勉強するとかっていうことも出来るようになりました。
あと、個別学習の可能性が、いま導入時よりもすごく広がってきているなという風に思います。1人1台端末があるからこそ、できることなのかなっていう風に思っていて。もちろんテクノロジーの進化もあるんですけど、情報の授業なんかでも、今までだったら一斉授業しか選択肢がなかったのが、共同学習もできる、個別学習もできる。で、コンピュータ、あるいはAIなどを使って個別学習がより効果的に出来るような製品とか、サービスっていうのが非常に増えてきたので。先生方もその授業とか、その場面とか、その生徒の集団に応じた色んなやり方のバリエーションが出来るようになったという風に思っています。
Zoomの活用が生徒が社会と繋がりながら学べるきっかけに
コロナ以降ですね、Zoomなどのビデオ通話アプリの利用っていうのが授業の中でも増えてきたなっていう風に実感しています。今までであれば、やはり講演っていうと実際にお越しいただいてお話しいただくっていうスタイルだったんですけど、(コロナの影響で)移動ができないってなってしまって。でも、やっぱり(講演による)学びを続けたいっていうときに、「Zoomでお願いできませんか?」ってお願いすると結構色んな方が、「Zoomだったら協力しますよ」って、結構声をかけていただけるんですね。
さらに、自分の授業でプログラミングとかをやってるんですけれど、その専門知識を持った大学生の方に、ティーチングアシスタントとしてZoomで依頼してっていうようなことも、コロナを経験してそういう形でちょっとサポートしてみないか(と思って)。今までだったら、ちょっとうちの学校まで来ていただいて、実際に見ていただいてってことだったんですけど。滋賀県と都内を繋いでいただいて、都内の学生さんに生徒の画面を画面共有していただいて、そこで色々やり取りをしたりとか、ソースコードを送って見ていただいて直してもらったりとか。
なんか、すごく色んなことがZoomとかを使って、生徒も社会と繋がりながら学べるっていうような非常にいいきっかけ(になったということ)や、社会が変わってきたな、教育もそういう形でテクノロジーを使いながら変わってきたなって。生徒も大学生に教えてもらうことで、非常にイキイキとしてますし、本当にありがたいなっていう風に思っています。
コロナ禍で突然の自宅学習の整備、BYODの課題も
ーー今回コロナの影響で大量の端末を導入する学校が急増し、端末不足が起きています。御校でも一部BYOD(※)を進められたそうですが、大変な点、気を付けるべき点を教えてください。
※BYOD(Bring Your Own Device)…学校で用意した端末ではなく、生徒・児童個人の端末を活用する仕組み。
ーー今年度の入学生のiPadが、本当は入学式に例年(iPadを)配布をしているんですけれど、コロナウイルスの影響で中国で生産しているiPadの納期が3か月程度遅れて、入学式に配布できないってことがありました。新入生に関してはご自宅にあるWindowsでもMacでも、iPadでもChromebookでも何でもいいので、インターネットが利用できるような端末をご用意いただいて、そこでオンライン授業をしていただくという。まったく(端末を)持っていないという方には、先ほど言ったようなiPadをこちらで用意して、郵送してお使いいただくっていうようなことをしたんですね。
今まで私たちが、iPadという一つの単一の端末を使って、それもかなり管理された状態で生徒のみなさんに使っていただいたときに比べて、すごく多種多様な質問が我々、情報準備室のほうに寄せられました。オンライン授業で使うソフトやシステムを使うために、一人一人違うOSであるとか、違うパソコンの筐体であるとか、キーボードの配列もたぶん違うようなことがあると思うんですよ。そこをサポートするっていうことに、すごく苦労しました。
今までだったら一つのiPadだから、もうすでに画面も含めて想像もできるし、手元にあるので、伝え方もすごくお互いやりやすかったんですけれども。Windows7とか、Windows8とかっていうバージョンの方も中にはいらっしゃいましたし、その中でやっぱり新しいアプリを入れなければいけないんだけど、どうしたらいいんだとかですね。色んな、本当に多種多様な対応に忙殺されるような時間を過ごしました。なのでやっぱり同じ端末、同じOS、今までと同じ環境をMDMで構築するっていうことが、我々教員の業務をすごく減らしていたんだなっていう風に実感した、コロナ禍のBYODを経験させていただきました。
他社MDMからmobiconnectに
ーー端末を導入された当初には別のMDMを利用されていたそうですね。mobiconnect for Educationに変更するに至った背景や、判断のポイントを教えていただけますか?
