2023.03.23(2023.08.09更新)

セキュリティ対策

クラウドセキュリティとは?クラウド環境のリスクと必要な対策

クラウドを利用したサービスが広く普及し、新たに導入を検討している企業も少なくありません。しかし、サイバー攻撃や不正アクセスといったニュースを耳にし、リスク対策に不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、クラウドサービスを利用する上で必須とも言えるクラウドセキュリティについて解説します。具体的な対策方法もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

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クラウドセキュリティとは

クラウドセキュリティとは、クラウド環境特有のリスクから、クラウドで実行されるアプリケーションやクラウドに保存されているデータを保護することを指します。クラウドサービスは、システムの構築や管理にかかっていた時間や手間を削減できるなど、効率化やコスト面においてメリットが多く、導入する企業が増えています。

一方で、アクセス設定の不備による情報漏えいなど、新たなセキュリティリスクも存在しており、クラウドセキュリティは企業のサイバーセキュリティにおいて非常に重要な部分といえるでしょう。

クラウド環境におけるリスク

クラウド環境特有のリスクとして、情報漏えい、サイバー攻撃、クラウド上のデータ消失といったリスクが考えられます。ここでは、それぞれのリスクについて、具体的に解説します。

情報漏えい

クラウドサービスを利用する上で、情報漏えいには常に警戒する必要があります。クラウドサービスはサービス提供事業者のサーバーにデータを保管し、利用する際はインターネットを介するため、不正アクセスも起こりやすくなってしまいます。情報漏えいは個人情報流出による実害だけでなく、顧客からの信頼を失う事態にもなりかねません。アクセス権限やパスワード設定の管理といった対策が必要です。

サイバー攻撃の被害

クラウドサービスは、第三者からのサイバー攻撃を受けやすいというリスクもあります。サイバー攻撃には複数の種類があり、被害の形もさまざまです。例えば、「DDoS」(ディードス)と呼ばれるものは、大容量のデータを送りつけることでシステムやネットワークに負荷をかけ、利用不能にしてしまう攻撃です。データ自体に被害はなくても、システムがダウンしてしまえば一時的に利用できなくなる可能性があります。

その他に、プログラムの不具合や脆弱性を狙った攻撃、正規ユーザーになりすましてシステムにアクセスする攻撃などの実例もあります。攻撃の種類や対応方法を把握しておくことが重要です。

不正アクセス

不正アクセスとは、悪意のある第三者によるシステムやサーバーへのアクセスを指します。個人情報や企業機密の漏えいはもちろん、システム停止やさらなる不正アクセスの発生といった影響も考えられます。不正アクセスを防ぐには企業全体でルールや管理体制を見直し、周知することが大切です。パスワードの使い回しをしない、複雑なパスワードを設定する、といったルールを徹底するほか、多要素認証の導入といった対策も効果的です。

クラウド上のデータの消失

クラウドサービスはデータ共有のしやすさがメリットの一つですが、同時にデータの消失や破損のリスクも高まります。データを共有しているユーザー1人のミスで、部署全員で共有していたデータが消失してしまったという例も少なくありません。ヒューマンエラー以外にも、災害やサーバーの障害、設定の不具合、不正アクセスも原因として考えられます。データが消失する可能性を考え、復元できるようバックアップをとっておくことが大切です。

インターネット障害などによる利用不可状態

クラウドサービスはインターネットを介して利用するものですので、インターネット障害が起こればデータやアプリケーションを利用できなくなります。業務そのものに支障をきたすこともあるため、クラウドサービス導入を不安視する原因の一つとも言えるでしょう。インターネット障害の原因はいくつか考えられますが、利用状況に対してネットワーク環境が最適か、通信機器の選定や運用に不備がないか見直すことで、トラブルが起こりにくい環境を作ることは可能です。

セキュリティにおけるクラウドとオンプレミスの違い

クラウドサービス導入を検討する際に比較されるのが、オンプレミス(自社運用システム)です。クラウドサービス独自のリスクから導入を躊躇し、オンプレミスを継続する企業も少なくありません。クラウドサービス、オンプレミスはそれぞれにメリットとデメリットがあるため、どちらも理解した上で選択するとよいでしょう。

クラウドとオンプレミスの違いには、以下のような点があります。

  クラウド オンプレミス
責任範囲 クラウド自体のセキュリティ:プロバイダー側
クラウド内で扱う情報のセキュリティ:ユーザー企業
全ての側面でユーザー企業が責任を負う
信頼性 クラウド基盤に障害が起きた場合、サービスの復旧を待つしかない 災害時のサービス停止リスクは低い 他社が原因の障害に巻き込まれる可能性が低い 災害に備えてリスク回避する必要がある

オンプレミスは自社またはデータセンターにサーバーなどを設置し、独自に管理・運用します。自社で全ての責任を負うことになり、開発やインフラの整備にコストがかかるといった特徴もあります。

一方で、クラウドは運用や管理は基本的にサービス提供事業者側が行い、セキュリティも自動的に更新されます。管理や運用のための人材を雇用する必要がなく、オンプレミスに比べてコストを抑えることが可能です。ユーザー企業によってクラウドとオンプレミスのどちらが向いているのかは変わりますので、条件や環境を考慮して慎重に判断しましょう。

クラウド環境に必要なセキュリティ対策

クラウドサービス特有のリスクを回避するために、セキュリティ対策は複数の項目に分け、それぞれ適切な対策を講じることが重要です。また、クラウドサービスはサービス提供事業者にセキュリティ対策を大きく依存する形になるため、事業者がどのようなセキュリティ対策を行っているかを確認した上で選定する必要があります。

