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古河市教育委員会

業種
学校・教育委員会
導入規模
1,000台以上
OS
iOS / iPadOS

mobiconnectで実現したこと

  1. Point01

    "スマート教育ICT”で現場の教員の負担を減らす

  2. Point02

    学校現場に沿った、学校ごとの自立したタブレット運用

  3. Point03

    細かい階層設定で現場のアイディアや挑戦を形に

  • 公立学校の教員が使えるわかりやすいインターフェースを重視
  • 1400台以上の大型タブレット導入、安全かつ効率的な運用を再優先
  • 教育に特化したMDMに期待!それぞれの学校現場に応じたタブレット運用を目指す
  • 「i-FILTERブラウザーオプション」で、タブレット=学習ツールを意識づける

全国の自治体の中でもいち早く、セルラーモデル(LTE対応モデル)のiPadを導入した茨城県古河市。2015年に市内の全小学校23校(一部中学校含む)に対して1421台のiPadを配備し、基礎力の向上と21世紀型スキルの育成を目指してICTの活用が本格始動した。“スマート教育ICT”をキーワードに掲げる古河市では、教育現場の負担を軽減し、低コスト且つ高い稼働率を実現するタブレット端末の運用を推進。これらの実現に向けて必要な教育基盤として、MDMにMobiConnectを選択した。

21世紀型スキルの育成と基礎学力の向上にICTを活用。

古河市教育委員会は、21世紀型スキルの育成と基礎学力の向上を目指して、2015年度より小学校におけるICT活用を本格始動した。教師主導で進む知識伝達型の一斉授業から抜け出し、学習者主体の授業実現へ向けてICTの積極的な活用を目指す。さらには、産学官で連携して基礎学力向上の実証研究にも取り組み、授業改善に向けたより質の高いICT活用にも挑戦している。

タブレット導入が始まったのは2015年9月。市内の小学校23校に対してセルラーモデル(LTE対応モデル)のiPadが1421台配備された。うち3校は重点整備校としてiPadの一人1台環境を実施し、それ以外の20校については、各校40台のiPadを整備している。運用面では、エバンジェリストと命名された教育ICT指導教員が中心となってICT活用を推進。そのための養成プログラムを設けて、市内の小中学校32校から公募して育成する仕組みだ。

古河市は、教育委員会主導の画一的なタブレット活用ではなく、それぞれの学校現場に合った自立したタブレット運用を目指す。そのためには現場の教員の負担を減らすことが重要だとし、“スマートなICT運用”をキーワードに掲げ、無駄なものを省いたシンプルな設計にこだわった。その教育基盤として、MDMにはMobiConnectを選択。同市教育委員会指導課長の平井氏は「教育委員会が主導する大型タブレット導入では効率化を図るためにMDMの利用は必須です。長期的なタブレット運用においては教育委員会で全てを管理するのではなく、現場の教員の協力も欠かせません。MDMの選択には、現場の教師も運用に関わるという視点が重要だと考えています」と語る。

学校の教員にとって分かりやすいインターフェースが決め手。

平井氏は、古河市教育委員会がMobiConnectを選んだ一番の理由について、“インターフェースが分かりやすいこと”をあげる。MDMを導入しても、教育委員会が全ての学校の端末管理を行う運用は、それぞれの学校に応じた使い方を妨げてしまう。もちろん、必要最小限のセキュリティ対策は教育委員会が管理しても、児童の使い方や発達段階に合わせてタブレットの活用範囲を広げたり、時には規制するような匙加減については、各学校にしかできない。そのため長期的には学校側が自立してタブレットを管理できることは重要であり、古河市でもそうした状況を予測して、学校の教員にとってわかりやすいインターフェースであることを優先した。

「MobiConnectのインターフェースは、学校の教員にとってやさしいと思いました。公立の小学校の先生にMDMを触ってもらうためには、特別で専門的なものはまず無理です。教員たちがMDMを操作するためには、見た目のハードルを下げる必要があり、MobiConnectなら簡単に感じてくれるだろうと思いました」(平井氏)

古河市の場合、現状では各学校の教員が行うMDMの操作といっても、端末の紛失・盗難時における「端末のロック」と、教員が希望するアプリの追加を行う「アプリ一斉配布」の2種類しかない。その他の余計な機能やメニューは必要でないことから、各学校のタブレットにはそれらの機能が表示すらされない設定になっている。そのためITに不得手な学校の教員であっても、比較的分かりやすいシンプルなインターフェースが実現している。

