増えていくiPad、端末の状況把握にひと苦労も、導入済みのIT資産管理ツールを使いながら一元管理

株式会社伊勢半本店

業種
製造・メーカー
導入規模
50台未満
OS
iPadOS

mobiconnectで実現したこと

  1. Point01

    導入済みIT資産管理ツール「SS1」を使いながら、追加購入のiPadも一元管理

  2. Point02

    外勤スタッフが使用するiPad。遠隔ロックが可能になり紛失や盗難時も安心!

  3. Point03

    MDMに求めたのはシンプルな機能&料金。いずれも実現可能で導入を決定

目次:

江戸時代創業の「株式会社伊勢半本店」。今もベニバナを原料とする口紅を職人の手で作るなど「最後の紅屋」として伝統を守っています。近年では総合化粧品メーカーの顔も持ち、マスカラやアイブロウ、スキンケア商品などを次々と開発。規模拡大を続ける中、各部署が独自に購入していたiPadを管理しようと「mobiconnect(モビコネクト)」を導入しました。採用の理由や既存のIT資産管理ツールとの連携について、財務・情報管理本部 情報システム部の部長、橋本雅人様と永田雅史様に伺いました。

看板商品は「小町紅」。玉虫色の輝きを放つのは唯一無二

結婚式や七五三をはじめ、人生の大切な場面に彩を添える紅。まずはその原料であるベニバナの採取方法や口紅になるまでの過程、そして江戸時代から続く会社の歴史についてお話を聞きました。

永田 氏

―私たち「伊勢半グループ」は1825年に江戸・日本橋で創業した紅屋「伊勢屋半右衛門(通称:伊勢半)」から始まり、来年には創業200周年を迎える企業です。紅はベニバナの花弁から抽出される赤い色素から作られ、七五三や結婚式の口紅としても用いられます。

今や、私たちは江戸時代から続く「最後の紅屋」であり、歴史や伝統の重みを感じながら日々の業務に臨んでいます。

橋本 氏

―看板商品は創業時からの製法を守る、「小町紅」です。丹精込めて作られた良質な紅は器に塗って乾くと玉虫色に輝きます。水分を含んだ筆で溶け出し、鮮やかな紅色に再び変化します。赤いはずの紅が玉虫色に輝いて見える不思議は現代の科学でもまだ解明されていません。 

出典:伊勢半本店|小町紅

ベニバナの主な産地は山形県です。農家の方々は早朝から畑に出て花弁を摘み取り、手作業で加工するなど、やはり昔ながらの手法を続けています。私も現地を訪ねたことがありますが、作業は機械化が難しく、かなりの重労働でしたね。

「小町紅」を1つ作るのに、およそ1000輪のベニバナの花が必要です。この数字からも紅の価値をお分かりいただけると思います。

永田 氏

―都内の南青山には、紅づくりの技や日本の化粧史などを伝える当グループの施設「紅ミュージアム」もあるので、よろしければ足を運んでみてください。

こうして約200年にもおよぶ伝統を守りつつ、私たちは総合化粧品メーカーとして進化を続けています。当グループを象徴するブランド「KISSME(キスミー)」からは、「ヒロインメイク」、「ヘビーローテーション」、「キスミー フェルム」、「キス」などのセルフメイクブランドを展開し、リップやマスカラ、アイライナーなど商品の種類も豊富です。

長く培ってきた技術力と品質への強いこだわりを土壌に、今のトレンドを捉えた化粧品を次々と開発しているのが私たちの強み。各従業員にも「伝統を土台に新しい価値を作る」という自負があります。

増え続けるiPadの管理&状況把握が困難に

同社では店舗巡回スタッフにiPadを貸与。導入を拡大するにつれ台数が増え、把握が困難な状況に陥ったという。そこで管理とセキュリティの徹底が課題に…

永田 氏

―現在「mobiconnect」は約40台のiPadに導入を進めています。いずれの端末も、弊社商品を扱うドラッグストアや量販店を巡回し、状況確認などを行うスタッフの方々に貸与しています。店舗の様子を確認してより良い売り場づくりを考えたり、訪問先に資料を見せたりするのに役立っていますね。また、メールなどの諸連絡やウェブ会議にも活用しています。以前はノートパソコンを貸与していましたが、やはりタブレットのほうが便利なようです。

当初は数も少なく、Excelの台帳で管理をしていましたが、情報システム部の人的リソースに限りもあり、導入台数の増加をはじめ人事異動や入退社への対応により端末の状況をタイムリーに把握することが困難になっていました。「どの拠点の誰にiPadを貸与しているのか。そして全体では何台のiPadがあるのか」の確認や棚卸しにも苦労していました。

橋本 氏

―加えてアルコール検知器による運転者の状況確認が義務化されたことにより、iPadを利用したアルコールチェックを開始しましたが、端末を車内に置き忘れてそのまま紛失したり、店舗巡回中に盗難に遭ったりするリスクもゼロではありません。そのようなリスクを軽減するために、改めてセキュリティも強化しようと「mobiconnect」の運用を始めた次第です。

