2023.03.23(2023.08.09更新)

業務効率化

IDaaSとは?機能や導入メリット、シングルサインオンとの関係性を解説

情報化社会が進み、さまざまなクラウドサービスを利用することが当たり前の時代になっている昨今。用途によって、個人で多くのIDとパスワードを管理しなければならない時代となっています。多数のパスワードを管理する難しさから、パスワードの使い回しも増えているのが現状でしょう。しかしその分、どれかひとつでもパスワードが流出してしまえば、他のサービスにもログインされてしまう危険性が以前より高くなっています。さらにテレワークが広がっている今では、社内のネットワークだけではなく社外のネットワークによるアクセスにもセキリュティ対策を施す必要があります。
そこで期待されているのがIDaaSの存在です。IDaaSを活用することでIDとパスワードを一括に管理して、面倒なログイン作業を減らすことができます。単なるログインだけでなく企業内のIDの管理も手軽にできるようになるため、情報システム管理者の負担も軽減することが可能になるのです。今回の記事では、近年注目を集めるIDaaSについて詳しく解説していきます。

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IDaaSとは?

IDaaSとは、「identity as a Service」の略称で、クラウドを経由してのID認証やパスワード管理、シングルサインオンなどを可能にするサービスのことです。広く捉えると、インターネット経由で利用できるソフトウェアのことを指す「SaaS」の一種です。一般的に、「アイディーアース」や「アイダース」と読まれることが多くなっています。

IDaaSの必要性

IDaaSは、情報化社会の現代において必要不可欠なものになっています。IDaaSが必要とされる背景には、コロナ禍においてテレワークが普及したことも要因のひとつです。どこでも仕事ができるようになった一方で、さまざまな場所から会社の機密情報にアクセスする機会も増えました。会社のインターネットだけでなく、家にあるインターネットやカフェのインターネットを利用することもあるでしょう。そんなとき、強固なセキリュティでIDやパスワードの流出を防ぐためにもIDaaSは活用できます。

また、アカウントの管理という観点からもIDaaSの必要性は高まっています。企業内でさまざまなクラウドサービスが活用されるようになり、それぞれのログイン情報を把握しなければならないなど、アカウントを管理するのは困難を極めるようになりました。

しかしIDaaSの活用によって、管理するIDやパスワードを一元化することで管理者としての手間が大幅に減ります。退職者のアカウントの削除や人事異動に伴うアクセス権限の管理なども、IDaaSを使うことで簡単に行うことが可能です。さらに、ユーザーがクラウドサービスを利用する際にも、面倒なログイン作業が一括で済みます。

IDaaSを導入するメリット

IDaaSのメリットとしては次の3つが挙げられます。

  • ID・パスワード管理の効率化
  • セキュリティの向上
  • サーバーコストの低減

それぞれについて詳しく解説していきましょう。

ID・パスワード管理の効率化

まずIDaaS導入のメリットとしてあげられるのは、「ID・パスワード管理の効率化」です。現代の企業ではさまざまなクラウドサービスを社内で利用する機会が増えているため、それぞれのサービスを活用する際にIDとパスワードが必要になっています。機密情報の漏洩を防ぐためやセキュリティ面を考えると、ログイン状態を保存するわけにもいきません。かといって毎回ログイン作業をしていると時間も手間もかかりますが、IDaaSを活用することによって効率的に管理ができます。

IDaaSを導入すれば、IDaaSに設定したパスワードを入力するだけで各種クラウドサービスと連携されるため、IDやパスワードをサービスごとに設定して管理する必要がなくなるのです。さらに、IDやパスワードを管理する社内のシステム担当にとってもメリットは大きいです。IDaaSを使うことで各種クラウドサービスの設定をそれぞれ追加したり削除したりすることなく、IDaaSのIDとパスワードのみ設定すればよいので、大幅に手間を減らせます。

またIDaaSでは、グループ単位でアクセス制限をかけることも可能です。人事異動の際などにも、ユーザーのアクセス権限を簡単に変更できるため、管理担当者の負担は軽減されるでしょう。

