2022.08.05(2023.10.05更新)

MDM用語・機能

MDM(モバイルデバイス管理)の活用事例を業種別、シーン別に紹介

企業や学校・教育現場では、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末を利用することが主流となっています。それに伴い、こうしたモバイル端末をまとめて管理できるMDMの導入を検討している企業も増えてきていますが、「実際にMDMを導入してどのように活用していくべきかイメージができていない…」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、MDMの活用事例を4業種に分けてご紹介するとともに、企業や学校・教育現場などのシーンにおいて、どのように活用されているのか詳しく解説していきます。

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MDMとは

MDM(Mobile Device Management)とは、モバイルデバイス管理のことでスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末を一元的に管理・運用することができるツールです。MDMでできる機能はさまざまですが、おもにビジネスシーンで有効とされる機能は、以下の3つが挙げられます。

モバイル端末の盗難・紛失時対策

業務で利用するスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末は、社内の機密情報や顧客情報が詰まっています。そのため、万が一端末を紛失したり盗難された場合、重要な情報が漏えいするリスクがあり、企業が受ける損失も計り知れません。
こうしたリスクを低減できるのがMDMです。MDMで使える以下の機能によりモバイル端末の盗難・紛失時の対策を行うことができます。

  1. リモートロック
    リモートロック機能を使用すれば、紛失や盗難にあった際に端末を遠隔操作でロックすることが可能
  2. リモートワイプ
    リモートワイプ機能を使うと、遠隔地から端末のデータ消去が可能
  3. 位置情報を定期的に自動取得する
    紛失時の対策として、端末の位置情報の定期的に取得したり、任意のタイミングで特定の端末の位置情報を取得することが可能

端末情報の一元管理、利用制限

MDMは、端末情報の一元管理や利用制限ができるため、複数の支社や店舗を持つ企業にとっても多くのメリットをもたらします。
たとえば端末が各地に点在している場合、棚卸しのためにわざわざ端末を郵送したり、各端末ごとに人力での設定が必要になるなど管理コストが発生してしまいます。
しかしMDMを導入すると、管理者側で端末情報を一元的に管理することができるため、棚卸しの際にも端末の郵送や一台ごとの設定作業が不要となり、端末管理の効率化を図ることができます。
さらにWi-FiやWebカメラといった端末機能の利用を制限することで、業務に関係のない私的利用や情報漏えいを防止することも可能です。

アプリの一斉配布

MDMでは、管理者が指定したアプリを一斉配布したり、指定以外のアプリを制限することもできます。そのほかアプリストアに新しいバージョンのアプリが公開された際に、自動でアップデートなども可能です。

MDMでできることや導入メリット、選び方については以下の記事で解説しています。
≫MDM(モバイルデバイス管理)とは?基本や導入時の注意点まで徹底解説

MDMの活用事例【業種別】

さっそくMDMの事例として、販売業・飲食業・医療業・運送業の4つのパターンに分けてそれぞれご紹介していきます。現在MDMの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

販売業(小売店)

まずは、商業施設内にある小売店がMDMを導入した場合、どのように活用するのかについてみていきましょう。

指定Wi-Fiのみ接続を許可し、不明なWi-Fi接続を制限

雑貨店やアパレル店などの小売店では、顧客の会員登録を行う際にタブレットを活用して顧客データの入力を行うケースが増えています。
商業施設内にテナントとして店舗を構えている場合は、複数のWi-Fiが飛び交っており、知らないうちに不明なWi-Fiなどに接続されてしまうと、端末内の個人情報が漏えいしてしまうリスクがあります。

MDMには、指定Wi-Fiのみ接続を許可し、不明な接続を制限する機能があります。そのため、万が一端末を紛失・盗難されてしまったとしても、ネットワーク接続ができないため顧客情報が閲覧されるリスクを軽減することが可能です。

自社開発アプリもMDM経由で遠隔配信可能

インハウスアプリと呼ばれる自社開発のアプリを使用している店舗も少なくないでしょう。そのような自社開発のアプリであっても、MDMを活用することで、わざわざ各店舗の端末を回収することなく、本部から遠隔操作でアプリの配信や更新が可能となります。