インフラの暗号化通信の標準化やネットワーク管理の徹底

インフラに関するセキュリティリスクとしては、データ流出やなりすましによる情報漏えい、操作ミスによるデータ消失などが考えられます。リスク対策には次のような方法が有効です。

  • 暗号通信の標準化
  • ネットワーク機器の物理的な保護、構成管理
  • ネットワークの構成や容量の管理
  • バックアップ電源の確保、定期的なテストの実施
  • 建物・敷地への入退室管理
  • アクセスレベルの明確化
  • 重要な機器への多層防御
  • マニュアルの作成
  • 運用者の訓練

データ流出や情報漏えいは、設定ミスといった基本的なミスが原因になることが少なくありません。また操作ミスを防ぐための訓練も欠かせないでしょう。

仮想化基盤へのバックアップ体制の構築

仮想化基盤に関するセキュリティリスクとしては、障害対応不備によるデータの消失、サービスの停止などが考えられます。リスク対策として以下のような方法があります。

  • バックアップ体制の構築
  • システム構築のテンプレート作成

バックアップ環境を整える場合、バックアップ電源の確保といった対策も忘れないようにしましょう。

サーバーや決済サービスへのサイバー攻撃の防御

サービス基盤に関するセキュリティリスクとしては、認証サーバーや決済サービスへのサイバー攻撃が考えられます。リスク対策としては次のような方法があります。

  • サービス構成図の作成
  • 単一障害点の明確化
  • リージョン限定サービスの見直し
  • 共有サービスの正確な理解
  • 継続性を考慮したサービスの適切な選択

サイバー攻撃は情報漏えいなどのリスクだけでなく、金銭的被害も少なくありません。セキュリティツールやサービスを導入するとともに、社員のセキュリティ意識を高めることもサイバー攻撃への防御にとって重要です。

統合管理環境へのアクセス管理と監視

統合管理環境に関するセキュリティリスクとしては、全てのリソースに対する不正アクセスが考えられます。リスク対策として次のような方法があります。

  • 適切なアクセス管理
  • IDS(不正侵入検知システム)などを利用したホストレベルでの監視

システムごとのアクセス権の厳正化やID・パスワードの管理は必須と言えるでしょう。またIDSはサーバーの脆弱性を突いたサイバー攻撃にも効果がありますので、システム障害の防止にも有効です。

データ管理方針やデータ分類、データへのアクセス権限管理の徹底

データ管理に関するセキュリティリスクとしては、管理方針が徹底されていないために起こる情報漏えい、データ消失、不正アクセスが考えられます。リスクを軽減するためには、以下のような方法があります。

  • 情報資産の分類方針を明確化
  • アクセス権の設定
  • ファイルアップロード、ダウンロード時のウイルスチェック

情報漏えいやデータ消失は、ウイルス感染が原因で起こる可能性もあります。クラウドへのアップロード、クラウドからのダウンロード時のウイルスチェックは欠かさず行いましょう。

ID管理の設定と二要素認証・二段階認証などの導入

ID管理に関するセキュリティリスクとしては、ネットワークからの攻撃、IDフェデレーショントラブルによって他のサービスにアクセスできなくなる、といったものが考えられます。リスク対策としては次のような方法があります。

  • 二要素認証・二段階認証などの導入
  • サービスごとのID管理レベル設定

複雑で推測しにくいパスワードを設定するだけでなく、単体のパスワード強度に依存しない環境設定も重要です。ワンタイムパスワードによる認証を設定する、生体認証を用いるなど、複数の方法を組み合わせることで強度を上げることができます。

利用者へのセキュリティ教育の推進

利用者に関するセキュリティリスクとしては、リテラシー不足や、サービスについての理解不足によるセキュリティインシデントが考えられます。リスク対策として、次のような方法があります。

  • セキュリティ教育・研修実施
  • 利用者の環境に合わせた人的セキュリティ対策
  • マニュアルの文書化、研修実施
  • 監視環境構築と予兆管理

セキュリティ教育は、一部の社員だけに行うのではなく全社員に徹底しなくては効果がありません。またマニュアルを渡すだけでなく研修を実施したり、違反時の規定を設けたりと、一人ひとりの意識を高める仕組みづくりが必要です。

クラウドセキュリティの徹底にはMDMの導入から

クラウドセキュリティを徹底するには、MDM(Mobile Device Management)の導入が有効です。MMDとはスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末を一元的に管理・運用できるほか、企業のセキュリティを維持・強化するためのソフトウェアです。さまざまな機能が搭載されており、モバイル端末を紛失した際には端末を遠隔ロックすることで、情報漏えいを防ぐこともできます。モバイル端末の効率的な運用を可能にするとともに、より強固なセキュリティ対策を講じることも可能です。

MMDについては詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
関連記事:「MDM(モバイルデバイス管理)とは?基本や導入時の注意点まで徹底解説

まとめ

かつてクラウドサービスは、セキュリティ面のデメリットが大きいと考えられていました。しかし高度な技術をもつ専門家や強固な設備が用意されるようになり、サービス提供事業者はセキュリティ面に力を入れています。事前に事業者が提供するセキュリティ対策を確認し十分検討するとともに、ユーザー側もセキュリティ対策に力を入れることで、さらにリスクを軽減することができるでしょう。

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