セキュリティの向上

次にIDaaS導入によりあげられるメリットは、「セキュリティの向上」です。従業員が社内で利用するクラウドサービスが多ければ多いほど、パスワードを多く設定する必要があるのは言うまでもありません。しかし多くのパスワードを設定するので、現実には使いまわしのパスワードや簡易的なパスワードを設定する可能性が高くなってしまいます。

IDaaSを導入してサービスを連携させることでパスワードをひとつにまとめれば、パスワードを強固なものに設定することも可能です。

またIDaaSではさまざまな認証方法を取り入れていることから、セキュリティを向上させることに役立ちます。例えば「多要素認証」では、ログイン時にパスワードだけでなく、指紋などの生体や携帯電話の番号といった情報を用いることもあるのです。その他にも、IPアドレスの制限をかけて決められたネットワークを利用時でないとログイン不可にしたり、端末自体の認証を行ったりとIDaaSにはセキュリティ向上の手段が多数用意されています。

サーバーコストの削減

3つ目のIDaaS導入のメリットとして、「サーバーコストの削減」があります。これまではセキュリティ対策などのために社内でネットワークを作る際には、認証基盤を作るための専用のサーバーが使われていました。するとサーバーの構築や運用、管理するための人材のために多くのコストが割かれてしまいます。

IDaaSは認証基盤がクラウドサービスになっているため、専用のサーバーを新しく作る必要がなく、コストを削減することが可能です。さらにIDaaSを提供している会社が定期的なメンテナンスやアップデートの対応まで行ってくれるので、情報システム管理のために割いていた人件費などのコストを削減することもできます。

IDaaSの機能

IDaaSの機能についてまとめると、主に下記の5つの機能があります。

  • 認証機能(シングルサインオン)
  • ID管理機能
  • ID連携機能
  • 認可機能
  • 監査機能

それぞれ詳しく見ていきましょう。

認証機能(シングルサインオン)

IDaaSの機能のひとつ目は「認証機能(シングルサインオン)」です。IDaaSのIDとパスワードを入力することで、さまざまなクラウドサービスやwebサービスにログインできるようになる機能のことをいいます。結果、各種サービスやアプリケーション利用時に毎回IDとパスワードを求められることがなくなり、ログイン時の手間を大幅に短縮することが可能です。管理するパスワードがひとつになることでパスワードの使いまわしも防げるので、セキュリティの向上にもつながります。

ID管理機能

IDaaSの機能の2つ目は「ID管理機能」です。従業員のIDaaSのIDを管理できることはもちろん、利用しているクラウドサービスやwebサービスのIDも管理することが可能です。

新規でIDを追加することも、既存のIDを利用停止にして削除することも簡単にできます。人事異動などによるユーザーの所属部門の変更や、部門名自体の変更なども管理することが可能です。

ID連携機能

IDaaSの機能の3つ目は「ID連携機能」です。各種クラウドサービスなどにIDaaSを連携させることで、IDの追加や削除が自動的にデータ連携で反映されます。そのため、サービスの利用を始めるときに毎回IDaaS側でも追加させるという手間をとらずに、簡単にIDの追加と削除を行えます。

認可機能

IDaaSの機能の4つ目は「認可機能」です。決められたユーザーのみがクラウドサービスをできるようにするといった、アクセスコントロールができます。例えばユーザーのIDや端末、利用しているネットワークの場所や時間帯でアクセス制限をつけることが可能です。部門ごとで利用するサービスを変えて管理したいときや、役職などによってアクセス権限を変更したいときに便利でしょう。

その他にも、多要素認証と呼ばれる多数の認証方法を掛け合わせて使うことができます。期限を設けたワンタイムパスワードや生体認証などと組み合わせることができます。機密情報の漏洩を防ぐためにも、セキュリティ強化に欠かせないのがこの認可機能です。

監査機能

IDaaSの機能の5つ目は「監査機能」です。IDaaSの利用状況を確認することができ、サービスの利用状況やパスワード変更の履歴も見ることが可能です。ユーザーによってどのサービスの利用頻度が高いのかを確認でき、またテレワーク時の監視にもつながります。

