回収したスマホに私用の痕跡…、 担当者2人で管理を徹底すべくMDM導入に振り切る!

株式会社はとバス

業種
運輸
導入規模
50台未満
OS
Android

mobiconnectで実現したこと

  1. Point01

    添乗員用のスマホを一括管理でき、プライベート利用や紛失が心配無用になった

  2. Point02

    2人の担当者のみで計37台の端末を管理できている

  3. Point03

    初期設定や必要なアプリのインストール、今後の仕様変更も丸投げ可能に

目次:

東京を中心とした定期観光バスの代名詞、「はとバス」。コロナ禍を乗り越えて次のステージに向かう中、バスガイドや添乗員が使うスマートフォンを5G規格に刷新しました。その際、「端末の一括管理が必須」と感じたことから「mobiconnect(モビコネクト)」の導入に至ったそうです。今回は担当の小島泰浩さん(観光バス事業本部 旅行事業部 手配・販売促進・旅程管理課長)に、採用理由やサービスの魅力について伺いました。

出発して目的地に着き、無事に帰ってくるから「はとバス」

戦後間もない1948年に誕生した「はとバス」。中でも、初めて東京を観光する人の安心&便利な“足”として、レモンイエローの車体は広く親しまれています。まずは、会社設立の背景や事業内容を伺いました。

小島 氏

―「はとバス」は、観光が付随した都内の路線バス会社としてスタートしました。

設立の主旨は「内外人ヲ対象トシテ、内ハ国内観光ニ新時代的ニシテ快適ナサービスヲ供スル……、外ハ国際観光客ニ対シテ本事業ヲ通ジテ、新生平和日本ノ真ノ姿ヲ紹介……」です。

つまり、国内外から東京に来た方々に、日本の戦後復興をご覧いただこうという目的で作られた会社ですね。1957年には、弊社のバスガイドがモデルとされる初代コロムビア・ローズさんの歌謡曲「東京のバスガール」が大ヒットし、翌年には彼女が出演する同名映画も公開されました。

やがて、新幹線の登場などで人々が次々と上京するようになり「初めて東京を訪れる場合でも安心して観光できる」という理由から、弊社へのニーズも高まっていきました。それを表すように1960年代から70年代にかけて、バスガイドは女性が憧れる人気職業の一つになっています。

そもそも「はとバス」という社名は、ハトが「平和」「安全」「快速」のシンボルであるとともに「出発地から飛び立って目的地に到着し、再び出発地に戻る」という帰巣本能にも由来しているといいます。「各地からお客さまを乗せて名所などを周遊し、無事に帰ってくる」という仕事に通ずることから、この名になったのだそう。

小島 氏

―弊社では各種車両を100台ほど保有していますが、創業から20年ほど経った頃に観光バスの車体をレモンイエローに統一しました。お客さまがすぐに見つけられるよう目立つ色を選びましたが、おかげで今でも街なかを走っていると「あ、はとバスだ!」と、よくお子さまから声をかけていただきます。多くのバス会社がある中、社名で呼ばれるのは私たちぐらいではないでしょうか。

「観光は平和産業」といわれるように、コロナ禍で弊社の業績は相当に落ち込みました。それでも、東京は相変わらず人々を引き付ける場所です。超高層のランドマークもあれば昔ながらの寺社や建造物もあり、喧騒に包まれた商店街もあれば閑静な美術館もあります。世界に誇る観光地なので、今後もその魅力を発信していきたいですね。

なお弊社では、有名キャラクター「リラックマ」とのコラボレートが根強く人気です。ファンの皆さんをラッピングバスに乗せ、限定グッズと共に観光地を巡り、写真を撮ってSNSに投稿するのが定番の楽しみ方のようです。

さらに直近では、国土交通省との交渉が実り「羽田空港の制限区域内を観光バスで走る」という初の試み「羽田空港ベストビュードライブ」も始めました。屋根を外した2階建てオープンバスから、迫力あるジェット音をバックに離着陸する機体を眺めることができますよ。特にパイロットに憧れるお子さまや写真愛好家の皆さんに好評ですね。

