2022.11.02

業務効率化

業務管理とは?内容や進める3つのコツ、役立つシステムについて解説

業務効率化や生産性向上のために活用される「業務管理」。社内業務の問題点などに気付けるため多くの企業で実施されています。一方で、「難しそう」「何から始めたらいいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。本記事では業務管理について、管理するコツや簡単に進められるシステムなどを解説します。

業務管理とは

業務管理とは、企業での業務をスムーズに行うために業務状況を把握・最適化することを指します。業務管理を行うことで社内の人材・物資・お金の情報を適切に管理し、「誰がどのような業務を行っているのか」「業務に問題はないか」を企業として把握することが可能です。

業務管理の必要性

社内の業務は、営業・人事・会計などさまざまです。しかしそれぞれが完全に独立している訳ではなく、情報共有が必要な場面も多くあり、1つの部署の行動が他に影響を与えることも往々にしてあります。

会社が成長するにつれて業務が増えると、業務内容は徐々に複雑化していきます。業務管理を行うことでお互いの業務を把握し、情報の共有をスムーズに行えるのです。すると効率的に業務へ取り組むことができ、生産性が向上するだけでなく、ミスを減らすことにも繋がります。

社内の人材・物資・お金をしっかりと管理して企業をより成長させるためにも、業務管理は必須と言えるでしょう。

情報・データを適切に管理する「一元管理」の重要性については、以下の記事で詳しく解説しています。
≫一元管理とは?メリット、デメリットや効率化につながる方法を解説

業務管理の内容

では、業務管理とは実際どのようなものなのでしょうか。具体的には以下の7つが挙げられます。

  •  案件管理
  •  タスク管理
  •  時間管理
  •  顧客管理
  •  経営管理
  •  従業員の健康管理
  •  従業員の勤怠管理

それでは、それぞれについて詳しく説明していきます。

案件管理

案件管理とは、営業などで発生した注文や取引先と進行中の商談の状況などを管理することです。案件管理を行うことで情報共有がスムーズになり、トップからのサポートなど組織として適切な対応を迅速に取れます。

結果的に、売り上げの向上を図ることが可能です。また、得た情報や結果をもとに分析を行うことで次の案件に活用できるため、営業やサービス強化にも繋がります。

タスク管理

タスクは大きな業務を細分化した作業を指し、各従業員に割り振られ個別で作業に当たることが多いです。1つのタスクの遅れが、全体に影響することも少なくありません。

そこで重要なのが、個人が担当している各タスクの状況を把握・共有する、タスク管理です。進行が遅れているタスクがあれば支援するなど素早い対処が可能なため、業務をスムーズに進められます。

時間管理

業務を行う際には、進行状況や所要時間などの情報をチェックして適切に管理する、時間管理も重要です。時間管理をすることでスケジュールの遅れにもすぐに気付くことができ、再調整も行えます。

さらに勤務時間の適切化にも有効で、無駄な時間を省いて残業や休日出勤を防止可能です。従業員のワークバランスだけでなく、残業代や人的コストの削減にも繋がります。

 顧客管理

顧客管理とは、取引先などの顧客情報を管理することです。顧客情報とは住所だけでなく、商談の内容や訪問履歴、提供した資料なども含まれます。

顧客管理をするメリットは、取引先にどのような情報を与えたのか全員が把握できることです。これにより、何か問い合わせがあったときには、全員がその情報を元に対応できます。また、受注に至った顧客とそうでない顧客を比較し、営業の質を高めることも可能です。

経営管理

企業を成長させるためには、「組織運営」「戦略」「売上」「利益」「課題」などを適切に管理する必要があります。それぞれのデータをただ把握するだけでなく、分析して経営判断に活用するのが経営管理です。

経営管理は資金の調達や企業の成長に直結するため、重要なポイントの1つ。ただし、経営管理の対象は企業の特徴やサービスにより異なるため注意も必要です。

 従業員の健康管理

企業では従業員の健康管理の徹底が求められており、実際企業は従業員に対して健康診断の実施が労働安全衛生法第66条 で義務付けられています。

さらには、従業員の心身の健康を管理することで離職を防ぎ、事業の拡大や成長に繋がるという考えを持つ企業も増えているため、健康管理の重要性は今後も高まっていくでしょう。

従業員の勤怠管理

従業員の出勤時間や勤務時間などを把握する、勤怠管理も重要です。業務の効率化に役立つだけでなく、昇給や評価の参考にもなります。

また勤怠管理を行うことで、残業代の未支給や有給休暇の消化など労働基準法違反の罰則を受けるリスクを大幅に軽減できます。従業員や周囲からの信頼の為にも勤怠管理はしっかりと行いましょう。

業務管理を効率的に進める3つのコツ

では、業務管理を行う上でどのようなポイントを意識ながら進めていけば良いのでしょうか。

  • 評価基準を具体的に設定する
  •  PDCAサイクルを回す
  •  業務管理システムを導入する

これら3つのポイントを押さえて業務管理を行うことが大切です。それぞれ詳しく説明していきます。

評価基準を具体的に設定する

まずは業務の評価基準を、数値や指標を用いて具体的に設定することが重要です。評価があいまいだと、業務の進捗状況や効果を判断するのが困難になってしまう危険があります。さらには、客観的に納得できる根拠がないため、業務管理に取り組んでいる従業員の不満に繋がることもあるので注意が必要です。

