ICT教育を通じて心の教育に取り組み、iPadを活用した新しい学びの実践を先駆ける

聖徳学園中学・高等学校

業種
学校・教育委員会
導入規模
1,000台以上
OS
iOS / iPadOS

mobiconnectで実現したこと

  1. Point01

    生徒自らがリテラシーを向上させ、自由度をあげていく

  2. Point02

    通信回線を圧迫せずに大量のアプリ配信が可能に

  3. Point03

    学校情報化先進校としてさらなる進化を目指す

  • 時間でプロファイルを切替、希望通りの設定が実現するMobiConnectを導入 (*1)
  • 安定したシステムとスピーディなレスポンスにより、授業が止まらずスムーズに展開
  • 管理者アカウントの複数作成による管理権限を分散など、活用の広がりに期待

世界を舞台に活躍するための力を、ICT教育・グローバル教育・アクティブラーニングなどの新しい学びにより実践。新時代にはばたく生徒の育成に取り組んでいる中高一貫校、聖徳学園中学・高等学校。iPadを「文房具」と位置づけ、日常的に活用している同校では、積極的にタブレットを活用した授業を展開している。2015年度入学の中1から一人1台のiPad導入を開始。校内ではもちろんのこと、学びの環境すべてにおいて現在、中1、中2の生徒たちに欠かせないiPad活用学習をバックアップしているのが、MDM(Mobile Device Management)「MobiConnect for Education(モビコネクト・フォー・エデュケーション)」である。

iPadをBYODで導入、心を育てるICT教育に生かす

東京都武蔵野市にある、男女共学の私立中高一貫校、聖徳学園中学・高等学校。1927年、聖徳太子の「和」の教えを建学の精神に創立。個性・創造性・国際性という3つの柱となる教育方針のもと、一人ひとりに合わせて世界で活躍できる人材を育てる教育を行っている。

授業でのICT活用法については、まず5~6年前に電子黒板を導入、ICTの魅力を実感し、次第にiPadへ移行したという。同校の情報システムセンター長 ICT支援員・教育ビッグデータエバンジェリストである横濱友一先生は、「一昨年、試験的に共用の貸出iPadを導入し、全教職員にも配布。生徒は昨年入学した現在中2の生徒たちから一人1台の活用を始め、現在2年目を迎えています。iPadは、中1、中2はBYOD(私物端末の利用)で保護者の方に購入していただき、保護者から生徒が借りている状態で活用しています」と、導入の流れを語る。

実際は、iPadの購入手続きについては学校側がまとめて準備し、モバイルデバイスを管理運用するためのシステムMDM「MobiConnect for Education」と、フィルタリングソフト「i-FILTER(アイ・フィルター)ブラウザーオプション」をインストールしてから配布し、生徒が安全に使えるように配慮している。

「本校では『生徒自らが自由を勝ち取ろう』という考え方のもと、学校でこれはダメ、あれはダメ、と決めたくありません。生徒自身がリテラシーを持って成長し、自分で判断できるならアプリのダウンロードは自由でいいのでは、と考えています」と横濱氏。

目的にマッチした細かい対応が可能なプロファイル設定などが決め手に

iPad を活用した教育ICTに不可欠であるMDMについては、主体的に調べて横濱氏自らが選定したという。「たとえば、MobiConnectの担当者にすべてお任せになってしまうと、その方の考え方が出てしまい、学校のカラーにはなりにくい。そうなると、学校としてもICTに対する責任、つまり学校がICTをうまく活用していこうという空気になりにくいと思いました。学校の中の者がきちんと理解をして、機能についてしっかり学校側へ説明し、教職員全員にその機能をわかってもらうのが重要だと考えています。ですので、担当者にすべてお任せするのではなく、ICTに詳しくない教職員にもわかりやすく説明できるよう、適切なアドバイスをしてもらうようにしていました」と、積極的にMDM選択に動いた経緯を語る。

「MobiConnect導入の決め手になったのは、希望に合った細かいプロファイル設定ができることです。また、仕組みがわかりやすいのもいいですね。アプリ配信の際に、学校側で立てたサーバにキャッシュできるのもMobiConnectの魅力です。教員も含めると400台近いデバイスに一気に配信します。以前利用していたMDMではできなかった、学校側キャッシュサーバからのアプリ配信が実現し、通信回線を圧迫せずに学内サーバでの配信が可能になりました」と横濱氏はMobiConnectの利便性を述べる。