ーー導入当初ですね、本学と企業様とアダクティブラーニングを活かした学習教材を開発しておりました。その学習教材はアプリケーションであって、(App Storeに)公開されていないアプリだったんですね。それのバージョンアップを度々しておりまして、そのバージョンアップごとに生徒のiPadに配信する必要がありました。最初に活用していたMDMは、私たちが操作したときにしか適用できないタイプだったので、授業中に配信してしまうと通信待機が圧迫されて、授業に影響が出る可能性もありましたので、クラスごとに時間をずらして(配信を)行ったりっていうことをしなければいけなかったんですね。それを勤務時間の中でやってしまうと、時間をかけて一クラスずつ行わなければいけない。中学校が一学年5クラス、高校がいま一学年9クラスありますので、それを一つ一つやると非常に手間も時間もかかりました。
当時、生徒が勝手にiPadの設定とか、制限の入っているプロファイルも簡単に消されてしまうっていうことがありまして、管理できない端末が生じているっていうことも、一つ悩みとして持っていました。そんな悩みを持っていたんですけれども、予約配信機能を備えた教育機関に向けたMDMを開発している御社のmobiconnectを紹介いただきまして。当時は、私もMDM一年目でしたので、あんまりわからなかったことも多かったんですけれど、色々ご説明を受ける中で、我々でも操作できそうだなっていう風に判断をして二年目からMDMをmobiconnectに乗り換えました。
乗り換え前、乗り換え時、乗り換え後とですね、さまざまなサポートをしていただいているおかげで、現在、教員ではない情報実習業種の方が中心となって生徒のiPadの端末を、管理・運用できる体制にもなりました。ありがたいことに、そのおかげで教員として本来業務である、授業準備等に時間を割くことができています。
また、毎年こちらから、現場でこういうことをやりたいんだけどとか、この機能を使いたいんだけどとか、こういう風に画面をしてもらえるとありがたいみたいな、使っていく中で色んな要望があるんですけれど、そういったものも丁寧に汲み取っていただき、可能な限りご対応いただいていることも、大変ありがたいなという風に思っております。
初期設定の要、DEPのありなしを経験
ーーDEP(※)が使えない状態とDEP端末との両方をご経験されたそうですが、具体的にDEPのあり・なしでどんな違いがありましたか?
※DEP(Device Enrollment Program)…Apple社より提供されているiOS/iPadOSなどの導入と構成を簡易化するプログラム。DEPを使用することで、iPad、iPhone、Macの組織的な導入を効率化します。詳細はこちら。
ーーそれ(DEP)を使えるようになってから、非常にスムーズに生徒の端末に、我々の学校の設定を入れやすくなったりとか、あるいは一斉にきれいに(設定を)外しやすくなったりとか。あと(作業)時間も短縮したりとかっていうことで。
例えばですけれど、DEPが使える、使えないとき。コロナの影響でiPadが新入生のものがAppleから入らないってことがありまして。iPadを生徒の皆さんに貸出をするということが、この4月~5月ありました。150台(貸出が)あったんですけれど、これをキッティングしなければならないと。今まではDEPで我々やっていたんですけど、それがちょっとDEP端末ではなかったので、6人総出で、二日間以上かけてキッティングを経験したっていうこともありました。150台という数なんですけれど、6人二日間はかかってしまいましたね。で、これがDEPがあるときないときでは、全然違うなっていう風に思いました。
また以前、DEPが使えないときなんですけれど、生徒が端末に対して色々やってくる、プロファイルを削除してしまうっていうことも、どうしてもあったんですけども。これがDEPが使えるようになって、完全にユーザーが我々の設定を消すことができなくなりましたので、管理としても安心して生徒に使ってもらってるなっていう風に思っています。
