2021.07.19

情報セキュリティ概要・トレンド

IPOにPマークは必要?Pマーク取得のメリットって?

Pマーク(プライバシーマーク)という言葉も浸透してきたかと思いますが、いざ企業がPマークを取得するにあたって気になる点も数多くあると思います。特に、IPO(上場)するには、Pマークを取得しなければならないの?といった疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。今回は、IPO(上場)のためPマーク取得を考えている方に向けて、そのメリットやデメリットについてご紹介していきたいと思います。

Pマーク(プライバシーマーク)とは

プライバシーマーク制度は、財団法人日本情報処理開発協会(現、一般財団法人日本情報経済社会推進協会)では通商産業省(現、経済産業省)の指導を受け、1998年4月より運用を開始した制度です。

プライバシーマーク制度では、企業や事業者が個人情報を適切に取り扱う体制などを整備していることを評価し、その証として事業者へプライバシーマークの使用を認めています。なお、日本産業規格「JIS Q 15001個人情報保護マネジメントシステム-要求事項」に適合し、体制を整えていることがプライバシーマーク取得におけるポイントです。

Pマーク(プライバシーマーク)の目的

プライバシーマークの目的としては、以下の二点が挙げられます。

・プライバシーマークという形で消費者に具体的に明示することによって、個人情報保護に関する消費者の意識の向上を図ること

・適切な個人情報の取り扱いを推進し、消費者の個人情報の保護意識の高まりにこたえ、社会的な信用を得るためのインセンティブを事業者に与えること

プライバシーマークは個人情報保護の推進という役割を担っています。個人情報保護に関する法律としては、2003年5月に「個人情報の保護に関する法律」が制定・公布され、2005年より全面施行となりました。事業者として法律を遵守することは当然ではありますが、プライバシーマーク制度では、より高いレベルの個人情報保護の体制を組織内で確立し、かつ適切に運用していることをアピールできる有効なツールとしても役立ちます。

IPO(上場)にPマークは必要?

早速ですが、IPOに向けて企業のPマーク取得は必要なのか?という点について見ていきましょう。

IPOの企業メリットはさまざまですが、実際に上場するためには社内のあらゆる整備が求められます。その上で、Pマークの取得は上場にどういった影響を与えるのでしょうか。

企業はPマークを取得することで、個人情報保護が適切になされていることを外部に発信できます。そしてPマークを取得できるほどの体制を講じているという事実が、投資家や取引先への信用の担保の一つとなりうる点が大きなメリットだと言えるでしょう。

また、個人情報の取り扱いは取引先にとっても重要なポイントですので、互いに監査やチェック体制を講じる必要な場合もあるでしょう。このように実務の面でも、個人情報保護を徹底した体制を講じておくことが求められることは大いにあり得ます。そういった意味でもPマークを取得しておくことは、企業にとって価値のあるものだと言えます。

なお、Pマークは取得さえすれば上場できるというものではありません。しかし、上場企業の中にはPマークの取得率は20%程度あるというのも事実です。IPOを目指すのであれば、取得しておくことに大きな損はないと考えてよいでしょう。

Pマーク取得のメリット

IPOとPマークの関連性について述べていきましたが、IPO(上場)の有無に関わらずPマークを取得しておくことは企業にとってのメリットにも繋がります。具体的にどういったメリットがあるのか、詳しく解説します。

個人情報保護の徹底

先ほども申しましたが、Pマーク取得には「JIS Q 15001個人情報保護マネジメントシステム-要求事項」に基づき、個人情報保護の体制を社内で構築する必要があります。ルールやマニュアルの作成はもちろんのこと、監査を行うといった精度の高い体制を講じなければ、Pマーク取得には至ることができません。こうした厳しい体制を設けることで、企業の個人情報保護はより徹底され、その結果企業のリスク軽減にも繋がります。つまりPマーク取得を通じた個人上保護体制の遂行そのものが、企業にとってのメリットであると言えるでしょう。

顧客・取引先の信用に繋がる

Pマークを取得することで、その事業所は個人情報保護が徹底されていると外部へ発信できます。Pマークの取得は一朝一夕にできるものではなく、社内でもしっかりとした体制づくりが求められるものですので、Pマークを取得をしているという事実が顧客や取引先にとっての信用にも繋がります。また、前述しましたがIPO(上場)においては、投資家に対する信用のアピールも重要になりますので、Pマーク取得をしておくことは企業としては抑えておきたいポイントにもなるでしょう。

Pマーク取得のデメリット

続いて、Pマーク取得におけるデメリットを見ていきましょう。なお、以下でご説明するのは、あくまでPマーク取得という点についてのみ述べています。Pマークの取得に関わらず、個人情報保護の体制は取ることは企業の社会的責任として必要なことですので、その点はしっかりと認識しておきましょう。

2年ごとの更新が必要

Pマークは、一度取得すれば完了というものではありません。二年ごとの更新が必要となりますし、その更新にも審査があり、必ず実績が必要とされます。更新にも費用は発生しますので、一度取得すれば済むものではない点は、注意が必要な点だと言えるでしょう。

内部監査など、運用工数が大きい

Pマーク取得における審査では、その企業や事業者が個人情報保護のためのルール、マニュアルを策定することはもちろんですが、定めたルールをきちんと運用しているという実績が求められます。内部監査といった工程も必要になり、運用にかかる工数は決して少なくありません。もちろん、それだけの精度を持って個人情報保護の徹底を行うべきではあるのですが、運用工数が大きくかかるものであるという認識は持っておかなければなりません。

まとめ

今回は、IPO(上場)におけるPマーク取得について、そしてPマーク取得のメリット、デメリットについて解説していきました。個人情報保護の対策はどの企業にも求められるものですが、IPOに向けてしっかりと体制を構築しておきたいとお考えの方も多いかもしれません。Pマークを取得することは、企業の信用にも繋がりますので、必要な場合は検討されてみてもよいでしょう。

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