「時間によってプロファイルを変え、翌週月曜日から元に戻すなど、あらかじめ予約ができること、さらにApp Storeの開閉設定が容易ということ、かつその設定が全台に行き渡っているかどうか、こちらが指示したものが100%iPadに到達し、切り替わっているか、管理要求画面で確認ができます。うまくいかなかった生徒にはあとで個別に送るなど、ピックアップして対応できるのも、MobiConnectのメリットですね」と横濱氏。

「MobiConnectなら、実行したジョブのステータスを確認できるので、1台1台が切り替わったか切り替わっていないかが、わかる仕組みになっているのがいいですね」と、以前は別のMDMを使用していたが、それまでの不満がすべて解消されたことを横濱氏は説明する。

また、次のように述べる。「まだ実施はしていませんが、MobiConnectは管理者アカウントを複数作成し、各管理者の権限を細かく設定することができるので、そういった活用方法により、管理権限を分散するなど変えていこうと思っています」と、この先の活用の可能性が広がることも検討しているという。

安定したシステムとスピーディな対応により、授業が止まらずスムーズに展開

教育現場は、運動会や中間考査など、1年間のカリキュラムが厳密に決められている。そのため、予定した授業が機材トラブルやシステムエラーで実施できなかった場合、その1時間はもちろん、翌週以降にも影響が出てしまう。

横濱氏は、「MobiConnectは、不具合が少なく安定して使えます。また、担当者からのレスポンスもすぐ返ってくるので、私たちにとっては非常にありがたいですね。授業をストップさせない安定性は大きな魅力です」と、教育現場へのスピーディな対応にも満足しているようすだ。

研修旅行や情報共有、拡張し続ける教育ICT

聖徳学園ではさらなる活用に向け、中2の関西研修旅行で全員がiPadを持参。モバイルWi-Fiをレンタルし、全20数班に分かれ、班ごとに京都市内での自由行動に活用した。校内SNSを外で用いることで、施設の休館や混み具合などの情報を共有でき、よりスムーズで実りある研修旅行になったという。

さらに、iPad導入後の生徒の学力について、興味深いデータが出ている。今まで使用していなかった学年の生徒と、導入した年度に中1だった生徒の英語の成績を比較した結果、後者では下位層の成績が向上。「下位層には、勉強の仕方がわからない生徒もいます。それを何とかするのもICTの力だと考えています」と、同校はタブレットによる学習効果が確実にあることを実感しているという。

「MobiConnectは、iPadを使う上でなくてはならないものです。それがベースとしてありますし、聖徳学園中学のiPadはイコールMobiConnectによって成り立っています。他のサービスは、その上に成り立っていますので、MobiConnectはiPadを使う上での必需品であると考えています」と、横濱氏は語る。

「学校情報先進校」を目指し、さらなる新しい取組みに積極的に挑戦

2014年から3年間、ICT先進教育の研究指定校である「学校情報化優良校」として認定、その次の「学校情報化先進校」を目指し研究を重ねている同校。少子化の時代、入学希望者が減る学校もあるなか、ICTやグローバル、アクティブラーニングの導入によって注目を集め、躍進している。「来年は新しいこと、やらないんですか?」という問合わせもあるなど、聖徳学園中学の先進的な取組みの今後に期待する声も少なくないという。

「私たちは、iPadを『文房具』と位置づけ、生徒は毎日学校へ持参します。充電し忘れて登校する、iPad自体を忘れる、パスワードがわからなくなる、OSのアップデートを朝実施してしまい1限目の授業に使えない、など毎日さまざまなトラブルやミスが起こります。本校では、中学生のうちからパスワード管理を身につけておくことも大切だと考え、パスワードを数回忘れると、iPadが初期化される設定にしています。ICTリテラシーは、体験しないと覚えません。生徒には、何かに頼りすぎてはいけないという話もしますし、『iPadに使われないようにしよう』と教育しています。間違えることも大切ですし、学校は間違えてもよい環境です。生徒には、今のうちにたくさん失敗を経験し、それを私たちがサポートし、心を育てていきたいですね」と横濱氏。

他の学校にICT教育を先駆ける聖徳学園は、今後も新しい学びを牽引し続けていくだろう。

*1)本機能の利用を希望される場合は、弊社までお問い合わせください

( 取材日:2016年6月 )