導入事例
mobiconnectを活用しているお客様の声をご紹介します。
利用目的や環境は多種多様、お客様のデバイス活用には新たな発見があります。
ユネスコスクールとして持続可能な社会の創り手を育成。課題解決や新しい学習方法の開拓をiPadがサポート
湘南学園中学校高等学校
- 業種
- 学校・教育委員会
- 導入規模
- 100台以上
- OS
- iPadOS
mobiconnectで実現したこと
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Point01
中学校の全生徒が使う約600台のiPadをまとめて管理できた
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Point02
端末の運用や操作で悩んだらZoomの無料「相談室」で解決
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Point03
専門知識が無かった教員でもICT主任として活躍中!
目次:
- ユネスコの理念や目的に基づき持続可能な社会の創り手を育てる
- 高校のBYODを進化させ中学校の全生徒にiPadを導入
- 生徒自ら学習方法をアップデート。紙もデジタルも自由に選択
- MDMでiPadをまとめて管理。サポートの手厚さから「mobiconnect」を採用
- 知識が無くても端末を運用可能。今後は学習の個別最適化に期待
神奈川県藤沢市にある男女共学の中高一貫校「湘南学園中学校高等学校」。2013年からはユネスコスクールに認定され、近年は持続可能な社会の創り手を輩出するための教育活動に注力しています。そして学校生活をより豊かにしようと、高等学校への進学準備も兼ねて中学校の生徒約600人に1人1台のiPadを導入。さらに端末管理のために「mobiconnect(モビコネクト)」を採用しました。選んだ理由や校内でのタブレット活用法についてICT主任の石井達也先生に伺います。
ユネスコの理念や目的に基づき持続可能な社会の創り手を育てる
「個性豊かにして、身体健全、気品高く、社会の進歩に貢献できる明朗有為な実力のある人間を育てる」という建学の精神の下、2023年に創立90周年を迎えた「湘南学園」。まずは成り立ちや概要と、中学校および高等学校の取り組みについてお話しいただきました。
石井 先生
ー本校のルーツは1933年創立の湘南学園幼稚園および小学校で、当初は個人宅を借り、別荘地である鵠沼界隈に住む親たちが創って子どもたちが通っていたと聞きます。保護者の方々が積極的に学校運営に関わるというスタイルは今も続いていますね。
やがて1947年に中学校、1950年に高等学校が開校し、1979年からは6年間の一貫教育が始まりました。さらに2013年からはユネスコスクールに加盟し、昨今は持続可能な社会の創り手を担う人材を育てるべく取り組んでいます。
この「持続可能な社会の創り手」の育成に向けた全ての教育活動を、本校では「湘南学園ESD(Education for Sustainable Development)」と呼んでいます。
例えば私が担任を務める中学2年生は、総合学習で身近な地域社会について調べることがテーマです。実際に神奈川県内で唯一の過疎地域である真鶴町を訪ね、それでも移住してきた若者に土地の魅力を尋ねたりしました。また「諸外国と比較した日本の持続可能性」など、グローバルに学ぶ機会もあります。
学校行事では体育祭、学園祭、合唱コンクールの3つが非常に盛り上がりますね。企画の立案から当日の進行まで、全ての運営を生徒に任せ「課題にぶつかって自ら解決することの大切さ」を知ってもらいます。つい先日、合唱コンクールが無事に終了したのですが、練習では大きな声を出せなかった生徒も懸命に頑張っていました。その姿に教員みんなで感動しましたね。
高校のBYODを進化させ中学校の全生徒にiPadを導入
「効果的な文房具としての利活用」を推進する高等学校でのBYOD(Bring Your Own Device)に向けた準備段階として、中学校では2022年度から全生徒にiPadを導入。「中高の6年間を通して使い続けられるスペック」などが採用理由です。そして導入後に見えてきた課題も生徒主体で解決するのが湘南学園流です。
