導入事例
mobiconnectを活用しているお客様の声をご紹介します。
利用目的や環境は多種多様、お客様のデバイス活用には新たな発見があります。

小学校のBYODを支えるMobiConnect 信頼できる実績とサポート体制が導入の決め手

椙山女学園大学附属小学校
- 業種
- 学校・教育委員会
- 導入規模
- 100台以上
- OS
- iOS / iPadOS
mobiconnectで実現したこと
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Point01
いち早く小学校でのiPad1人1台を実現
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Point02
安心・安全な環境で子どもたちが主体的に学ぶ
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Point03
細かい階層・グループ設定で年齢に合ったセキュリティー管理
- 小学校のタブレット一人1台環境、安心・安全に使える環境を最優先
- 教育現場の要望や困りごとにも丁寧に対応、フィードバックの早さも魅力
- 学年や発達段階に応じたセキュリティー対策を考慮
椙山女学園大学附属小学校は2016年度より、4年生と5年生の140名に対して私物端末によるiPad一人1台体制を実施した。同校ではICTの効果的な活用を通して、子供たちがより主体的に取り組めるアクティブ・ラーニングを実践し、将来に必要な論理的思考力の育成を目指す。子供たちの主体的な活動を支える環境にはMobiConnect for Educationを選択し、教師が見守りながら安心・安全に活用できる学習場面を築いている。
小学4年生と5年生で私物端末による一人1台体制を実施

椙山小学校でICTの取り組みが始まったのは2014年。椙山女学園大学教育学部との共同研究で、アクティブ・ラーニングにおけるICTの効果的な活用について授業実践に取り組んだことがきっかけだった。当時、椙山小学校はすでに無線LANが完備されており、各教室にも電子黒板やApple TV、教材提示装置が完備されていた。この共同研究では、こうした環境にWi-FiモデルのiPadを31台導入し、一人1台環境におけるICTの効果的な活用について研究を進めたという。
共同研究者としていち早くICTを活用した授業開発に取り組んだ福岡なをみ教諭は、「共同研究の時に子供たちの変容に手応えを感じたことが、タブレットの本格導入につながった」と語る。タブレットを使った授業では、普段手をあげない子供の意見を知ることができたり、子供が人前で堂々と発表できるようになっていったりと、今まで知らなかった子供たちの一面を見ることができたというのだ。このような取り組みを経て、椙山小学校ではより積極的にICT活用を進める方針に舵を切る。2016年度からは4年生と5年生の計140名を対象に私物端末によるiPadの一人1台体制を本格実施。現在、4年生と5年生以外にも、1年生〜3年生に対しては学校共有でiPadやiPad miniを整備している。
子供たちの作成したデータを大切にしたい
タブレットの一人1台体制については近年、私立中高一貫校を中心に増えつつあるが、小学校においてはまだ取り組みが少ない。ましてや学校貸与や学校共有という形でタブレットを整備する小学校が多いなか、椙山小学校のような私物端末によるタブレット導入に踏み切ったのは珍しい。
これについて福岡教諭は、「子供たちがタブレットに記録したデータを残せることにこだわりました」と話す。体育のマット運動で自分の動きを動画に撮って後から友達と見せ合ったり、調べた内容をスライドにまとめてプレゼンテーションで発表したりと、子供たちは普段から学習記録や作品をタブレットに保存している。しかし、学校貸与や学校共有のタブレットでは、せっかく作ったこれらのデータは削除しなければならない。椙山小学校では、同じ一人1台体制でも子供たちがデータを自分のものとして扱えるかどうかが重要だと判断し、私物端末を選択したのだ。

椙山小学校におけるICT活用は、実にさまざまだ。授業支援ツールや、計算や漢字、百人一首といったドリル系教材のアプリ活用、プレゼンテーションのスライドを作成して、発表練習を動画に撮影するなど、たくさんの学習場面でICTが活かされている。福岡教諭はタブレットを使った学習の効果について、「子供たちが主体的になることです」と話している。発表の苦手な子が人前で堂々と話すようになったり、プレゼンできちんと相手に伝えようと内容を理解したり、子供たちの方から積極的に学習に取り組む姿が見られるというのだ。

iPad導入校で運用実績のあるMobiConnect for Educationを選定
とはいえ、小学校におけるタブレットの一人1台は教員も保護者も不安が残る。教員たちもタブレットを使い慣れているわけではないため、どのようなトラブルが発生し得るのかも未知数だ。福岡教諭は「保護者や教員に対して“大丈夫ですよ、安全に使えますよ”といえる環境を作ることが重要だと思いました」と語っている。子供たちがタブレットを使う姿を大人が安心して見守れる環境が必要だというのだ。

椙山小学校のiPad導入や管理・保守を請け負う教育産業 株式会社 山口宗芳氏は「保護者や先生方の不安がもっとも多いインターネットに関するトラブルを防ぐことを最優先して、MDMには『MobiConnect for Education』を導入し、Webフィルタリングには『i-FILTERブラウザーオプション』を選びました」と語る。
MobiConnect for Educationついて山口氏は、iPad導入校の多くで既に運用実績があり、学校向けの独自機能が充実している点を選択理由に挙げた。ほかにも「もっとこうして欲しいという現場からの要望に対して、短時間で対応し製品への反映も早い」とフィードバックの良さも山口氏は評価している。

ほかにもMobiConnect for Educationは、細かなグループ設定が可能であることもメリットに挙げた。現在、椙山小学校では4〜5年生のクラスごとにグループを作って、全て同じセキュリティーを設定しているが、「いずれはタブレットの活用が増えるにつれて子供たちのリテラシーも向上するので、学年ごとやクラスごとに設定を変更できるようにしていきます」と山口氏は語る。
i-FIlTERブラウザーオプションに関しては、これまでの導入実績やWebフィルタリングが可能なカテゴリーの多さ、校種によって細かく設定できるところを山口氏はメリットにあげた。さらに今後は、すべてのブラウザーに関して同じセキュリティポリシーの制限が設定できるようになったことも決め手になったという。
今後の課題は、体系的な情報リテラシーの育成
タブレットの本格導入から1年が過ぎた椙山小学校。福岡教諭は全体の取り組みを振り返り、「教師が怖がらずに始めたら、子供たちが引っ張ってくれる場面が増えてきました」と語る。子供たちに“こういうのがしたいね”と話しながら一緒に取り組むことで、子供に任せることも多くなったというのだ。こうした活動ができるのも子供たちがトラブルに巻き込まれず、安心してタブレットを使える環境があってこそだといえる。
今後の課題については「高学年になると学習内容が増え、プレゼンテーションや動画撮影などタブレットを使う時間を捻出することが難しくなることです」と福岡教諭は語る。そのため、高学年ではすぐにタブレットを使った実践が行えるように、3〜4年生のうちからさまざまな学習場面で使えるように慣れておくことが重要だという。小学校に関しては、プログラミング教育も導入されるため、カリキュラムマネジメントが求められることから、日々の活用の中で少しずつ子供たちの情報リテラシーを向上させていくことが課題だ。

ICTを活用した授業では、子供たちみんなが主役になれる授業ができると話す福岡教諭。椙山小学校での豊かな学びが子供たちの自己実現につながるよう、今後も積極的にICTの取り組みを進めていく考えだ。
( 取材日:2017年2月 )