回収したスマホに私用の痕跡。端末の管理方法が課題に

ツアーを円滑に運営するため、今や添乗員にスマートフォンを貸与するのが当たり前になりました。高機能である反面、情報漏洩などの不安もあり、小島様も管理方法で悩みます…。

小島 氏

―私のいる旅行事業部 手配・販売促進・旅程管理課には、添乗員が在籍しています。お客さまをスムーズに案内するには、ツアーでこれから立ち寄る施設や飲食店などに事前連絡を入れる必要があり、彼らに1人1台のスマートフォンを貸与しています。

例えばゴールデンウィークなどは、渋滞によってレストランへの到着が1、2時間ほど遅れることもありますよね。それでも温かい料理を召し上がっていただくために、「あと〇分で到着するので食事の準備をお願いします」などと、頻繁に電話を入れているのです。

また、高齢者のお客さまがなかなか集合場所に戻ってこないこともあるので、緊急連絡のためにも欠かせません。以前は“ガラケー”を持たせていましたが、スマホにしてからはGoogleマップなども利用でき、車内で皆さんに「あと何分で目的地に到着する予定です」と伝えられるから便利ですね。

こうした全ての端末を、私が責任者として1人の部下と一緒に管理しています。しかし、添乗員は勤務時間がバラバラであり、久しく会わないメンバーもいたりして、各自のスマホの状態を細かく把握できない点を課題に感じていました。さらに、いずれの端末にもツアーで案内する各施設の電話番号や、従業員の氏名および連絡先が登録されています。紛失などでトラブルにつながらないか、気になりましたね。

ところが、当時の管理方法はシンプルで、端末ごとに番号を付けて印字テープを貼り、エクセルでリストを作って所有者と結びつけるというもの。実際には手が回らず、中にはプライベートで連絡を取ったとみられる履歴が残っていることもあったのだそうです。

小島 氏

―定額プランに入っていたので大きな影響は受けませんでしたが、少し残念でした。他にもかなり使い古された端末があり、同じく私用でも使われていたと想定できます。

なお、私が担当する前は53台の端末を4人の社員と2人の内勤添乗員で管理していたようですが、それでも相当に苦労したと聞きます。その上で、現在はコロナ禍で人員が減り、私が見守る中、部下が1人で37台のスマホを管理することになりました。

しかも互いに本業があり、私は旅程管理責任者として添乗員をまとめ、部下は添乗員の統括を担っています。他にも日帰りツアーの準備や、全国旅行支援に合わせたクーポンの手配に追われているので「業務の負担が増えるのではないか」と心配でした。

スマホの導入から管理まで、ほぼ1人で担当できる

部下と2人で37台のスマホを管理することになった小島さん。長くお取引のある販売店から機種変更を提案されるとともに、端末の一括管理について教わります。こうして「mobiconnect」に出合います―。

小島 氏

―私と部下でスマホを管理していくにあたり、長くお付き合いのある販売店から5G対応のAndroid端末へのバージョンアップを提案されました。「これを機に今までの端末管理を一新し、さらに何とかして2人だけで対応できないだろうか」と考える中で、販売店からMDM(Mobile Device Management/モバイルデバイス管理)について教わりました。こうして「mobiconnect」に出合った次第です。

もちろん、同時に「インヴェンティット」という企業を知るわけですが、信頼する販売店から「安心できる会社ですよ」と紹介されたことが大きかったですね。今回、部下はほぼ1人で「mobiconnect」の導入を担当しましたが、逆にいうと「1人でも対応できるほど手厚いサポートが受けられた」と考えられます。

導入当初から、不安よりも安心感のほうが勝ったという小島さん。「これで私用の通話や知らないアプリのインストールを防げる」「万が一の紛失に備えて端末ロックできる」「誰がどのように利用しているか把握しやすくなる」「負担が増えずに済む。いや、今までよりも楽になる」と、とにかく期待値が高かったと話します。

小島 氏

―私は「インヴェンティット」との初回の打ち合わせには参加できませんでしたが、同席した部下の話によると販売店と一緒に来社し、キッティング(導入時に各種設定やソフトのインストールなどを行う作業)について初心者目線で教えてくれたのが助かったそうです。