石井 先生
―高等学校では2019年度からBYODがスタートし、家庭などで使っているノートPCやタブレットを教室でも活用できるようになりました。続いて中学校でもBYODに向けた準備として、2022年度から生徒に1人1台のiPadを導入することになりました。
数あるタブレットの中でiPadを選んだのは「一貫教育の6年間を通して使い続けられるスペック」「同じ価格帯の機種の中でコストパフォーマンスに優れている」という点からです。また、iPadを使ったことがある小学生が多いことも分かり、操作や表示形式に親和性があると判断したのも理由です。
やがて、中学校から高等学校に上がればBYODの環境になります。「メモを取りながら授業を受けたいからiPadとタッチペンを使おうで」「同時に複数画面を開いて作業することが多いからノートPCの方が便利かも」と授業中にどのように端末を活用するのか自ら判断して、原則的に1人1台の端末を選んで持参することになります。
なお、中学校でiPadを導入するにあたり、教員内でも「授業に集中できるだろうか」「学習よりも遊びがメインになってしまうのでは」と危惧する声が上がりました。それでも最終的には「メリットのほうが大きい」との結論に至りました。
とはいえ導入後には現実的な課題にぶつかります。「授業中の使用は教員の指示に従う」と約束しながらも、好奇心から無関係な動画を視聴したりする生徒がいましたね。そのたびに対話を重ね、場合によってはルールそのものを変えることもあります。
ここで大切なのは生徒主導でルールを決めることです。ユネスコスクールとして、やはり見つけた課題を自ら解決してほしいのです。実際に生徒側から「授業の雰囲気を壊さないよう、少なくとも教員は各自の端末をモニタリングできるよう対策してほしい」という要望がありましたね。
生徒自ら学習方法をアップデート。紙もデジタルも自由に選択
アプリを用いることで、授業では生徒参加型のクイズやゲーム形式が増えたとのこと。また、子どもたちは勉強にも学校行事の運営にもiPadを活用し、自らインターネットで使い方を調べてアップデートしています。教員の業務も紙からデジタルに切り替わることで効率化しました。
石井 先生
ー私は授業で、よく「Kahoot!(カフート!)」というクイズアプリを使います。英文法の問題を四択や並び替えにして出題でき、生徒も楽しみながら理解度を深められます。また、フラッシュカードや単語カードを作成できる「Quizlet(クイズレット)」も重宝しています。いずれにせよ、可能な限りゲーム形式を取り入れて生徒の興味や関心を引くよう努めています。
あとは本校の魅力について英語で表現するショートムービーを制作したこともあります。iPadで撮影して編集し、互いの作品を鑑賞して感想を伝え合うことで、コミュニケーション能力の向上を図りました。
教員の工夫もさることながら、生徒自らiPadで学習の幅を広げていることも驚きです。例えば従来は英単語や文法をひたすら紙に書いて覚えることが主流でしたが、今は配布されたプリントを撮影して画像ファイル上でキーワードを塗りつぶし、穴埋め問題を自作する子もいます。デジタルでも紙ベースでも、学習方法を思い思いに選べるのが大きな変化ですね。
さらに生徒は、授業以外でも「アンケートを表計算でまとめる」「追加の持ち物を連絡する」「合唱コンクールの音源を流して練習する」などとiPadを活用しています。主に使っているのは「Google Workspace for Education」で「Googleスプレッドシート」や「Google Classroom」は手足のように使いこなせますね。
一方、教員の業務でもデジタルデバイスは効率化をもたらしました。例えば、生徒に用件を伝えるのに以前は校内放送を流したり、その子の担任にメモを渡したりしていましたが、今はメールを送るだけで済みます。小論文や英検対策の講座で参加者を募る際も、中高の生徒計1170人に紙で出欠を尋ねたら果てしない集計作業に追われますが、今は自動集計できるので非常に助かります。
