2021.08.26

初級

EMMって?MDMとMAMと何が違う?意味やメリットまで完全解説!

ビジネスの現場において、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスを業務で利用する企業が増えてきている中、デバイスをまとめて管理できるEMM(エンタープライズモビリティ管理)の存在が注目されてきています。

しかし、モバイルデバイスの積極的な活用を進めている企業の中には「EMMって実際どのような役割があるの?」「EMMと似ている用語のMDMやMAMとの違いって何?」などEMMの概要について、いまいち理解できていない方も少なくないのではないでしょうか。

そこで今回は、EMMに焦点を当て、その意味やメリット・デメリット、MDMやMAMとの違いなどについて詳しく解説していきます。

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EMMの意味は「エンタープライズモビリティ管理」!

EMM(Enterprise Mobility Management 、以下EMM)とは、エンタープライズモビリティ管理と言い、社内で業務に使用されるスマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスを総合的に管理するツールです。

近年、企業におけるテレワークの積極的な導入が進む中、業務におけるスマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスの利用も増加する一方で、業務に関する情報を適切に管理していくことが必要となってきています。

とくにモバイルデバイスは、持ち運びも便利なことから、自宅で業務を行ったり、外出先で利用することで、端末の置き忘れによる紛失・盗難に遭うリスクも少なからずあります。そうなった場合、社内の重要なデータが社外に漏れてしまうという情報漏えいのリスクも隣り合わせとなります。

また、社内でモバイルデバイスを導入するとなると、各従業員へ複数のデバイスを貸与することになるため、効率的かつ安全に管理する方法も必須となるでしょう。このような場面で活躍するのが今回ご紹介するEMMとなります。

EMMを構成する3要素

つづいて、EMMの構成要素についてみていきましょう。基本的に、EMMは以下の3つの要素で構成されています。

  • MDM
  • MAM
  • MCM

基本的に、これら単体ツールは、モバイルデバイスを用いて業務を行っている企業のデバイス管理やセキュリティ対策として導入されていますが、EMMはこれら3つのツールを統合し、デバイスを総合的に一元管理できるようにしたものになります。
では、EMMを構成する3つの要素がどのような役割をしているのか、詳しくみていきましょう。

EMMの構成要素(1)MDM:モバイルデバイス管理

EMMの構成要素として一つめに挙げられるのが、MDM(Mobile Device Management、以下MDM)です。これは、モバイルデバイス管理のことで、スマートフォンやタブレットなどモバイルデバイスで利用するコンテンツを管理するツールです。複数の機能が統合されて構成されているEMMのメイン機能ともいえます。

MDMの基本機能には、リモート制御やアプリケーションの配布・利用制限・監視などがあります。
たとえば、従業員が会社貸与のスマートフォンやタブレットといったモバイルデバイスが紛失・盗難に遭った場合、MDMの機能により遠隔操作で対象デバイスのデータをすべて消去することが可能です。さらに、業務上で利用するアプリをまとめてインストールしたり、アップロードすることなども可能です。

MDMの特徴や機能について詳しく知りたい方は、こちらの記事もおススメです。
≫MDMとは?デバイス管理を安全・効率的に行う方法

EMMの構成要素(2)MAM:モバイルアプリケーション管理

つづいて、EMMの2つめの構成要素であるMAM(Mobile Application Management、以下MAM)。これはモバイルアプリケーション管理のことを指し、おもにモバイルデバイス内にインストールしたアプリを管理するツールです。

最近では、多くの企業にてテレワークが浸透している中、会社支給のモバイルデバイスを業務に利用しているケースに加え、BYOD(Bring Your Own Device:個人所有のデバイスを業務で利用すること)を取り入れているケースも増えてきています。しかし、BYODを採用した場合、モバイルデバイス内に業務用のアプリやデータと、私用のアプリやデータが混同してしまい、企業の情報セキュリティと個人のプライバシー保護の区分けがしづらいという課題が生まれてきます。

MAMには、デバイス内のアプリやデータを区分けできる機能があり、業務用と私用のアプリ・データもわかりやすく管理できるため、上述したような課題も解消することができます。

MAMについて詳しく知りたい方は、以下の記事もおススメです。
≫MAMって?意味やMDMとの機能性の違いを解説

EMMの構成要素(3)MCM:モバイルコンテンツ管理

EMMの3つめの構成要素となるのがMCM(Mobile Contents Management、以下MCM)です。こちらはモバイルコンテンツ管理のことで、スマートフォンやタブレットなどモバイルデバイスで利用するコンテンツを管理するツールになります