この監査機能は、セキュリティ対策としても効果を発揮します。アクセスログの取得が可能なため、不正なアクセスを確認することができます。管理者としての作業をしたログも残ることから、社内での不正行為もすぐに突き止めることが可能です。

IDaaSとシングルサインオン(SSO)の関係性

IDaaSとシングルサインオンは、切っても切り離せない関係にあります。IDaaSを活用することでシングルサインオンができるようになり、その結果としてIDの管理を効率化したりセキュリティを強化したりすることが容易になるのです。

ここでは、そもそもシングルサインオンとは何なのか、IDaaSでシングルサインオンをするべき理由について解説していきます。

シングルサインオン(SSO)とは

シングルサインオンとは、ID・パスワードによるユーザー認証を一度行うだけで、複数のwebサービスやアプリケーション、クラウドサービスなどにログインすることができる仕組みのことをいいます。通常であれば各サービスやアプリケーションごとにログインIDとパスワードを入力する必要があるのですが、ひとつにまとめることでユーザーも管理者側も管理しやすくなる仕組みがシングルサインオンです。

シングルサインオンについては下記記事にさらに詳しい解説がありますので、気になる方は参考にしてください。
関連記事:「【図解つき】シングルサインオン(SSO)とは?機能や仕組み、導入メリット、デメリットをわかりやすく解説!

IDaaSとシングルサインオン

結論から伝えると、IDaaSを導入することでシングルサインオンを実現することができます。これまでは会社の中では会社内で構築されたサーバーなどを活用して、webサービスなどを活用してきました。そこに最近では多様なクラウドサービスの利用が広がり、社内のwebサービスとクラウドサービスが入り乱れている事態が起きています。クラウドサービスはもともと社内で構築したわけではないので、社内のwebサービスなどと連携をとってシングルサインオンを実現するのは難しいと考えられていました。

そこでIDaaSの活用が重要になってきます。IDaaSを活用することで、社内のみで使われているwebサービスとクラウドサービスを合わせて、ひとつのIDとパスワードで管理できるようになったというわけです。

IDaaSによるシングルサインオンをするべき理由

シングルサインオンはIDaaSを以外でも行うことができますが、IDaaSを用いてシングルサインオンをするべき理由が3つあります。次はその理由に関して解説していきましょう。

増え続けるクラウドサービスへの対応

ひとつ目の理由は、増え続けるクラウドサービスに対応するためです。これまで企業は、セキュリティ対策も兼ねて社内ネットワークのみでwebサービスなどを使うことがほとんどでした。しかし、情報ネットワークが進化した現在ではコストも機能も優れたクラウドサービスが多数登場しており、企業向けのクラウドサービスも続々と増えています。

セキュリティを強固にするため

2つ目の理由は、セキュリティを強固にするためです。テレワークの普及により多様な場所で仕事をできるようになり、自社以外のネットワークを使う機会も増えてきました。そこで、社内ネットワークのみならず他のネットワーク利用時にもセキュリティを強化するために、IDaaSがおすすめなのです。IDaaSを活用することでアクセスコントロールが細かに設定可能になるので、機密情報の流出のリスクを減らすことができます。

組織間の認証基盤もスムーズに統合できる

3つ目の理由は、組織間の認証基盤をスムーズに統合するためです。自社のネットワークを利用して自社のサーバーなどを使う企業が多かったため、以前は異なる組織間の認証基盤を統合するのにかなりの手間が必要でした。IDaaSは異なる認証基盤のものであってもスムーズに統合することができるため、非常におすすめです。

まとめ

この記事ではIDaaSとは何なのか、IDaaSの機能とメリットに加えシングルサインオンとの関係性について解説しました。多様なクラウドサービスが増えて利便性が増す一方、セキュリティにリスクを抱える可能性やユーザーの手間が増えています。IDaaSを活用することでユーザーや管理者の手間を減らし、コストの削減やセキュリティの強化にもつなげてみてはいかがでしょうか。

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