飲食業(飲食チェーン店)

MDMは、複数の店舗を運営している飲食チェーン店においても大いに役立てることができます。

遠隔一括アプリ配信により端末管理の効率化

飲食店では、お客様の注文を受ける際に、従来までは専用端末(ハンディターミナルなど)を使うことが一般的でした。しかし近年では、コスト削減のためにスマートフォンやタブレット端末などのモバイル端末に切り替えるケースが増えています。そうした場合、アプリのインストールや更新作業なども1台ずつ行わなければいけません。

とくに飲食店では、定期的におすすめメニューなどを変更するケースも多いはずです。それに併せて各端末のメニューアプリの更新も必要となりますが、端末の台数が多い場合や複数の店舗を運営している場合は、アプリの更新にも手間がかかってしまいます。
このような課題もMDMを活用することで解消します。MDMには、遠隔から一括してアプリ配信や設定変更を行うことができるため、わざわざ一台ずつ対応する必要がなく、端末管理の効率化を図ることができます。

特定のアプリのみ表示することで業務外利用を防止

MDMには、管理者側で指定したアプリ以外の利用を制限する機能があります。スタッフ用のメニューのみを表示し、モバイル端末を注文専用端末化することで、業務以外での不正利用を防止することも可能となります。

医療業(病院、医療施設)

スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末は、医療現場においても積極的に活用されており、その方法はさまざまです。そのような医療の現場におけるデバイス管理・運用などもMDMを導入することで安全かつ効率的に行うことができます。

ホワイトリストの活用で指定アプリ以外を制限

院内では、電子カルテアプリをタブレットにインストールして、業務端末として看護師が運用しているケースもあるでしょう。その場合、不特定多数の関係者が端末を利用するため、業務以外でアプリを勝手にインストールされたり、誤って削除されてしまうといったことも考えられます。
このような悩みもMDMを導入することで解消されます。ホワイトリスト(※)を活用することで、決められたアプリ以外の使用を制限することができるため、タブレット内の環境を保持し、管理コストの削減に役立てることができます。

※ホワイトリストとは、あらかじめ「安全な対象」をリストへ定義し、対象外となるアプリケーションやプログラムの実行をさせないこと

関連記事はこちら
≫ホワイトリスト方式って?セキュリティ面の仕組みやメリットとは

遠隔によるアプリ配信・アップデート で効率化を実現

院内では、複数のタブレットを業務端末として使用しており、院内の通信環境を整える上で必要なアプリを全端末にインストールしたり、定期的な更新作業が必要となります。MDMでは、管理者が遠隔操作でまとめてアプリの配信や更新を行うことができるため、端末回収や手作業による設定の手間を削減することができます。

指定Wi-Fiのみに限定し、セキュリティリスクの軽減

業務で使用するタブレット内には、大切な医療情報や患者情報が保管されています。MDMの機能により指定Wi-Fiのみ接続可能にすることで、端末の盗難に遭った場合や、不明なWi-Fiなどのネットワークを介して情報が漏えいするセキュリティリスクを軽減することができます。

運送業

荷物の配送を行う運送業においては、ドライバーごとに業務連絡用の端末を貸与している企業も多くあります。一方で管理側では目の届かないことが多い中で、端末の私的利用やトラブルなど業務への悪影響がないか懸念されるケースも少なくありません。
運送業ではMDMを以下のように役立てることができます。

業務に最適化した機能・アプリ構成に端末を仕上げる

MDMを導入することで、ドライバーの業務以外での電話やメール、アプリの不正利用、有害サイトへの不正アクセスの防止につなげることができます。さらに怠業や事故時のトラブル防止を重視し、それらを管理できる環境を構築することができます。