企業において、社内で共有するワークフローや請求書・契約書のひな型などは、Google Driveなどのクラウド上に保存していたり、顧客リストといった機密文書はファイルサーバーに保存していることも多いかと思われます。
このような場合、MCMを利用することで、社内で共有する文書をはじめとする画像や動画、音声などのコンテンツに安全かつ効率的にアクセスすることが可能となります。

MCMについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もチェック!
≫MCMって?できることやMAMとの違いをチェック

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EMMのメリット

次に、企業がEMMを利用するメリットについてみていきましょう。

EMMを導入するメリットは、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイス活用におけるセキュリティリスクの低減が期待できるという点です。

ビジネスシーンにおいて、モバイルデバイスを利用する場合、端末がコンパクトで持ち運びに便利なことから、外出先で置き忘れて紛失・盗難に遭い、外部へ情報が漏えいしてしまうリスクも少なからずあります。そのほか、知らない宛先からのメール添付の開封やwebサイトへのアクセスにより、マルウェアが侵入し、サイバー攻撃に遭うなどのリスクも考えておかなくてはいけません。

EMMを導入することで、企業が定めるセキュリティポリシーやネットワークに沿ったシステム設定により、必要な機能の有効化に加え、不要な機能の制限などが可能となります。
そのため、上述した情報漏えいやマルウェアの脅威といったセキュリティリスクを回避し、モバイルデバイスの安全な運用が実現します。

EMMのデメリット

EMMの導入においては、メリットだけでなく、次のようなデメリットがあることも覚えておきましょう。

現在、EMM製品を提供しているベンダーは数多くありますが、各ベンダーによっても搭載されている機能や価格に違いがあります。たとえば、自社で必要な機能がAとBだった場合、Y社はAの機能のみを提供しており、X社はBの機能のみ提供しているとなると、2社のEMMを導入しようと考えるケースも少なくないでしょう。
もし自社で必要な機能だけに注目して、複数のEMMを導入してしまっては、予想以上に運用コストが膨れ上がってしまいます。これでは、多額な運用コストがかかる上に、各ベンダーとEMMの機能についてすり合わせが必要になったりと手間や時間などもかかってしまいます。
さらに、セキュリティ対策としてEMMを導入する場合においては、業務全般の内容や情報処理のプロセスの見直しなども必要となってきます。

EMMを導入することは、このようなコストや時間、手間がかかることがデメリットとしてあることを覚えていきましょう。
またEMMを導入する際は、自社の用途や目的を明確にした上で、どのベンダーのEMM製品が合うのかあらかじめ慎重に検討し、自社に合ったEMMを導入することが必要と言えるでしょう。

MDMの導入から、EMMをスタートしよう

ここまでは、EMMの概要やMDM、MAMとの違いについて解説してきました。EMMは、業務で利用するモバイルデバイスを総合的に管理できるツールです。EMMは冒頭で述べたようにMDMをはじめとする3つの要素で構成されています。

もう少し分かりやすくお伝えすると、モバイルデバイス管理に特化したMDMに、MCMやMAMの機能が追加されたものがEMMであると考えると分かりやすいでしょう。
しかし、EMMの導入には、メリットもある反面、コストや手間がかかるといったデメリットも少なからずあります。

MDMであれば、EMMほどコストもかからずに、業務で利用するスマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスを一元管理できる上、情報漏えい対策や業務効率化につながることができます。
そのため、これからモバイルデバイスの活用を検討している企業などは、まずはモバイルデバイス管理に特化したMDMの導入からスタートしてみるといいでしょう。

EMMの導入にあたっては、MDMを利用した上で、本格的にモバイルワークを効率化していきたいと考える場合に利用を検討してみても遅くはないと言えます。

まとめ

本記事では、EMMの意味やメリット・デメリット、MDMやMAMとの違いについて解説してきました。
モバイルデバイスを業務に活用するシーンが増えていく中、デバイスの一元管理やセキュリティリスクの軽減が可能なEMMの存在は、企業にとって非常に安心できるツールです。EMM製品を扱うベンダーはさまざまなので、自社のコストや用途・目的に合ったツールを選定し、安全で便利な運用を行っていきましょう。