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ネットワークとは?仕組みや構成要素・種類を初心者向けに解説
今やパソコンなどの機器を利用すれば、簡単に情報が調べられる時代。おかげで生活の利便性はうんと高まり、今ではITなしの生活は考えられなくなりました。しかしITが身近な存在になったとはいえ、ネットワークの仕組みについてしっかり理解できている人はどれくらいいるのでしょうか。
実はあまり理解できていないという方のために、ネットワークの基礎知識について解説しましょう。
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ネットワークとは
ネットワークとは、人やモノなどが“網(net)”のように繋がっている構造を表す言葉です。たとえば人間関係や交通機関なども“ある種のネットワーク”ですが、IT分野におけるネットワークはケーブルや通信回線を介して、複数のコンピュータが接続している状態のことを指します。この通信網のおかげでデータやリソースの共有などが成り立っているのです。
ネットワークの仕組み
“ネットワーク”という言葉の意味を知っていても、その仕組みまでは理解していない人も多いのではないでしょうか。そこで、ここからはネットワークの仕組みを理解するうえで欠かせない「プロトコル」についてご説明します。
プロトコルを基礎としている
ここで言うプロトコルとは、コンピュータでデータをやりとりするために定められた通信規格を示します。そもそもプロトコルがなぜ大切なのかというと、理由は至ってシンプル。コンピュータ同士でやりとりを行おうとしても、それぞれの規格が異なっていてはうまく接続できないからです。
いまいちピンとこない人は、プロトコルを“言語”に置き換えるとイメージしやすいかもしれません。たとえばこの世界にはいろいろな人種、いろいろな言語が存在しますが、その人たちと話す際には“共通の言語”がないとコミュニケーションが取れませんよね。コンピュータ同士のやりとりにも、それと同様のことが起きるのです。そこで異なるコンピュータ同士でもやりとりを可能にするために、共通の約束事として “プロトコル”が設けられました。
プロトコルの主流は「TCP/IP」
プロトコルの種類は実に様々で、たとえばファイルを転送する際のプロトコルは「FTP(File Transfer Protocol)」。Webページなどを閲覧する時に使うプロトコルは、「HTTP(Hypertext Transfer Protocol)」といいます。
中でも覚えておきたいのが、「TCP/IP」と呼ばれる通信プロトコル。別名「インターネット・プロトコル・スイート」とも呼ばれており、インターネットではこのTCP/IPが広く標準的に利用されています。
そもそもTCPとは「Transmission Control Protocol」の略で、安全性・信頼性の高い通信を提供するプロトコル。対してIP(Internet Protocol)はIPアドレス(ネットワーク上の住所のようなもの)を利用して宛先までデータを届けるプロトコルであり、高速性を求める通信時に使用されます。なお通信する際はTCPやIP以外にも複数のプロトコルを使用しますが、中心的役割を果たすのがTCPとIPなので“TCP/IP”と呼ばれています。
プロトコルを階層化した「ネットワークアーキテクチャ」
「アーキテクチャ(architecture)」とは建築様式や構造などを示す言葉ですが、ITの分野ではネットワークの基本設計や共通仕様のことを意味します。
たとえば荷物を配達する際、その荷物はいくつかの工程を経て届けられますよね。それはコンピュータの世界も同じで、ネットワークを介して情報を届けるにはいくつかの工程が存在します。その工程を7階層に分けて定義されたのが「OSI参照モデル」。現代のコンピュータ通信では「OSI参照モデル」に従って通信が行われおり、その階層図は以下の通りです。
表は横にスクロールします
階層 | 階層名 | 役割 |
---|---|---|
第7層 | アプリケーション層 | ユーザーが使うアプリケーションの通信ルールを決める層 |
第6層 | プレゼンテーション層 | コンピュータ間で通信する際のデータ形式を規定する層 |
第5層 | セッション層 | 端末とサーバー間の通信に関する一連の流れを決める層 |
第4層 | トランスポート層 | 通信する際の通信方式を規定する層 |
第3層 | ネットワーク層 | データを目的地へ到達させるための宛先を決める層 |
第2層 | データリンク層 | 隣接する機器と正しく通信をするための必要なルールを定める層 |