不要な電話による効率低下のないよう発信先を制限

MDMの機能の中には、OSによって発信制限ができるものもあります。ドライバーの電話帳を管理側で設定することで、業務中の不要な電話を軽減することが可能です。

MDMの活用事例【シーン別】

ここまでは業種別にMDMの活用例をご紹介してきましたが、つぎにどのようなシーンでMDMが利用されているのかについてみていきましょう。

企業のテレワークやデバイス管理に

近年にかけて、働き方改革の推進や新型コロナウイルスの感染流行にともない、テレワークの普及が急速に進んでいます。企業では、柔軟な働き方の一つとしてテレワーク制度を取り入れる一方で、セキュリティ面で安心できるMDMを導入するケースが増えています。

現在、MDMを活用している企業は、50台以下のデバイス数の企業もあれば、1000台を越えるようなデバイスを持つ企業もあります。コストパフォーマンスを求められる企業での利用だからこそ、効率的なデバイス管理を実現できるMDMが活躍しているのだとも言えるでしょう。

【企業でのMDM活用の例】

  • モバイル端末を紛失した際には『遠隔ロック機能』を使い、情報漏えいを防ぐ
  • 業務アプリをまとめてVPN適用し、企業側が把握していない端末・クラウドサービスの利用を防ぐシャドーIT対策を行う
  • OSアップデートなどを一括で行い、デバイスをつねに最新の状態に保つ

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学校・教育現場のタブレット活用に

教育現場でのタブレット活用は日々進んでおり、とくに「GIGAスクール構想」により、生徒・児童1人1台端末の環境下での教育活動が行われるようになりました。
学校の規模にもよりますが、生徒・児童だけでなく教職員の方のタブレット端末を用いた授業が行われるとなると、その端末数は100台を優に超えるものと想像できます。こうした大規模な数のタブレット端末の管理にこそ、MDMが活躍します。
教育現場では、生徒・児童に向けて制限を設けたタブレット端末の運用が必要となってきます。学年ごとにポリシーを設けて、学年が上がるごとに制限を緩和していくといった運用を行っているところもあり、MDMを活用することで効率的なICT教育が実現できているという声が挙げられています。
「教師や管理者の負担を軽減し、安全で便利に学習利用できる環境を整える」。 教育現場での効率的で効果的なタブレット運用・管理を行うために、MDMは欠かせないものになるでしょう。

【学校・教育現場でのMDM活用の例】

  • 遠隔でのアプリ一括インストールや、年次イベントごとに発生するタブレットの設定変更を実施
  • 管理者の権限設定をグループごとに設け、細やかな管理分担体制に
  • 子どもたちの利用時間に合わせたポリシー設定を行い、授業後の調べ学習を推進
  • 端末にインストールされているアプリを監視して、有害な情報へのアクセスや学習効率の低下を防ぐ

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MDMを導入するなら『mobiconnect』

前述したとおり、さまざまな業種・シーンで活用されているモバイル端末を安全に管理・運用するためには、MDMは必須のツールと言えます。とはいえ、MDMは海外メーカーのものから国内メーカーまで幅広くあり、どれを選べばいいのか迷ってしまいますよね。

当社の『mobiconnect』は、国産MDMであり日本独自の機能の実装や国内機種への迅速対応に加え、製品のことを熟知したスタッフによる万全なサポート体制をご用意しているので、安心してご利用いただけます。端末管理に必要な遠隔制御や情報取得、アプリ・ファイル配信などの豊富な機能により、企業・教育現場など導入規模は大小問わず、さまざまな運用スタイルにも柔軟に対応しています。

なお『mobiconnect』では、使い心地をお試しいただけるよう30日間無料トライアルを実施しています!そのほかお役立ち資料等を多数ご用意しているので、まずはお気軽にご相談くださいね。

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まとめ

今回は、MDMの活用事例を業種別・シーン別に分けてそれぞれご紹介しました。企業や学校・教育現場において、モバイル端末を効率的に管理し、セキュリティ対策が可能なMDMの必要性はますます高まりつつあります。現在MDMの導入を検討している方は、まずは以下のフォームより、お気軽にお問い合わせください!

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