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企業におけるMac導入のメリットって?Windowsとの違いや人気の理由を解説

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Macを導入する企業が増えている理由
近年、Macを導入する企業が増えているのは、導入によって従業員の生産性向上や満足度を高められる、と期待されているからです。
これまでMacを搭載したパソコンは、Windowsを搭載したパソコンと比べて価格が上がる傾向があり、導入のハードルを高くする一因でした。
しかし従業員の生産性や満足度が向上すれば、長期的に見るとコスト削減につながる可能性がある、とも考えられています。ほかにも、セキュリティ面や使い勝手の向上を期待する声もあります。Macを導入するメリットについて、具体的に見ていきましょう。
企業におけるMac導入のメリット
Macを導入するメリットについて、ここでは以下の3点に焦点を当ててご紹介します。
- セキュリティや信頼性に関する期待が高い
- Appleデバイス間の連携がしやすい
- クリエイティブ分野での使いやすさ
セキュリティや信頼性に関する期待が高い
Macを導入するメリットの一つとして、セキュリティや信頼性の向上が挙げられます。Macは専用のセキュリティチップの搭載や指紋認証「Touch ID」の導入によって、安全性を確保しています。加えて悪意のあるマルウェアからシステムを保護し、外部アプリの検証を行うセキュリティ機能も標準搭載しており、サイバー攻撃に対する安全性を高めています。一般的にMacよりWindowsを狙ったサイバー攻撃が目立つ傾向も、Macに対する信頼性を高める理由の一つになっているでしょう。またMacはセキュリティ機能に加え、位置情報サービスの制限や、サイトを越えたトラッキングの防止など、プライバシーを保護する機能も充実しています。
Appleデバイス間の連携がしやすい
Macはパソコン以外のデバイスと連携がしやすいため、生産性の向上を期待されています。Apple社製品はデバイス同士をスムーズに連携できる機能を搭載しています。Macはもちろん、iPhone、iPad、Apple Watchなど、同社のデバイス同士であれば、作業を中断することなくデータ連携が可能です。複数のデバイスとシームレスに連携できるのは、ハードウェア製造から手掛けているApple社ならではの強みと言えます。
また作成したデータやアプリなどのコンテンツを、「iCloud」を介してMacからiPadなどのデバイスと同期することも可能です。データをスムーズにやりとりできることが、生産性向上に貢献すると期待されています。
クリエイティブ分野での使いやすさ
以前からクリエイティブ分野では、WindowsよりもMacが根強い人気を誇っています。デザイナーやシステムエンジニアといったクリエイターは、Macで仕事をしているイメージが強いという人も少なくないでしょう。
クリエイティブ分野におけるMacのメリットは、作業に集中しやすい機能の多さだと言われています。箱を開ければ、面倒な設定なしですぐに作業に取りかかれます。再充電やセットアップ、インストールといった時間は必要ありません。またWindowsに比べ、Macはフォントの多さも評価されるポイントです。専門家が使うフォントがあらかじめインストールされているため、費用をかけてデザインに使用するフォントを購入する必要がありません。Macがエンジニアやクリエイターに人気がある理由について、さらに詳しく見ていきましょう。
Macがエンジニアやクリエイターに人気の理由
一般的に企業におけるエンジニアやクリエイターの仕事は、システムやアプリケーションの開発です。開発したシステムやアプリケーションの動作確認やメンテナンスも業務内容に含まれます。エンジニアやクリエイターが効率良く作業を行う上で、Macは次のようなメリットがあります。
- 開発環境が整っている
- Macの標準アプリの使い勝手がよい
- マルチOSで使える
- iPhoneのアプリ開発に役立つ
それぞれ詳しく解説しましょう。
開発環境が整っている
MacはもともとUNIXから作られたOSです。そのため、UNIXコマンドが使えるという点で、Windowsと比べてプログラミング環境が整っており、エンジニア向けと言えます。特にIT・WebエンジニアはUNIXやLinuxを使う場面が多い仕事ですので、ソフトやアプリのインストールをしなくてもUNIXコマンドが使える点は大きなメリットです。