第1層 | 物理層 | ケーブルの規格やコネクタなど物理的な接続を定める層 |
ネットワークを構築する要素
ここまでネットワークの仕組みについてご紹介してきましたが、何となくイメージはつかめたでしょうか。続いては、ネットワークの構成要素に注目してみましょう。
ネットワークに必要な構築要素は、以下の3つです。
- コンピュータ
- ネットワーク機器
- 伝送媒体
コンピュータ
コンピュータは「ハードウェア」と「ソフトウェア」で構成されており、この構成で身近にあるものとしては“パソコン”が挙げられるでしょう。パソコンはマウスやプリンターなどの機器とも接続でき、この繋がりもネットワークの1つ。さらにパソコンはサーバーとも繋がっており、このサーバーがなければ動画視聴やネットショッピングをはじめとするデータ通信ができません。
- ハードウェア
ハードウェアとは機械や装置、設備、部品といった物理的機器の総称。マウスやキーボード、パソコンのディスプレイなどもハードウェアにあたります。 - ソフトウェア
ソフトウェアとは、ハードウェアを動かすためのプログラム。OS(Operating System)やアプリなどもソフトウェアにあたります。
ネットワーク機器
ネットワークによる通信を行うためには、ルーターやハブなどのネットワーク機器が必要となります。それぞれの概要については、以下にまとめました。
- ルーター
パソコンをインターネットに繋ぐために必要な機器。ルーターにはケーブルで接続する有線タイプと、Wi-Fiルーター(無線LANルーター)と呼ばれる無線タイプがあります。 - ハブ
有線LANを構成するための集線装置。LAN内で2台以上のデバイスを接続する場合は、ハブを使うことになります。 - スイッチングハブ
ハブは大きく分けて、「リピーターハブ」と「スイッチングハブ」の2種類があります。以前はリピーターハブが主流でしたが、接続した機器全てにデータが転送されてしまうというデメリットがありました。対するスイッチングハブは転送したい機器を指定してデータ送信できるため、現在ではスイッチングハブが主流とされています。
伝送媒体
伝送媒体とは、コンピュータと機器を繋げるケーブルや電波のこと。伝送媒体には有線と無線の2種類があり、有線には下記の媒体が挙げられます。
- ツイストペアケーブル
細長い銅線を2本1組としてより合わせ、このペアを何本か集めて1本のケーブルにまとめたものをいいます。日本では「より対線」とも呼ばれており、折り曲げしやすく配線しやすい点がポイント。 - 同軸ケーブル
電気通信に使われるケーブルの一種。断面が同心円を何層にも重ねたように見えることから、「同軸ケーブル」と呼ばれています。 - 光ファイバーケーブル
光ファイバーケーブルとは、光を伝搬するための光導波路のこと。伝送速度が速いうえ電磁干渉の影響を受けにくくいなどのメリットがあり、その需要は年々高まっています。
ネットワークの種類
ネットワークの種類も実にさまざまです。それぞれのネットワークを把握するために、ここからは4つのネットワークについて解説していきましょう。
- WAN
- LAN
- イントラネット
- インターネット
WAN
WANとは「Wide Area Network」の略で、日本語の意味は“広域通信網”。つまり広いネットワークのことを指します。世界中のコンピュータと繋がるネットワークのため、インターネットのことを「WAN」と呼ぶ場合もあります。
LAN
LANは「Local Area Network」の略。日本語に訳すと“構内通信網”となり、社内や家の中など限定されたエリアで接続できるネットワークを指します。地理的に離れた地点間を結ぶ「WAN」と対比される用語で、LANには“有線LAN”と“無線LAN”が存在します。
イントラネット
イントラネット(Intranet)とは、“内部(intra)”と“ネットワーク(net)”を組み合わせた言葉。世界中のコンピュータを繋いでいるインターネットに対し、イントラネットは社内や学内など範囲が限られたネットワークを指します。
インターネット
先ほども触れた通り、インターネットとは誰でも接続できるネットワークのこと。たとえばGoogleなどの検索エンジンや電子メール、ホームページなどもインターネットであり、Web上に上がっている情報は全てインターネットといっても過言ではありません。
まとめ
ここまでネットワークの仕組みや種類について触れてきましたが、いかがだったでしょうか。みなさんのネットワークに対する理解が少しでも深まれば幸いです。今回お伝えした情報を参考に、ぜひご自身でもネットワークについて調べてみてくださいね。