「従来の仕組みはそのまま」「機能も料金もシンプル」。だから導入を決定

「すでに導入したIT資産管理ツールを変えることなくiPadも管理したい」と考える中で紹介されたのが「mobiconnect」。採用の決め手は「シンプルなプランを選べて料金も抑えられた」。

永田 氏

―そもそも情報システム部では、グループ各社のパソコンをはじめとするIT資産を「SS1」というツールで管理してきました。そのためツールの販売代理店に「従来のやり方を変えることなく、iPadもまとめて管理できないか」と相談したところ「mobiconnect」を紹介されました。

なかなかメリットが大きいと感じ、さっそく「インヴェンティット」へのヒアリングを開始しましたね。

橋本 氏

―「インヴェンティット」の提案でもっとも心に響いたのは「シンプルな機能と適切な料金」です。弊社としては「iPadをSS1につなげて一元管理したい」「紛失や盗難時に備えて遠隔ロックできるようにしたい」という2点をまず先に実現したかったのでそれに応じた適切な料金で導入できればと考えていました。

永田 氏

―これらの要望を満たしていることから「mobiconnect」の採用はスムーズに決まりました。導入を前に懸念点はありませんでしたが、当グループの拠点が全国にあるため実作業の進め方は気になりました。私たち情報システム部のメンバーが各地に出向くのはさすがに大変ですよね。

検証した結果、各拠点にマニュアルを送ってオンラインでレクチャーするだけで十分だと判断できました。「インヴェンティット」のアドバイスやサポートにも助けられましたね。

永田 氏

―実際の導入作業もスムーズに進みましたが、それでも「mobiconnect」とSS1の連携には少し手を焼きました。SS1の管理画面上にiPadの情報が表示されず「ディー・オー・エス」と「インヴェンティット」にメールで何度も問い合わせました。そのたびに迅速かつこまめに返事をくれて、無事に改修できました。

初期の頃にプランや費用について説明を受けた時から「インヴェンティット」の担当者は話が簡潔で分かりやすく、疑問もすぐに解消してくれたので導入作業は円滑に進みましたね。

振り返ると2023年末にSS1の販売代理店に相談し、2024年の初頭から「インヴェンティット」との打ち合わせが始まって、2月頃には「mobiconnect」のトライアル環境を用意してもらいました。「これならiPadを管理できる」と確信した上で4月に本契約を結びました。

実際に使用したところ、改めて「自分たちで設定したポリシーがiPadに伝わっている」と実感できましたね。

橋本 氏

―「mobiconnect」が稼働するようになり、何よりも大きな安心感を得られました。iPadの管理やリスク軽減にめどが付き、弊社としての懸念事項が一つ解消されました。さらに台数が増え、以前のまま台帳による管理を続けていたら、トラブルに見舞われるリスクはより大きくなっていたと思います。

永田 氏

―あとは「iPadへのMDM導入が始まった」とグループ内にアナウンスすることで、端末の扱いに関する注意喚起にもつながっています。会社が管理をより徹底するようになったと分かれば、従業員も今まで以上にデバイス類を大切に扱ってくれるのではと期待しています。

初めてのMDMなら「mobiconnect」がおすすめ

「mobiconnect」の導入は、従業員がiPadの扱い方について再確認する機会にも。操作性に優れ、ポリシーの設定も容易であることから「初めてMDMに触れるのにお勧めのツール」と評価していただきました。

永田 氏

―「mobiconnect」の導入で円滑にiPadを管理できるようになりましたが、まだ顕在化していない大きなリスクがある可能性も否定できません。各部門への利用状況のヒアリングを強化し、よりセキュリティレベルを上げていくことが当面の目標ですね。まだ未だにデジタル化できていない領域も多くあり、並行して進めていきたいです。

橋本 氏

―もちろん、現在も多くの重要な情報をデータベース化して管理しており、これらの情報に対してもセキュリティを向上させていく必要があります。加えて最近は、個人でも自由に利用できるクラウドサービスやオンラインツールなども増え、いわゆる「シャドーIT」の課題も顕在化しています。厳密なルールでがんじがらめにするつもりはありませんが、対策を練る必要があると感じています。

永田 氏

―あと、実際に「mobiconnect」を操作した感想は「扱いやすい」のひと言に尽きます。一般的にMDMのサービスはポリシーの設定が複雑な印象ですが「mobiconnect」は“やるべきこと”が絞り込まれています。もちろん弊社でカスタマイズした部分もありますが、事前の想定よりもずっと楽に運用できていますね。

もし「社内に詳しい人間がいないから…」などとMDMの導入をためらっているなら、その第一歩として、むしろ「mobiconnect」はおすすめでしょう。もちろん、弊社のように「SS1を使いながらiPadも管理したい」というケースにも適しています。

「インヴェンティット」という企業自体もサポートが手厚く、話を聞くだけでもメリットがあるかもしれません。導入作業が落ち着いた今も、質問を投げると当日か翌日のうちにメールやチャットで回答してくれます。この密なコミュニケーションもありがたいですね。

( 取材日:2024年5月)


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  • SS1は、株式会社ディー・オー・エスの登録商標または商標です。