導入事例
mobiconnectを活用しているお客様の声をご紹介します。
利用目的や環境は多種多様、お客様のデバイス活用には新たな発見があります。
モバイルデバイスは医療現場の業務効率化につながる。台数増加に伴い、端末管理を「mobiconnect」に任せることに
武蔵野赤十字病院
- 業種
- 医療
- 導入規模
- 50台以上
- OS
- iOS / iPadOS
mobiconnectで実現したこと
-
Point01
負担を増やすことなくタブレットやスマートフォンの管理体制を構築できた
-
Point02
端末の台数増加が確実視される中でも安心して運用を任せられている
-
Point03
多忙とはいえ自らデバイスを管理しなければならない……そんな状況も難なくクリア!
目次:
- 3次救急に指定され「がんゲノム医療外来」や「ダヴィンチXi」も備える地域の中核病院
- 新棟完成も控え、端末の増加は確実。人手による管理では追いつかなくなると認識
- 1つの疑問を、先を見据えた3つや4つのアイデアで解消しようとする会社
- MDMが無ければ端末の確認とアプリのインストールに追われていた
- 自ら手を動かす中、先が見えず悩んでいたら「mobiconnect」を
人口100万人超の東京都北多摩南部エリアにおいて中核医療機関の役割を担う「武蔵野赤十字病院」(正式名:日本赤十字社東京都支部武蔵野赤十字病院)。2025年には新病棟の完成も予定される中、医師や看護師の業務効率化のためにiPadやiPhoneを活用しています。今後も台数増加が見込まれることから、セキュリティ強化や端末管理を目的に「mobiconnect(モビコネクト)」を導入。採用に至った経緯や現在のモバイルデバイスの利用方法について、情報処理安全確保支援士で医療情報技師の尾喜拓也様(事務部医療情報管理課)に伺いました。
3次救急に指定され「がんゲノム医療外来」や「ダヴィンチXi」も備える地域の中核病院
1949年に設立され、直近の2022年度には外来患者28万4305 人、入院患者19万6110 人などの実績を出している「武蔵野赤十字病院」。急変しがちな初期の病気やけがに対してハイレベルな治療を施す高度急性期医療に特化し、4つの愛(「病む人への愛」「同僚と職場への愛」「地域住民と地域への愛」「地球、自然、命への愛」)で地域に貢献しています。初めに院の概要や特長をお話しいただきました。
尾喜 氏
―当院の基本方針は「患者・家族から信頼される安全な医療を提供します」「地域中核病院としての機能向上を図ります」「地域の医療機関・行政と連携して、市民が安心して住める地域づくりを進めます」「質の高い医療を提供するため、安定した病院経営を継続します」「働きがいがあり、成長を実感できる職場をつくります」の5つです。
地域周産期母子医療センター、地域医療支援病院、脳卒中センター、東京都肝疾患診療連携拠点病院、災害拠点病院などの機能を持つ高度急性期病院であり、複数診療科での受診が必要な重篤の方を24時間・365日体制で受け入れる3次救急医療施設病院に指定されています。いわゆる“最後の砦”を意識しながら日々の業務に臨んでいます。
また、地域がん診療連携拠点病院として専門的な治療を提供するとともに、近隣の医療機関と協力して患者さまやご家族さまを支援しています。がんに関し、予防や早期発見を目指す「遺伝外来」や治療薬の選定を支援する「がんゲノム医療外来」を備え、先進の「ダヴィンチXi」による保険適用のロボット手術を受けられるのも特長でしょう。
さらに赤十字社の理念に基づき、災害などの発生時に素早く対応するのも当院ならではですね。医師や看護師から成る13の班を常時編成し、能登半島地震でも災害医療コーディネートチームや「こころのケアチーム」を含む第1班から第3班を派遣しました。
やや内輪の話になりますが、当院は研修医からの人気が高く、応募者に対する実際の受け入れは約20%と全国で1、2位を争います。先端の医療技術に触れられる他、1次から3次までの救急を2カ月ずつ、他の研修施設に比べて長期にわたり経験できる点も魅力なのでしょう。
新棟完成も控え、端末の増加は確実。人手による管理では追いつかなくなると認識
端末の台数が少ないうちはスタッフの自己管理で間に合っていましたが、時代の流れを受けて追加が確実視されることに。さらに新病棟の完成に向けて大量のスマートフォン導入が予定される中、MDMの導入を積極的に考えるようになります。
尾喜 氏
―当院では以前から主に病棟看護師の研修のために22台のiPadを活用していました。また、リハビリテーション科では19台のiPhoneを導入済みでした。さらにコストパフォーマンスの比較などを目的に25台のAndroidタブレットも保有しています。