あと先ほども言いましたけれど、故障交換がありまして。開校期間中は生徒がiPadの画面割れましたとか、なんか音が出なくなったとか、カメラが効かないとか、色んなトラブルがあるんですね。それが大体毎日1件、2件、交換とか故障で修理するとかってことがあります。それ(の対応)に今までは1時間以上かかってたんですけれども、それが1件あたり30分くらいに短縮できたなっていう風に思いました。日々やることなので、1時間が30分になるだけでも非常に大きいなと思っています。
あとですね、卒業時。生徒が卒業したときに、学校の色んな制限とか設定を解除しなければいけないんですけれど、これがDEPが使えないときは非常に複雑な手順を踏んで、設定を一つ一つ抜いていくっていうことがあります。ただ、うまくいくときと、うまくいかないときがあったりとか、きちんとやっても「このiPadは立命館守山の管理下にあります」みたいなことが残ってしまうことがあって。もちろん管理下から外れているんですけれど、そういうことがあったんです。それがDEPが使えるときれいに、完全に(設定が)離脱できるっていうことも、メリットかなっていう風に思います。やっぱりDEPを使えるようになって、管理する時間とかそれにかかるコストが非常に安くなったなと思います。
教育現場にmobiconnectがあって良かったこと
ーー実際に教育現場の中で、mobiconnectがあることで役立っていることや、よく活用される機能などあったら教えてください。
ーーうちの学校は、結構色んな事を生徒の端末に対して制限している学校だと自分でも思っています。それは、iPadは学校の勉強に主に使ってもらうものっていうことで、色んな制限を学年の先生、色んな関係の先生と相談しながら作ってます。生徒の発達段階とか、状況に応じて少しずつ緩めていったりとか、あるいは逆に(制限を)厳しくしたりみたいなことをMDMを使ってやっています。
例えばうちの学校ではAppStoreを中学生では閉鎖していますし、高校でも基本的には(AppStoreを)閉じているんですけれども。高校生の場合は自分で好きなアプリとかもあると思いますし、色んな活動で使いたいものもあるので、3学期制なんですけれど1学期に1回ずつ1週間ぐらいAppStoreを解放してこの期間に入れたいものを入れなさい、みたいなことをやっています。それをするためにも、MDMで設定を変えて、流して、適用して。またその期間が終わったら(AppStoreを)閉じる設定を入れて、流してみたいなことをしながらやっています。
基本的にAppStoreは閉じていて、生徒がこれ(アプリ)入れてほしいっていうのも保障してあげたいなと思っていますので、mobiAppsの仕組みで、立命館守山だけで使える学内AppStoreみたいなものを作っていまして。その中に生徒からリクエストがあって色んな条件をクリアしたものに関してはどんどん登録して、自由にダウンロードして、普通のAppStoreと同じような形で使ってもらえるようにしています。
アプリのブラックリスト機能やOSバージョンアップの制御も活用
AppStoreを閉鎖して、ルールに則った運用をしているかどうか、生徒の端末に対して違反アプリ等のブラックリストを毎年毎年、もう7年目になるんですけど、少しずつ更新しながら(運用しています)。流行りすたりのアプリもあるんですけれど。非常にいたちごっこではあるんですけれど、ブラックリスト機能を使って、違反アプリがあればそれを消しなさいっていう形で指導したりするのも、mobiconnectさんのMDMを使いながらやっていることですね。
あとは、mobiconnectがあることで、例えば最近iOSのメジャーのバージョンアップがありましたけれど。メジャーアップデート時は、色々な予期しないトラブルであったりとか、生徒が使っているアプリがまだ(OSのバージョンに)対応していない場合もありますので、メジャーアップデート時には、生徒のiPadが自動的にバージョンアップできないように、こちらのほうでMDMにバージョンアップの制限をかけたりしています。これをしないと、やはり色んなトラブルでそっちの対応に非常に手がかかってしまって、本来やるべきことができなくなってしまいますので。そういったことは意識的に、メジャーバージョンアップのときにはOSのバージョンアップを止めるっていったことをやっています。
