導入事例
mobiconnectを活用しているお客様の声をご紹介します。
利用目的や環境は多種多様、お客様のデバイス活用には新たな発見があります。
豊後大野市からはじまる、未来の教室【後編】ICTで目指す、豊かな学び

豊後大野市教育委員会
- 業種
- 学校・教育委員会
- 導入規模
- 100台以上
- OS
- iPadOS
目次:
豊後大野市と子どもたちの未来を見据えて、ICT活用を進めている豊後大野市。前編に引き続き、DXにより進化する教育の在り方を考えつつ、企業にも共通する普遍的な「学び」や今後の展望について聞きました。
※前編はこちらから
https://www.mobi-connect.net/introduction/bungo-ohno-1/
「自由」を追求するための「制限」

デジタルの恩恵は大きい一方で、弊害を懸念する声もあります。デジタルを効果的に使用していくには、何が必要なのでしょう。
鈴木
―私が最初に入社した会社は流通系なのですが、ちょうどオフィスコンピュータが導入され始めたくらいで、データ分析や収集をしたり、仕組みを作るのに夢中になりました。
データやITを駆使することの重要性を感じたのですが、それをうまく活用するためには、最終的に国語力と人がカギだと思っていて。iPadをはじめ端末を導入する中で、そういった力を養うことが難しくなるのでは、という懸念の声もあるかと思いますが、いかがでしょうか。
下田 氏
―iPadを使うことによって、語彙力がなくなるのでは?など、影響を心配する方もいますね。しかし、普段は読書をしないような生徒も、iPadでなら読むという子も多い。それだけでも、表現力や言葉は蓄積されていくはずです。もちろんアナログなやり方も大事ですが、これからはデジタルと両軸で進めることが欠かせないと考えています。
「教育」というものは長い歴史を持ち、中には明治以降100年近く変わっていないものもあります。不易という言い方をすればいいように聞こえますが、世の中が変わってきている以上、こだわりすぎると遅れをとってしまう。大切にすべきことを見定め、時代に適した舵の切り方をしていくことが肝要です。
鈴木
―豊後大野市は学習にAIを積極的に取り入れていますよね。実は、弊社のMDMにAIを制限する機能もあります。一定の需要があるからですが、画一的な教育をするなら、確かにすべてを制限した方が楽だとは思います。

下田 氏
―リスクという観点では理解できます。AIは情報の正誤判断も課題ですし、使い方は丁寧に指導していく必要があるでしょう。ただ、10年後20年後にはもう普通にAIが当たり前に活用されているはず。そこを見越して一歩進んだ議論も大切です。 制限することは簡単ですが、可能性が広がりません。それはAIだけでなく、さまざまなツールも同じ。豊後大野市では、使いたいアプリの要望があった場合、早ければ翌日には承認しています。基準は設けながらも、この自由度の高さこそが子どもたちの成長につながると考えています。実際、大人も使いこなすのが難しい「Scratch」のようなアプリを駆使してゲームやアニメーションを作っている小学1年生もいるくらいで。
鈴木
―すばらしいですね。我々も、日ごろは最大限自由に使えるけれど、何かあったときにはすぐに必要な対応ができる、お守りのような存在になりたいと思っています。そのためにも、一通り制限はできなければならない。本質は何なのか、常に考えられる企業でありたいと思っています。
下田 氏
―心強いです。今お話ししているような内容は、社内研修などでも共有しているんですか?

鈴木
―そうですね。ただ、社内教育に関しては完成形を目指している、という段階です。実は、新規卒業者を取り始めたのが2023年度からなんですよ。国と同じく、少子高齢化なんです。これまでは、会社の成長期ということもあって技術力や経験がある人材が必要でした。それは今も同様ではあるのですが、より長い将来を考えることができる若い人材も併せて育てることが、会社を存続させていくためには不可欠だと考えています。
ベテランから若手まで定着し、バランスのよい環境を作るためにも、会社の見据えるビジョンや生み出す価値、社会的意義について私が言えることを話しています。そうして意識合わせをして、根付いていくことによって会社が存続していく。豊後大野市の目指す教育と似通っているかもしれないですね。
誰もが豊かな学びを得るために

企業でも教育機関でも、デジタル技術の進化によるDX化が加速しています。この変化を大きな追い風とし、目指すべき未来をうかがいました。
鈴木
―日本も少子高齢化が進み、逆転のピラミッドに持っていくにはなかなか難しい域に来ています。しかし、グローバルでは確実に人が増えている。それもあって、今は海外にも活路を見出しているんです。国内の消費者人口は減っているかもしれませんが、国外で我々のサービスが評価されることで、日本経済に貢献してくれる輪を広げていくことができるなと。
下田 氏
―たしかに、世界人口は80億人。子どもの数も、グローバルで見ると増えていますね。豊後大野市をはじめ、地方の人口減少は留まるところを知りません。それなら世界の子どもたちが日本に来て、日本の生活や教育を楽しんでくれたらいいのに、と考えることもあります。簡単ではありませんが、子どもはどこに住んでいても一緒です。みんなが楽しく、豊かに生活できるような時代を作っていけたらと願っています。
鈴木
―そういった可能性を模索するためにも、ICTはカギとなってきますね。
下田 氏
―そうですね、時代の流れとしても当然です。まずは今後、ICT利活用が加速する中で、さらなる教育の機会均等を目指した仕組み作りをしていけたらと思っています。不登校の児童生徒をはじめ、何らかの事情がある生徒でもスムーズに教育へアクセスができ、豊かな学びを得た子どもたちが自己実現を目指せる。そういった環境整備のためにも、インヴェンティットにはそのシステムや知見で大いに後押ししていただきたいです。
子どもたちが主体的に自己実現をしていくためには、何が必要なのか。デジタルという枠組みを超えた広い視野を持つ豊後大野市の方針は、地方教育の未来を示すモデルケースとなっていくかもしれません。インヴェンティットは、今後もその取り組みと姿勢をサポートしていきます。
( 取材日:2025年1月)
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