とはいえ2022年度時点で医師や看護師、医療技術職など1550人以上の職員が在籍し、およそ600床の新病棟も建設中です。完成時には新たに190台のスマートフォンを調達予定で、今後もモバイルデバイスの増加が見込まれています。
しかし、台数が増えれば人間の手では管理が行き届くなり、紛失や盗難のリスクも高まりますよね。そこでセキュリティの強化が不可欠になり、各社のMDM(モバイルデバイス管理)サービスを調べるよう上司からミッションが与えられました。
当時、他部署から異動してきたばかりの私はMDMが何かも知りませんでした。一方で上司は特長や仕組みを理解し「導入しなければ問題が起こるかもしれない…」と考えていたようです。私も自ら調べる中で、小学校や中学校のICT教育において授業に使用するタブレットもMDMで管理されていることが分かりました。「これは必須のツールだろう」と、採用を積極的に考えるようになりました。
振り返ると「mobiconnect」の導入前はデバイスの管理さえままなりませんでした。各端末からは一切の個人情報にアクセスできないものの「iPadが病棟のどこにあるのか探すのに大変」「端末管理の責任者が誰なのか分からない」といった状態でしたね。エクセルによるチェックリストも存在しませんでした。
なお、現在は各タブレットを主に看護師の研修のために活用しています。病室や手術室における対応などの教育動画を閲覧する他、学会をはじめ外部組織とのウェブ会議にも利用しています。
またiPhoneには「AmiVoice(アミボイス)」という、音声を自動でテキスト化するアプリケーションをインストールしています。リハビリテーション科では患者さまに行った訓練や回復状況の忘備録として役立てており、テキストは画像と共に電子カルテにアップロードできます。
医学の専門用語を認識するAIも搭載し、人によってはパソコンのキーボードを打つよりも速く電子カルテの入力を済ませられるようになったようですね。作業療法士の人数に対してメディカルパソコンの台数も限られているため、かなり重宝しています。リハビリステーションに足を運べない患者さまを病棟で訓練する際の対応も楽になったと聞きます。
1つの疑問を、先を見据えた3つや4つのアイデアで解消しようとする会社
いくつかの会社を比較・検討する中で「インヴェンティット」を選んだのは、課題に対して複数のアイデアで解決しようとする姿勢。営業担当とのコミュニケーションを深める中、文教市場でシェアナンバーワンの理由も感じられたようです。
尾喜 氏
―MDM導入にあたり、当然ながら複数のサービス提供会社を比較・検討しました。中には専門用語を並べた資料を渡され、理解のためにこちらの負担が増えてしまった企業もあります。また、私もネットワーク関連の知識を持っているため通信環境について議論したところ「必要に思うなら自分たちで構築してください」と、ドライな対応を受けたこともありました。
一方で「インヴェンティット」は、まず営業担当のコミュニケーション能力が素晴らしいです。質問に対する的確な回答を得られるだけでなく、1つの疑問を3つや4つのアイデアで解消しようとしてくれます。
先日もAppleの証明書更新に伴う作業手順について尋ねたところ、私たち目線に立った説明のみならず「来年も同様の手続きが生じるので、時期が来たらまた連絡します」というひと言がありました。先々を見据えたアドバイスや提案は安心感があります。
もちろん当院としては初のMDM導入なので「多忙な医療スタッフの負担をさらに増やさないだろうか」「端末管理を担う自分たちも仕事に余裕が無い。せっかく取り入れても使いこなせないのでは」といった不安がありました。それでも「インヴェンティット」からはオンラインでのサポートも受けられるなど、手厚いフォロー体制に引かれて契約に至りました。
加えてMDMに対しては、万が一の紛失や盗難に備えてタブレットやスマートフォンを遠隔操作でロックできることも求めました。言うまでもありませんが「mobiconnect」は難なくクリアしています。また、当然ながら費用も決め手になり、適正価格の提示に大変満足しています。この点でも企業努力を感じますね。
こうして「mobiconnect」の導入を決めてからは、トライアル環境の構築を機に営業担当とのやり取りが密になっていきました。時には私も上司も都合がつかず、夕方以降の打ち合わせを依頼することもありますが、いつも快く対応してくれるので頭が下がります。