あとはやっぱりそういうこと(MDMでの管理・運用)をすることで、(生徒)全員のiPadに、先生方も必要なアプリが全部入っている前提ですので。それが入っている、当たり前のことがきちんとできているっていうのは、MDMがないと(できない)。アプリ消したら消しっぱなしになっちゃってて、先生が使いたいときに「いや、アプリ僕ないんですけど」って(生徒が)言うと、そっちにやっぱり時間を取られてしまいますので。そういうのも、MDMを入れておくと、生徒が消したとしてもまた何時間後に自動的に(アプリが)入ってきますので。基本的に、先生が使いたいとき、あるいは生徒の皆さんが使いたいときには(アプリが)使えるような、端末環境の統一っていうのは、MDMを使って非常に効果的に、私たちもあまり手をかけることなくできています。
伊藤先生から、国公立の先生方へのアドバイス
ーー最後に、いち早く端末を取り入れてこられたご経験から、これからICT教育に取り組まれる国公立の先生方にアドバイスをお願いします。
ーー生徒に1人1台、iPadなり色んな端末が生徒の手元にあって、そのときにやはり先生方は教科書とノート、問題集と一緒で、授業に参加してくれる生徒の環境が整っているっていうのがやりやすい授業かなと思うんですね。それを整えるためにMDMっていうのはやっぱり必要で。保護者の方のご理解とご協力を得ながら、構築をしてまいりました。
そのMDMの設定作業、やっぱりどうしても先生が携わなければならない場面っていうのはあると思うんですね。ですが、それをやってしまうと、例えば授業の準備をなかなかする時間がないとか、あるいは色んな生徒の対応が急に入ったときに、その生徒の端末のことが少し後回しになってしまって、その時間勉強できないとか、そういったことも生じてくると思うんですね。なので、できるだけ先生がメインで作業しないような体制づくりが必要なんじゃないかなっていう風に思ってですね。この間(かん)、私たちの学校でも出来るだけ先生が設定作業とか端末管理に関わるってことをしないで、職員系列の情報実習助手さんとかですね、SEさんを中心としたチームにお願いをしてきたっていう経緯があります。
じゃあ学校の先生は何もしないんですかって、そういうわけではなくて、その学校の教育環境に合わせたICT教育の活用推進に関わることとか、活用運用方針の設定とか。あとはICTを活用した授業実践とその改善なんかに皆さんで意見を出しながら、「こういう授業をしたいから、こういうアプリとかこういう仕組みが必要なんじゃないか」みたいなことを吸い上げて。それを実現するためにはどうしたらいいのかっていうことを、実際の設定をする方と一緒に考えながら実現していくような体制づくりが必要なんじゃないかなって感じています。
端末管理を教員だけで行う負担は、大きなリスク
本校では、情報実習助手の皆さんがうちでは3名、SEさんが1名いる体制ですけれども。(行っている業務は)生徒の端末管理に関して、あるいは学校のICT機器のメンテナンスですね。プロジェクターであったり、ネットワークに関することであったりとか、そういったこととか、先生方のICTに関わるサポートですね。このアプリの使い方は?とか、動画を編集したいんだけど、みたいなこともサポートしていただいてますし。(ほかには)各種データの処理ですね。色んなデータを処理して、色んな学校で授業iPadで使ったりするアプリケーションの設定を入れたりしますので。そういったものですとか、保護者の皆さまからICTに関するサービスですね、アプリで色んなお知らせとかをやってますので、そういったものに関するIDとか、パスワードとか、使い方ですね。
そういったものを情報実習助手の皆さんにお願いしていることで、本当に恵まれた環境で教育活動ができるようになりました。本当にそこはですね、(情報実習助手の)皆さんのおかげで日々の授業とか、教育活動できているなと実感しています。それも、1年~2年で出来る話ではなくて。この間(かん)ずっと一緒になって、色んな仕組みとか、新しくどんどんめまぐるしく色んなテクノロジーが変わっていきますので、そういったものを一つ一つ覚えていただきながら、かなり高度なレベルまで到達できているなっていうのは(思います)。そういった方々の存在が、うちの学校では貴重だなって思ってます。