評価基準を具体的に設定し、業務の進度や成果をしっかりと把握することで業務の生産性と効果を高めていきましょう。

PDCAサイクルを回す

PDCAサイクルを実施しないでいると、非効率的な箇所や無駄な業務の把握・改善ができないため、生産性が低下し、最悪の場合重大なミスに繋がることもあります。「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」を行うことで、現在の業務から課題点や成果を理解・結果を活用しよりよいものへ繋げられます。

PDCAサイクルは一度で終わりにするのではなく、繰り返し行うことが重要です。さらに、「Check」はしたものの「Action」を実施しないで終わらせてしまうケースもよくあります。業務管理を行う場合、PDCAは必ず改善までをワンセットとして何度も繰り返し実施しましょう。

業務管理システムを導入する

業務管理にいざ取り組もうと思っても、手間や時間がかかり挫折してしまうケースもあります。そんなときは業務管理システムといったツールの利用がおすすめです。業務管理システムを使えば、専用のITシステムと多くの機能を用いて業務を効率よく管理することが可能です。社内の業務管理体制をスムーズに移行できます。

昨今ではDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進も必須の課題となっています。業務管理をデジタル化し効率的に進めるためにも、業務管理システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

業務管理システムの種類

業務管理をゼロから始めるのは非常に大変です。そんな時に便利なのが、先述した「業務管理システム」になります。

業務管理システムの種類は複数ありますが、ここでは以下の7つのシステムを紹介します。

  • 営業管理システム
  •  人事管理システム
  •  販売管理システム
  •  顧客管理システム
  •  生産管理システム
  •  会計管理システム
  •  勤怠管理システム

それぞれの業務管理システムがどのようなものなのか、詳しく見ていきましょう。

 営業管理システム

営業管理システム(SFA:Sales Force Automation)は、取引先の連絡先だけでなく、商談の進捗状況や営業日報作成、訪問計画など営業活動をサポートする機能が多数備わっています。営業管理システムを導入すればデータを一括管理できるため、必要に応じてすぐに指示を出したりサポートしたりすることができ、管理者にとってメリットは大きいでしょう。

営業管理システムはスマホやタブレットで使用できる製品も多いため、外回りの多い営業の効率アップも可能です。

人事管理システム

人事管理システムでは、従業員に関する情報(住所、給与、入退社時期、算定基礎など)をまとめて管理できます。データ管理しているため、住所変更などの手続きも簡単です。また必要な情報をすぐに見つけられるため、作業効率も上がります。管理したい情報は自社の必要性に応じて指定することも可能です。

販売管理システム

商品の発送状況や請求など、販売業務で必要な情報を管理できるのが販売管理システムです。販売管理システムでは売上などをデータにまとめて可視化できるため、経営戦略や課題の発見などに大きく役立ちます。請求書や見積書の発行を行う機能が備わったシステムもあり、利便性も高いです。

 顧客管理システム

顧客管理システム(CRM)とは、その名の通り顧客情報を一括管理するシステムです。住所や電話番号以外にも、顧客のニーズやその他の情報を登録することが可能で、それらをもとに顧客リストも作成できます。顧客からの問い合わせ内容を保存できる機能もあるため、コールセンターなどで積極的に導入が進められているシステムです。

顧客管理システム(CRM)ってなに?営業管理システム(SFA)との違いについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
≫CRMとは?初心者向けにわかりやすくメリットや基本機能を解説

生産管理システム

生産管理システムでは生産コスト、原価、納期など自社商品に関わる商品の情報管ができます。商品の品質や生産状況を数値化できるため、不要な工程や問題点、上手く機能している部分などをすぐに発見し、生産ラインの検討や改善が可能です。こちらのシステムは、主に工場で導入されています。

会計管理システム

紙ベースでの会計作業は担当者の大きな負担になるだけでなく、ミスが起こる可能性があります。会計管理システムを導入することで、帳票や財務諸表の作成などを電子で行えるため、担当者の負担を大幅に軽減できるでしょう。経営状況なども一目で確認できる、便利なシステムです。

クラウド会計システムでできることや機能、おすすめツールを知りたい方は以下をチェック!
≫【2022年版】クラウド会計ソフト比較5選!料金やプラン、機能を解説

勤怠管理システム

勤怠管理システムでは、従業員の労働時間の管理を行います。具体的な管理内容は、出退勤の時間や残業時間、有給の取得状況などです。労働時間が把握できるため、仕事の再分配なども可能になります。勤怠管理システムは人事管理システムに含まれていることが多いですが、勤怠管理のみの機能を利用できる単独のシステムも提供されています。

 業務管理にはERPの導入も効果的

業務管理を行う際、ERPの導入も効果的です。ERPとは「Enterprise Resources Planning」の略で、日本語で「基幹業務管理システム」と呼ばれています。

多くの企業では、会計や人事、営業など部署ごとに異なるシステムを導入することも往々にしてあります。しかしシステムによっては連携ができないため、改めてデータを入力するなど無駄な作業が発生してしまう可能性も。ERPを導入しておけば複数の業務管理を広範囲でカバーできるため、情報の一括管理やスムーズな共有が可能です。最近では、部門ごとに分けていた管理システムからERPに変更する企業も増加しています。

ERPとは

まとめ

企業の業務は営業や人事、会計など多岐にわたっています。各部門の業務を管理してくれる業務管理システムは、情報の管理と共有をスムーズに行えるため、仕事の効率がアップするだけでなく生産性の向上も見込めます。また、担当者の負担を軽減するため、働き方改革にも繋がる非常に有効な手段です。各業務に特化したシステムから総合的に情報を管理するERPなど、システムの種類はさまざまです。自社に合ったシステムを導入して、生産性アップと業務の効率化を推進してみてはいかがでしょうか。

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