導入事例
mobiconnectを活用しているお客様の声をご紹介します。
利用目的や環境は多種多様、お客様のデバイス活用には新たな発見があります。
発達段階に合わせたアプリの採用で生徒が興味を持てる授業を展開! mobiconnectの導入で支援学校ならではの課題を解決する
兵庫県立芦屋特別支援学校
- 業種
- 学校・教育委員会
- 導入規模
- 100台以上
- OS
- iPadOS
mobiconnectで実現したこと
-
Point01
一括で端末の更新ができ、教職員からの要望に迅速な対応が可能となった
-
Point02
端末の管理がたやすく、教職員の物理的な負担が劇的に減った
-
Point03
発達段階に合わせたアプリ導入で、生徒が興味を持てる授業が展開できている
目次:
- 利用のしやすさからiPadの導入を決定
- 端末管理の難しさをmobiconnectの導入で解決
- 年齢や発達段階に応じて生徒が興味を持てる取り組みを実施
- デジタルとアナログそれぞれのよいところを活かしたい
兵庫県立芦屋特別支援学校は、平成22年に開校された知的障害のある児童・生徒を対象とした特別支援学校です。「あかるく、やさしく、たくましく」を校訓として、令和5年10月現在で小学部35名、中学部50名、高等部197名が在籍しています。早い時期からタブレット端末の導入が進んでいた中で、2021年7月より『mobiconnect』による運用を開始しました。
左から:情報部 小林 佑基 先生 / 情報部長 山本 秀俊 先生 / 情報部 原田 明夫 先生
利用のしやすさからiPadの導入を決定
芦屋特別支援学校では、開校3年目くらいからiPadを導入されています。
山本 先生
ー 障害のある高校生に対して国から就学奨励金が出ますので、それを利用して高等部の生徒にiPadを導入しました。そのときはまだインターネットにもつながっておらず、どのように使えばよいかわからない状況で進めていましたね。その後、GIGAスクール構想で県からiPadが貸与されるようになり、すべての生徒が使えるようになりました。
使用される端末をすべてiPadとしているのは、利用のしやすさが大きな理由だと話されます。
山本 先生
― iPadはアクセシビリティがよく、表示サイズの変更やダークモードへの対応といった、設定の豊富さも持ち合わせています。何かわからないことがあってもボタン一つ押せば最初の画面に戻るので、本校の生徒でもわかりやすく使いやすい。また、端末自体のセキュリティが高く安心感もある。授業で使いやすい教育系のアプリも多く提供されていますし、長く使っても端末が陳腐化しにくいというのも大きいですね。
芦屋特別支援学校ではApple製品が多く使われていることもあり、それらとの親和性の高さからiPadが一番望ましいと考えたそうです。
端末管理の難しさをmobiconnectの導入で解決
芦屋特別支援学校がmobiconnectを使用し始めたのは、支援学校ならではの課題を解決することにありました。
原田 先生
ー 兵庫県で使われているMDMは、生徒個人で登録から管理まで進める運用方法となっていますので、知的障害の特別支援学校では運用が難しい。とはいえ、児童や生徒の端末管理は必要不可欠となります。そこで、他のMDMを使うことを検討しました。
複数のMDMを検討した中でmobiconnectを最終的に選んだのは、学校での使い方を想定したときに求めている機能がしっかり備わっていたのが理由だと話されます。
山本 先生
― 「学校側で管理した内容を、個人の端末へ一括で登録・連携・調整ができるか」といった面で考えた際に、mobiconnectの提供する機能が当校にマッチしていました。他の学校や教育現場での導入事例があったのも、安心感につながっています。
mobiconnectの導入によって、教師の負担を大きく減らせたそうです。
山本 先生
― 一番重宝しているのは、端末へのアプリの配信が一括で可能なところですね。台数が多くなればなるほど、mobiconnect導入の恩恵を感じています。
原田 先生
― これまではすべての端末を集めてきて、有線でパソコンに接続してアップデートするという方法を取っていました。これを年に数回実施するとなると、どうしても物理的に大変な作業となります。MDMの導入以前は「パソコンを増やす」「ハブを増やして接続数を増やす」といった人海戦術の方向で話を進めていたのを思うと、本当に劇的に変わりましたね(笑)。
mobiconnectの導入は、端末への配信だけではなく管理面でも役立っているといいます。
山本 先生