キッティングにおいては先ほど話したGoogleマップの他、渋滞情報関連や外国語の音声翻訳など6つのアプリをインストールした上で、そのままバスガイドや添乗員に渡せる状態に設定してくれました。もちろん今も引き続き、主にオンラインでこまめに相談が受けられます。

初期設定の打ち合わせでも、担当の野崎さんが「端末をスマホ化することによる秘匿情報漏洩の可能性」について注意を促してくれ、管理徹底を重視する私たちと同じ方向を見ていると感じました。「インヴェンティット」は私の中で「対策に尽力する会社」という印象が強いですね。また「端末をどのような設定にするか」「これからどう運営していくのか」といったヒアリングを踏まえてサポート体制を構築してくれました。

実際に37台のAndroid端末が届いてからも、部下はスムーズに作業を進めていました。以前からこの業務に携わってきた本人いわく「かつて4Gスマホを受け取った時は、いろいろと設定するのに2、3人で数日かけていましたが、今回は私1人で、しかも2日もしないで完了しました。とても順調でしたね」とのことです。もしMDMを知らなかったら、あるいは「mobiconnect」と出合っていなかったら、部下と私は導入時に右往左往し、端末の管理方法も以前のままだったでしょうね。

端末一つで外国人観光客も案内できる。いざ業界の復活へ

コロナ禍が落ち着きを見せ、外国人旅行客の姿を目にするようになりました。MDMで簡単にスマホを管理するとともに、小島さんは時代や状況に応じてアプリを入れ替え、観光業界を盛り上げたいと続けます。

小島 氏

―「インヴェンティット」からは、今後も「端末の設定を変更したい」「新たにアプリを追加したい」などと依頼すれば、遠隔操作ですぐに対応してくれると聞いています。部下も私もデジタルやITに疎いので、自分で調べたり、操作したりする手間が無いのは助かりますね。同じような悩みを抱えてアナログ業務から抜け出せずに苦しんでいる方々がいるとしたら、プロフェッショナルに後押ししてもらい、本当に必要な仕事に集中するための第一歩を踏み出してはいかがでしょうか。

弊社はプライバシーマーク(Pマーク)を取得し、個人情報をはじめとする各種データの取り扱いには極めて慎重です。毎月のように自主監査を実施してお客さまと従業員の情報を守り、その流れで社用スマホの利用方法を見直そうと「mobiconnect」を採用しました。この時代、従業員にスマホやタブレットを渡している会社は相当数に上ると思います。管理方法がアナログで担当者の負担が大きいようであれば「MDMは一括管理できるから安心です」と伝えたいですね。

はとバスをはじめとする運送業界は「2024年問題」を控えていて、例えば郊外に向かうツアーでは、交代人員を用意したり、ツアー内容そのものを見直したり、難しい局面を迎えていると小島さんは話します。

小島 氏

―こうした流れに対し、社内ではデジタルを活用した業務の効率化が進んでいます。私たちの部署も「mobiconnect」の助けを借りて主要業務をブラッシュアップしていきたいですね。

時代と共にお客さまのニーズは多様化しています。心から楽しんでもらえるサービスを作り出していく中で、バスガイドや添乗員が今以上にお客さまに集中できるよう、可能な限り付帯業務を減らしたいと考えています。その中で、もはやスマホは顧客満足度の向上に欠かせないツールであり、有効なアプリが新開発されたら「インヴェンティット」に頼んでインストールして、サービス向上につなげたいです。

コロナ禍が落ち着きを見せて海外からの旅行客が増える中、弊社も2023年3月から外国人向けツアーを再開しました。人気スポットの一つが山梨県の新倉山浅間(あらくらやませんげん)公園で、ここからは富士山と五重塔、さらに春にはソメイヨシノがセットになった絶景を眺めることができます。

端末にインストールしてある外国語の音声翻訳アプリを活用し、各国からのお客さまとも今以上にコミュニケーションを広く、深くして、活気を取り戻し始めた日本の観光業界をさらに盛り上げていきたいです。

( 取材日:2023年5月 )