現在は基本的な運用にも慣れ、オンラインの技術サポートも2カ月に1回のペースで間に合っていますね。より重要な話は営業担当と対面で行い、直近ではAndroidタブレットの追加に伴い新たなポリシー(モバイルデバイスを一元管理するためのルールや規則)を設けるため、具体的な方法を教えてもらいました。
急に予算が下りて端末の数が増える時なども、レスポンスの速い対応に感謝しています。やはり、学校や教育委員会などの文教市場でシェアナンバーワンを誇るだけの企業ですね。
MDMが無ければ端末の確認とアプリのインストールに追われていた
「インヴェンティット」からはMDMの導入以外でもサポートを受け、現在も順調に「mobiconnect」を運用中とのこと。逆にツールによるデバイス管理の方法を知らなければ、自分たちで端末管理のリストを作って更新し、必要なアプリケーションをデバイスごとに手動設定していたかもしれないと言います。
尾喜 氏
―私が現部署に配属されたのは2022年11月です。MDMサービスを探すミッションを与えられ、実際に「mobiconnect」を導入したのは2023年3月でしょうか。
そのうちもっとも苦労したのはiPhoneの設定です。実はすでに購入していた端末にはApple独自のセキュリティが組まれていて「mobiconnect」で管理することが不可能な状態でした。変更するには難解な複数のステップを踏まねばならず、マニュアルを見ても解読できずに右往左往してしまいました。
ここでも頼れたのは「インヴェンティット」ですね。本来のMDM導入からはかけ離れた業務だと思いますが、気持ちよく引き受けてくれたので助かりました。時々ふと思うのですが、もし「mobiconnect」と出合わなければ、今頃はエクセルで全端末のリストを作り、毎日のように手動で管理状況を更新していたのでしょうね。
実際に端末の管理が看護師の手に負えなくなったために私たちが関連業務を引き受けていますが、当部署も各自が10前後のタスクを同時進行させている状況です。MDMが無かったら業務がパンクしていたことが明らかですよね。また、現場のスタッフから新たなアプリのインストールをリクエストされた際には「mobiconnect」で一斉配信していますが、こちらも手動で全てのタブレットやスマートフォンを操作していたかと思うと想像を絶します。
最近ではリハビリテーション科から、脳卒中の患者さまとのコミュニケーションを補助するアプリを要望されました。思うように話せない方々に端末上で表示される言葉や絵をタップしてもらい、意思疎通を図るものです。従来はたくさんのカードを持ち歩く必要がありましたが、こうした負担も軽減されています。
自ら手を動かす中、先が見えず悩んでいたら「mobiconnect」を
医療業界で医師や看護師の人手不足が課題に挙がる中、デバイスの拡充は現スタッフの業務効率化につながるだろう、と尾喜様。「mobiconnect」は端末管理に充てられるリソースが限られ、自ら考えて手を動かさなければいけない病院や企業におすすめとのことです。
尾喜 氏
―「mobiconnect」の力を借りてデバイスを充実させれば、医療スタッフの不足が危惧される中でも業務効率化を進められるでしょう。例えば今後は、検査前の準備や入院時の持ち物に関する患者さまへの説明も「看護師+紙」から「タブレットの動画」に切り替えても良さそうです。
一方で医師は、スマートフォンが普及すると病棟からの呼び出しが増える可能性があり、これ以上の負荷をかけないためにも何らかのルールを設ける必要があるかもしれません。なお本筋からは少しそれますが、人手不足の解消に向けて一部業務の機械化も検討中です。最近のファミリーレストランのように、当院でも病室まで食事や薬を運ぶロボットが誕生するかもしれませんね。
加えて昨今では、サイバー攻撃などを防ぐ目的で「医療情報システム安全管理に関するガイドライン」が設けられています。モバイルデバイスには台帳管理が推奨されていますがMDMなら容易に対応できますよね。仮に見知らぬタブレットやスマートフォンが紛れ込んでいても見分けられるなど、これから「mobiconnect」が果たす役割はより大きくなることでしょう。
最後に「mobiconnect」を利用して感じたのは、当院のように予算が限られ、担当者が自ら手を動かしデバイス管理を行う組織にぴったりだということです。おそらく他の病院も同じような状況であり、中小企業にも当てはまるかもしれません。「自分たちで進めなければならない。でも方法が分からず先が見えない…」という皆さんは「インヴェンティット」に頼ってはいかがでしょうか。
( 取材日:2024年3月)
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