― 一度、生徒の端末が紛失したケースがありました。その際にmobiconnectの「紛失モード」を利用して端末の位置情報を検索したところ、校内にはあることがわかった。紛失の際は、どこにあるのかわからない状態が一番困ります。GPSでの検索なのでピンポイントの位置まではわからないとしても、おおよそどこにあるか判明するだけでも大きな安心感を得られる。この部分は本当に大きいですね。
当初は生徒の端末管理のみの利用を想定していましたが、管理のしやすさから教職員用の端末管理も追加したそうです。
年齢や発達段階に応じて生徒が興味を持てる取り組みの実施
貸与されるiPadには、もともと多くのアプリがインストールされています。しかし、支援学校の授業でそのまま使えるものは少なく、年齢や発達段階に合わせたアプリを個別でインストールすることが多いといいます。
原田 先生
― もともと入っているアプリでも、使えるものはもちろんそのまま使います。それ以外のものについては、教職員から上がってきた声を受けて、情報部でアプリを導入するという形を取っています。
芦屋特別支援学校では、個人の認知習熟度や抱えている課題を考慮してグループに分け、それぞれのグループでアプリを変えて利用しています。学年や担当教師によっても、独自の方法で利用しているケースが多いそうです。
小林 先生
ー 私の受け持つグループでは『アイビスペイント』というソフトを使っています。ソフトを使って文字やイラストを生徒に描いてもらい、それをシールに加工して商品化する。それを「職業販売会」という校内イベントで、実際に販売しています。自分の作ったものが商品となり実際に販売できたことで、生徒たちの達成感につながっていますね。保護者に向けては、子どもたちが学校で学んでいる職業を形として伝えられるのもよい点です。
山本 先生
― 前任校が視覚障害の支援学校で、触覚を使う授業がありました。その中で、3Dモデルが市販されていないものを3Dプリンターで作成していたのをヒントに、芦屋特別支援学校でも生かせないかと考えたのが、イラストの3D化です。自分の描いたイラストをエアドロップでパソコンに落とせば、立体モデルとして簡単にアウトプットできる。自分の描いたものが立体として形になれば、授業も興味を持って取り組んでもらえますし、本人の自信にもつながっています。
原田 先生
― 私のところでは『FlipaClip』という、パラパラ漫画のように何枚か絵を描いて動かせる、アニメーションが作れるアプリを利用しています。自分の書いたものが実際に動くのを見ると生徒も喜びますし、学びや興味につながって熱心に取り組むようになりますね。実際に、100枚くらい絵を描いてアニメにする生徒もいるくらいです。
これらはすべて「自立活動」といわれる、特別支援学校で中心となっている授業内での取り組みとのことです。
原田 先生
― 生徒によって、抱えている課題はそれぞれ異なります。同じような課題のある生徒をグルーピングして、それぞれのグループによって必要なアプリを選び、授業を通して生徒の持っている課題を育み伸ばす。iPadは、コミュニケーションツールとしても非常に優秀だと感じています。
デジタルとアナログそれぞれのよいところを活かしたい
いくらiPadが優秀だとはいえ、すべてをデジタルツールに移行させるのが最善ではないと皆さんが口をそろえます。
山本 先生
― たしかに、iPadを使うことで便利にはなりました。しかし、iPadを使うのが最終的な目的ではありません。iPadの利用を目的化せず、生徒たちの目標達成に導くツールとして使うように、我々教員も意識して取り組んでいます。
原田 先生
― 発語に課題のある生徒が給食でおかわりが欲しい場合、iPadで「おかわりをください」と発声させるよりも、カードやサインを出すといったアナログなやり方のほうが、利便性が高いことも考えられます。デジタルとアナログのそれぞれのよいところを使って、ケースバイケースで使い分けるのが必要となってくるでしょうね。
現在、芦屋特別支援学校はmobiconnectをうまく活用できていると話されます。
山本 先生
― mobiconnectはブラウザ上で動かせるので、管理アカウントを入力すればどこからでもアクセス可能なのが利便性につながっています。わからないところがあればmobiconnectのサポートから丁寧にフォローしてもらえるので、その点も非常に助かっていますね。
原田 先生
― 現在のサービスから大きく内容を広げると、どこかがなおざりになってきたりすることも考えられます。現在非常にいい形で進められているので、この状態が維持継続されることを願います。
芦屋特別支援学校では、引き続きiPadを活用した授業をよりよい形で実現できるよう、試行錯誤していくとのことです。
( 取材日:2023年12月)