必要なメニューだけを表示する機能は、MobiConnectが学校や管理者など、グループに対して権限を細かく設定できるからだ。この機能を生かせば、業者に対しても与える権限を管理するなど発展的な利用も可能である。今後、教育現場では複数業者を管理する必要性が増えることから、古河市では、MobiConnectで業者ごとに管理権限を分与するといった場面も想定しているという。

教育委員会ならでは。大規模タブレット導入に必要なDEPとVPPの対応

教育行政主導のタブレット導入は、膨大な数の端末を扱う。学校単位での導入の場合であれば、児童の端末を集めて1台ずつキッティング作業をすることも可能だが、大規模導入では難しい極めて困難。そのため、児童から端末を集める手間なく、無線ネットワーク経由で簡単にキッティング作業ができるDEP(Device Enrollment Program)や、アプリを一斉配信できるVPP(Volume Purchase Program)の利用は欠かせない。平井氏も「古河市の場合は1400台以上ものiPadをキッティング・管理しなければならないため、DEPとVPPに対応したMDMを選択することは、運用面の効率化を図るためにも必須でした」と語る。

古河市の場合は、教育向けVPPのアカウントを学校ごとに割り当てられるMobiConnectの機能にも注目した。学校現場での自立したタブレット運用を目指すためには、教育委員会でアプリを一斉配信するのではなく、学校が現場のアイデアや必要に応じてアプリを自由にインストール・管理できる体制が望ましい。その際に、他の学校にとっては必要のないアプリが表示されてしまうと運用上に煩雑になってしまうため、学校ごとにVPPが管理できる体制は必要だ。古河市では、教育委員会をメインアカウントにして、その階層下にそれぞれの学校のサブアカウント設置。教育用VPPのアカウントは教育委員会ではなく、各学校のサブアカウントに対して割り当てた。「各学校が自由にアプリをインストール・管理できることは、教育委員会の画一的な運用から抜けだして、現場で生まれたアイデアや挑戦を形にしていく大切な権限だと考えています。そのためには教育用VPPが学校単位で操作できるMDMであることはとても魅力でした。おそらく、これができるMDMはほかにはないのではないかと思っています」(平井氏)

フィルタリングには「i-FILTER 」を採用。より安全・安心な運用を目指す。

古河市教育委員会は、情報モラルや情報リテラシーの観点から有害サイトなどを規制するフィルタリング「i-FILTERブラウザーオプション」を導入している。将来的には、家庭にタブレットを持ち帰って学習するシーンも想定しており、学校と家庭、それぞれの異なった使い方をiFILTERで実現していくという。平井氏は「学校では、教師の目の届く範囲で比較的自由な使い方を認めて児童の情報モラルやリテラシーを育成しつつ、家庭学習においては、“勉学モード”に設定したタブレットを持ち帰るような使い方をイメージしています。家庭では“21時以降のウェブブラウジングを規制”といった細かな設定をして、学習用途として児童や保護者が安心して使えるように考えています」と語る。

MobiConnectが教育用のMDMであることに期待!

平井氏はMobiConnectの採用理由として、「国産のMDMであることも重要なポイントでした」と明かす。古河市教育委員会では外資系のMDMも検討したものの、国産のMobiConnectの方が日本人に合ったインターフェースで使いやすく、サポート体制も充実していると判断。「何かトラブルが発生した時に、“本国に問い合わせて・・・”といったプロセスが発生した場合は、教育活動が止まってしまうリスクも考慮しました」と平井氏は語る。

またMobiConnectには、Education版があることも決め手になったという。一般的にMDMといえば、ビジネス分野での利用がメインであるが、教育機関でのタブレット活用においては、ビジネスシーンと使い方も異なる。平井氏は「児童の情報リテラシーを育成する場である学校は、児童の発達に合わせて段階的にICTの活用範囲を広げていくような場面もあり、ビジネス目的の統一的な管理がそぐわないケースもあります。そうしたなかで、MobiConnectでは教育に特化したEducation版があり、教育現場のニーズに耳を傾けて頂きながら、今後の製品改良にも十分期待できると思いました」(平井氏)

セルラーモデル(LTE対応モデル)のiPad導入という全国的にも注目を集める取り組みをいち早く実施した古河市教育委員会。ICTを活用した21世紀型スキルの育成・基礎学力の向上のためには、学校主体の自立したタブレット運用が欠かせないとし、より自由度の高いICT活用の実現に向けてMobiConnectが生かされている。

( 取材日:2015年11月 )