またApple系の統合開発環境(IDE)として有名な「Xcode」や、テキストエディタの「テキストエディット」など、開発に必要なアプリが豊富である面でも、開発に適した環境が整っていると言えるでしょう。
Macの標準アプリの使い勝手がよい
Macに標準搭載されているアプリも高く評価されています。なかでも使い勝手の良いアプリとして名前が挙がるのは、次のようなアプリです。
- iTerm2
- Finder
- Stickies
- Time Machine
「iTerm2」は、Mac OSで動作するターミナルエミュレータで、Windows OSで動作するコマンドプロンプトより使い勝手がよいと言われています。ファイルブラウザの「Finder」、メモアプリケーションの「Stickies」は、業務を効率化するために活用できるでしょう。ハードディスクを接続しておくだけで、自動的にデータのバックアップを行ってくれる「Time Machine」も、大切なデータを保護するうえで役立ってくれます。
Windowsでも、アプリやソフトをインストールすればどんどん使い勝手が良くなります。しかしあらかじめ便利なアプリがインストールされているのは、業務効率改善のうえでも魅力的です。
マルチOSで使える
Macは1台のパソコンでOSを切り替えられるため、WindowsのOSも利用できます。方法も簡単で、「BootCamp」というアプリを使ってWindowsをインストールするだけです。開発したアプリやシステムが複数のOSで問題なく作動するか確認したい場合、複数のパソコンを起動するのは手間がかかります。1台のパソコンでMacとWindows両方のOSを利用できれば、スムーズに動作確認が行えるでしょう。
一方、Windows OSのパソコンにMac OSをインストールして使用する方法はありません。Macが1台あれば、Windows OSのパソコンを別に準備する必要がないため、コスト削減に繋がるでしょう。
iPhoneアプリの開発に役立つ
Mac OS、iPhone OSなどで利用するアプリを開発するには、統合開発環境(IDE)の「Xcode」が基本です。「Xcode」はWindowsでそのまま利用できるものがないため、「Objective-C」や「Swift」といったプログラミング言語を使ってiOSアプリを作成するなら、Macが必需品となります。
MacとWindowsの違い
Macのメリットを説明するなかで、WindowsとのOSの違いに触れてきました。しかし、MacとWindowsの違いはOSだけでなく、ソフトウェアやキーボード配列でも見られます。
表は横にスクロールします
Mac | Windows | |
---|---|---|
OS | Apple社がOSの開発からハードウェアの開発までを一貫して行う | OSの開発はMicrosoft社が行い、ハードウェアは各メーカーが開発や製造を行う |
ソフトウェア | クリエイティブ系に強い | ビジネス系に強い |
キーボード配置・操作 |
|
|
MacとWindowsには、それぞれ得意・不得意があります。それぞれの特徴を知ると、使いやすいのがどちらなのか判断しやすくなるでしょう。それぞれの違いを解説しますので、参考にしてください。
OSの違い
MacとWindowsの最大の違いがOSです。そもそもMacとは、Apple社が開発・製造した製品を指します。Apple社以外がハードウェアを開発・製造することはなく、Apple社が製造しているハードウェアにしか、OSを搭載することもできません。そのため、Macは同じOSを搭載するハードウェアを製造する競合がいないことになります。結果、同程度のスペックで比較すると、Windowsより価格が高くなる傾向があります。
Windowsの場合、OSが同じでもハードウェアは製造元がさまざまです。そのため、製造数ではWindowsが圧倒的に多く、競合が多いことから価格も低くなる傾向があります。Windowsであれば、自作パソコンに搭載することも可能です。
ソフトウェアの違い
Officeなど、人気のソフトはMacとWindows、それぞれのOSで利用できるソフトが提供されています。しかし、利用できるOSが限られているソフトやアプリも存在します。
たとえば、音楽制作で利用される「LogicPro」、動画制作で利用される「FinalCutPro」はMacのみで、Windowsでは利用できません。反対にWindows OS用のソフトしか提供されていないケースもあります。ソフトの傾向から、クリエイティブ系ならMac、ビジネス系はWindowsが強いと考えられています。
