2022.01.18

ビジネス

キッティングとは?PC、スマホごとの手順や注意点、メリット、デメリットを解説

企業のPCやスマートフォンなどの端末を管理している担当者の中には、「キッティング」という言葉を耳にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。社内に支給された業務用のPCやタブレットなどは、どれもこのキッティング作業で事前準備を行い、使用できる状態になっています。

そこで今回は、まずキッティングという言葉を正しく理解するために、その基礎を解説した上で、具体的な作業方法やメリット・デメリット、効率化を図るポイントなどについてわかりやすく解説していきます。
新入社員が多く入社する春のタイミングに向けて、情報システム担当の方はぜひ本記事を参考に、キッティング作業の効率化を図ってみてくださいね。

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キッティングとは?

 

キッティングとは、PCやスマートフォン、タブレット端末などのIT機器を導入する際に、これらの端末の各種設定やソフトウェアのインストールを行い、それぞれの環境に適した状態で利用できるようセットアップすることです。具体的には、梱包されたIT機器を開梱し、従業員が業務で利用できる状態まで持っていくまでの作業全般を指します。

キッティングとセットアップの違い

キッティングと似た用語として「セットアップ」という言葉がありますが、キッティングとは少し意味合いが異なります。では、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

・セットアップ
セットアップは、ソフトウェアやPCなどのハードウェアを導入から設定までを行い、使用できる状態にすること。また、ソフトウェアのインストールと同じ意味合いで用いられる場合がある。
・キッティング
キッティングは、IT機器の開梱作業からPCの各種設定までの作業全般を指し、IT機器をすぐに使用できる状態にすること。

これらの意味を踏まえて、キッティングとセットアップの違いについて見てみると、「セットアップ」はPCやソフトウェアなどを使用するにあたり必要となる最低限の設定を指すことに対して、「キッティング」はPCなどを組み立てて、すぐに使用できるように準備してあげる一連の作業を指します。
そのため、キッティングの行程の中に、PC・周辺機器・ツールといった各種セットアップ作業も含まれているとイメージすれば分かりやすいでしょう。

キッティングの作業方法の手順

 

それでは、実際にキッティング作業を行うには、どのような手順で進めていけば良いのでしょうか。
キッティングには、大きく「手作業」と「クローニング」の2種類の方法があります。それぞれの作業方法の手順についてご紹介します。

ただし、以下にてご紹介する手順はあくまで一例ですので、企業や組織の方針に合わせて必要な作業は変わっていきます。ご紹介する内容を基本として、柔軟にアレンジをしてみてください。

手作業の場合

まず、手作業でキッティングを行う場合は、PCやスマートフォンなどのIT機器の開梱作業から進めていきます。その後端末が使える状態までセットアップが完了したら、管理番号を設定した端末に付与し、管理台帳に1台ずつ登録する流れとなります。
なお、手作業でキッティング作業を行う場合は、PCとスマホやタブレットなどのモバイル端末で行うことができます。それぞれの基本的な作業手順は以下のとおりです。

PCの場合

手順1 IT機器の開封、PCの設置・通電
手順2 モニターやマウス、キーボードなど周辺機器の接続
手順3 BIOSなどのセットアップ
手順4 OSのインストールを行う
手順5 初期セットアップとアカウントの設定
手順6 ネットワークのセットアップを行う
手順7 業務アプリケーションのセットアップを行う
手順8 セキュリティ対策ソフトウェアのセットアップを行う
手順9 各種設定の動作を確認する
手順10 管理番号ラベルの貼り付けを行う
手順11 管理台帳へ記帳する

 

スマホ、タブレットの場合

手順1 スマホ・タブレットの開梱作業と端末の充電を行う
手順2 SIMカードを設定する
手順3 メールアドレスとパスワードの設定を行う
手順4 言語の設定を行う
手順5 ディスプレイの設定を行う
手順6 Wi-Fi・テザリング・VPNなどのネットワーク関連の設定を行う
手順7 セキュリティの設定を行う
手順8 プリインアプリの削除を行う
手順9 アプリインストール・アプリ設定を行う
手順10 各種設定の動作確認を行う
手順11 管理番号ラベルの貼り付けを行う
手順12 管理台帳へ記帳する

 

クローニングの場合

クローニングでキッティングを行う場合は、1台のマスターPCを作成したあと、その内容をそのまま他のPCへ反映させていく流れとなります。
対応するPCの台数が多いようであれば、このクローニングの方法を用いてキッティングを行うことで、効率的に作業を完了させることができます。

手順1 マスターPCの作成を行う
手順2 「Sysprep」を実行し一般化する
※Sysprep:端末情報を初期化し、ディスクイメージをその他の端末に展開するための処理
手順3 マスターイメージ(標準イメージ)の抽出を行う
手順4 PCごとにブートオーダーの変更を行う
手順5 クローニングを行う
手順6 個別PCごとにキッティングを行う
手順7 各種設定の動作確認を行う
手順8 管理番号ラベルの貼り付けを行う
手順9 管理台帳へ記帳する