先ほどもちょっと言いましたけれど、そういった方(情報教育助手など)がいらっしゃらない学校さんで、やっぱり生徒の端末(管理)を教員だけで行うっていうのは、すごく負荷が先生にかかってしまうんじゃないかなっていう風に思います。小中学校であれば情報関係に明るい、各校の情報主任のような先生方に負担がかかってしまうんじゃないかなと思いますし、高等学校であれば情報課の先生、それから商業・農業などでですね、情報関係に明るい先生にどうしてもそういったお話やお仕事が行ってしまうと。で、1人1台になったときに、(業務が)多岐に渡るんですね。
色んなアプリを入れますって、ただそれを入れるだけじゃなくて、生徒の情報を入れたりとか、色んな情報をそのアプリに登録していかないといけない。それも結構時間がかかるんですよね。なので、そういったMDM以外にも色んなお仕事が、ICT、1人1台時代になりますと、端末を管理している先生方のところにのしかかってきますので。その担当の先生が(一人で)やってしまうと、他の色んな作業が、特に忙しい3月の後半から4月の頭にかけてですね、時間割とともに色んな作業が出てきますので。本当にご負担になるんじゃないかなと危惧しています。
過去に文科省が示した教員の働き方改革の、色んな方針を出されていた中にもですね。当時はそういった話がなかったから、仕事として具体的には記されていませんでしたけれど。そのICTに関わる生徒の端末管理っていうのは、必ずしも先生が行う業務ではないかなという風に思っていますので。そういったものをやっていただける専門のスタッフさんであるとか、ICT支援員さんの方とかの協力を得ながら。1人1台の端末を効果的に、きちんと運用していただくためにも、そういったスタッフの方のお力添えっていうのは、必要なんじゃないかなっていう風に思います。
教育活動に専念するためにも、MDMは必要
情報インフラの仕事っていうのは24時間365日きちんと動いて、通信できて当たり前で。それだからこそ他の学校の業務とは違って、生徒や保護者から直接的にお褒めの言葉をいただくっていうのは非常に少なくてですね(笑)。ただ、いざ担当者に責任がない事案だとしてもネットワークが止まったりとか、アプリが動かないってなると、トラブルがあったときは非常に担当者がお叱りを受けるような場面もあります。非常に陽の当たらない業務なんですね。なので、そのへんの大変さっていうのも、1人1台の端末になって実際に(業務を)される先生方、そういった(陽の当たらない)形でやっていると。実際に携わらない方もそういったことを少し意識していただくと、実際に携わる先生方のモチベーションにも繋がるかなっていう風にも思います。
私もですね、自分ひとりでやっていたときには、3月の年度末から4月の年度初めは複数のアプリケーションの年度更新作業が終わらなくて、朝方までやるみたいなこともありました(笑)。今となってはそういう働き方はできないんですけれど、そういった(ICTへの業務負担が大きい)先生がこれからは生じてほしくないなと思っていますので。そこはぜひ工夫していただいて、先生以外が携われるような仕組みをぜひご検討いただきたいなと思っています。
最近、高等学校では情報科目が新しい大学入試の一つの教科として採用されるんじゃないか、みたいなお話もあります。ですので、新しい学習指導要領が控えていて、情報の先生は、大幅に学習内容が豊富化され、高度化されていて、色んな形でご準備をされていると思うんですよね。そこにまた、この端末管理の仕事もってなると、非常にもう苦しい。生徒に対しての授業準備の時間がなかなか取れないということになってしまいますので、少しでも負担が軽くなるように。まずはMDMを導入してですね、管理を楽にしていただけたら、その時間、生徒の教育に携わる時間が増えますので。そういった形で、(MDM導入のメリットを)ご理解いただきたいなっていう風に思います。
ーー7年のご経験から培われたアドバイス、ありがとうございました!
まとめ
立命館守山中学校・高等学校での事例はいかがでしたか? コロナ禍での遠隔授業の実践をはじめ、iPadを導入していたからこそできた教育の広がりについて、事例に基づいて理解できたのではないでしょうか。伊藤先生が仰っていたのは、「MDMで管理の業務を減らす」重要性でした。本業である教育活動をおろそかにしないためにも、今後のICT教育においてMDMは必須のツールだと言えますね。
今後もモビナビでは、MDM活用をはじめとした、みなさまに役に立つ情報を発信してまいります!