WindowsからMacへ移行する場合、愛用していたソフトやアプリが対応していない可能性もあるでしょう。似たソフトで代用できるかどうか事前に確認しておくと、移行後に慌てずに済みます。
キーボード配置、ショートカットキーの使い方が異なる
MacとWindowsはキーボードの配置やショートカットキーの使い方に異なる点が多いため、戸惑う方が少なくありません。たとえば、Macの「command」キーは、Windowsの「Ctrl」キーに当たります。ほかにも、Windowsでいうところの「Del」キーがない、Macで「Alt」キーの代わりに「option」キーがある、といった違いもあります。
また、MacとWindowsの違いとしてトラックパッドの操作性も挙げられます。Macはトラックパッドの操作性に長けていて、マウスを必要としないほどの直感的な操作が可能です。Macユーザーは、Windowsユーザーに比べマウスを使う人が少ないとも言われるほどです。
Macを企業で導入する際はABMやMDMを活用しよう
初めてMacを導入する際、不安を感じたり、Apple社独自のプログラムに戸惑ったりする方は少なくありません。慣れ親しんだ環境が変わるのはストレスになりやすく、社内でも不安視される可能性が高いでしょう。Macを企業で導入する際は、「ABM(Apple Business Manager)」や「MDM(モバイルデバイス管理)」の活用がおすすめです。負担軽減や、スムーズな移行をサポートしてくれます。それぞれどのようなサービスなのか解説します。
ABM(Apple Business Manager)とは
「ABM(Apple Business Manager)」は、Apple社が用意している無料のWebポータルです。登録すると、Appleのプログラムを利用した端末の管理が可能になります。法人であれば登録・利用は無料です。
「ABM」に登録すると、企業のIT管理者がデバイスやアカウント、コンテンツを統合管理できるようになります。デバイスの運用・管理にかかる費用が課題となり、導入に踏み切れないケースも少なくありません。「ABM」でデバイスを管理することで、これまで管理・運用にかかっていたコストを大幅に削減できる可能性もあります。
「ABM」は、基本的に後述するMDM製品と連携して利用するサービスです。配布するアプリの入手、端末の紐付けなどを行い、「MDM」による管理のサポートを行います。
「ABM」について詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてご覧ください。
関連記事:ABM(Apple Business Manager)って?出来ることや登録方法を解説
MDMとは
「MDM(Mobile Device Management:モバイルデバイス管理)」とは、デバイスをまとめて管理・運用し、企業のセキュリティ維持や強化を推進するためのソフトウェアです。業務にデバイスを活用する企業が増えたことで、デバイスの管理・運用に必須と言われるようになりました。
「MDM」の機能として、遠隔地からの端末ロック・初期化、第三者からの不正利用対策が含まれているため、デバイス管理者の負担を軽減し、安全性も確保できます。企業の目的や用途に合わせて「MDM」を活用することができます。
また前述した「ABM」と「MDM」を連携させると、「Device Enrollment」によるキッティングが簡易化できる、といったメリットもあります。さまざまなMDM製品があるため、Macを導入するうえで最もメリットの大きなものはどれか、といった視点で選ぶとよいでしょう。
どのように製品を選んだらいいか分からない、もっと「MDM」について知りたい方は、こちらの記事も合わせてご覧ください。
関連記事:MDM(モバイルデバイス管理)とは?基本や導入時の注意点まで徹底解説
まとめ
Macを導入する企業が増えてきた理由をご説明してきました。導入時にかかる費用だけでなく、運用・管理していくうえでメリットが大きいのはどのOSなのか、長期的な視点での判断が求められるでしょう。
「MDM」を導入する際は、管理するデバイス数が多くなってからでは手間がかかります。また運用開始には数ヶ月以上かかるケースもあるため、余裕を見て検討を始める必要があります。セキュリティ面の強化を目的に「MDM」を導入する際は、「mobiconnect for business」を検討してみるのもおすすめ。遠隔制御によるパスコードの変更や初期化、位置情報の取得といった機能により、デバイスを紛失した際の対策も万全です。コロナ禍をきっかけに多様化した勤務形態にも柔軟に対応できるため、デバイス管理者の負担も削減。30日間の無料トライアルも利用できまるので、ぜひチェックしてみてください。