MDMでiPadをまとめて管理。サポートの手厚さから「mobiconnect」を採用
iPadを授業でも学校行事でも活用できるようサポートしているのがMDM(モバイルデバイス管理)サービスの「mobiconnect(モビコネクト)」です。OSの更新、アプリのダウンロード、インターネットの閲覧制限をはじめ全ての端末をコントロールでき、フォローの手厚さも魅力で選ばれています。
石井 先生
―iPad導入にあたり、販売会社からMDMについて説明がありました。MDMとは生徒の各端末をまとめてコントロールできるサービスのことで、ここで紹介されたのが「mobiconnect」です。
さっそくデモアカウントを使ってテストすると、操作性が高く、画面表示も非常に分かりやすかったですね。他社製品とも比較しましたが、特にジョブの実行を事前予約できることが魅力です。例えばアプリのアップデートを深夜0時に設定すれば、日中の校内で各端末が一斉に更新されることもありません。もし予約できなければ帯域を大きく使用してしまうことになり、他の生徒にも影響が出ることが懸念されます。
また「端末がフリーズした」「パスワードを忘れた」といった日常的なトラブルも「mobiconnect」が解決してくれます。中にはiPadを紛失してしまう子もいますが、GPSで調べれば位置を特定できます。
さらにZoomで無料相談を受けられるなど、サポートが充実している点も決め手になりました。他社よりも手厚く、分からないことがあれば何でも尋ねてすぐに解決しています。相談後、会話した内容をまとめてメールで送ってくれるのも助かりますね。
私はICT主任ですが、そもそも文系出身でデジタルに疎く、最近までMDMさえ知りませんでした。それでも「インヴェンティット」のスタッフが私に合ったペースで教えてくれるので順調にノウハウが蓄積されています。また、mobiconnectの管理画面からはAIチャットボットの「モビちゃん」に24時間いつでも質問できますね。
こうした利便性やサポート体制を鑑み「mobiconnect」は本学園の小学校でも導入予定です。
知識が無くても端末を運用可能。今後は学習の個別最適化に期待
石井先生が望むのは端末のサポートを受けながらの学習の個別最適化。同じ教室にいながらも、生徒それぞれが理解度や興味のあるテーマに合わせて“適切”な授業を受けられる日が来ると期待しています。
石井 先生
―ICT教育が進む中でデジタル化によるデメリットが浮き彫りになることもありますが、課題を一つ一つクリアし、大きなメリットを見据えて前進することが大切ですよね。かつて本校でもiPadがゲームや動画の“温床”になるのではないかと危惧していましたが、実際には生徒の学習や教員の業務効率化に貢献し、今後のさまざまな可能性も見せてくれています。
また、現在は各クラス約40人の一斉授業が行われていますが、iPadをより活用すれば学習の個別最適化が進むでしょう。各自のペースで学び、追求したい分野を自分で決め、端末のサポートを受けながら個々の挑戦と向き合う日々を期待しています。もちろん、みんなで一つのテーマを考えるのも大切なので、使い分けがうまく浸透していくと思われます。
併せて、生徒それぞれのiPad活用法が見つかるよう支援を続けたいですね。新しい使い方を自分で探せる子もいれば、教員のアドバイスの枠から抜け出せない子もいます。こうした能力を育むのも私たちの重要な使命だと認識しています。
繰り返しになりますが、私はITの専門家ではないものの「mobiconnect」を使って約600台のiPadを管理しています。デジタルが苦手な教員も「インヴェンティット」の助けがあれば安心してICT教育に打ち込めるでしょう。また、私自身も従来の指導方法を変えなければと感じています。デジタルを取り入れて効率化を図れば、新しい取り組みを始めるきっかけも生まれますよね。
改めてユネスコスクールである本校は、子どもたちが学校生活を通じて課題を見つけ、自ら解決策を見いだす機会に恵まれています。これからもiPadを活用し、生徒も私も自身の選択肢を増やしながら、持続可能な社会に貢献できるようチャレンジしていきます。
( 取材日:2024年2月)