 

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手作業とクローニングによるキッティングのメリット・デメリット

 

手作業とクローニングによるキッティングのメリット・デメリットとは、どのようなことが挙げられるのでしょうか。

手作業の場合

メリット

手作業でキッティングを行うことで、PCが手元にあればすぐに作業に取り掛かることができる点が大きなメリットです。
また台数が少なければ、短期間でキッティングを済ませることも可能なため、短期間の納期が可能です。
さらに、PCの機種が複数ある場合も小回りの利く手作業でのキッティングがおススメです。

デメリット

手作業によるキッティングのデメリットは、作業者が1台ごとに手作業で行うため、その分の人件費が発生し、1台当たりのキッティング単価が高くなる傾向にあります。また、人による作業であるため、万が一ミスした場合など品質にムラが生じる可能性もあります。

キッティングの対象となるPCの台数が多い場合は、コストや品質などを考慮すると手作業で行うメリットはそう多くはないと言えるでしょう。

クローニングの場合

メリット

クローニングでキッティングを行うメリットとしては、一度に大量のPCをキッティングできるという点です。設備に余裕があれば、短期間で数百台のPCのキッティングを完了させることができます。
また、作業の効率化を図り、品質を均一化できる点も、クローニングでキッティングを行うメリットの一つと言えます。

デメリット

クローニングでキッティングを行う場合、マスターPCが必要となります。そのためマスターPCの作成から検証作業までに約数週間から1ヵ月ほどかかるケースが多くあります。また、作業者にクローニングでキッティングを行うための知識や技術力、経験の多さなども求められます。
また、導入予定のPCの機種が複数ある場合、機種ごとのマスターPCを作成する必要があるため、それに伴い作業量も増えるといった懸念点もあります。

このように手作業とクローニングで行うキッティングには、どちらもメリット・デメリットがあるため、社内の状況に応じて最適な方法を選ぶようにしましょう。

 

キッティングの注意点

自社でキッティングを行う際は、いくつか注意しておくべきポイントがあります。これからご紹介する内容を踏まえた上で、キッティングの準備を進めるようにしましょう。

作業手順の洗い出しと抜け漏れ防止

キッティング作業の項目は多岐に渡るため、どうしてもミスや作業の抜け漏れといったことが発生しやすくなります。このような事態を回避するためには、あらかじめ作業手順を洗い出し、確実に作業を進行できるよう『作業手順書』を作成することをおススメします。

担当者が見てすぐに分かるようチェックシートや資産管理台帳を作成し、作業ごとに記入していきます。こうすることで、手順どおりキッティングを進めることができ、抜け漏れなどの人的ミスを防止することができます。

スケジュール管理の徹底

キッティングを行う際は、ある程度まとまった端末の台数に対して実施する場合が多いため、作業に時間がかかることがほとんどです。
とくに情報システム担当者は、日常の業務と並行してキッティング作業を行うことが多いでしょうから、スケジュール管理を徹底することも重要なポイントと言えるでしょう。

もしキッティング作業の途中にトラブルが起きてしまっては、作業が中断するどころか当初予定していたスケジュールが大幅に遅れてしまうことになります。

キッティングを行う際は、このようなトラブルが発生するリスクがあることを十分考慮しながら、スケジュールの計画・進行を行っていきましょう。

セキュリティ対策も忘れずに

キッティングを行う際は、セキュリティ対策を行うことも忘れてはいけません。

従業員へ端末を配布した場合、業務に関係のないアプリケーションをダウンロードしたり、サイトを閲覧する従業員も少なからずいるでしょう。そうなると、端末がウイルスに感染し、企業の重要な情報や個人情報などが漏えいしてしまう危険性が高まります。

このようなセキュリティリスクを回避するには、たとえば、端末を紛失・盗難された場合に遠隔ロック機能を付けるといったことや、指定したアプリ以外は使用できないようにするといった対策が必要と言えます。

キッティングのアウトソーシングってどうなの?

自社でキッティングを実施する場合、従業員の数が多いほど、端末のキッティング作業には膨大な時間と負担がかかってしまいます。そのような場合に検討したいのが、キッティングのアウトソーシングです。
ここでは、キッティングのアウトソーシングを利用する場合のメリット・デメリットをご紹介します。

メリット

キッティングをアウトソーシングすることで、企業の担当者に代わって専門業者が作業を行ってくれるため、従業員の負担が減り、作業効率が上がる点は大きなメリットです。

自社でキッティングを行う場合、人員や作業スペースが限られてしまうため、どうしても作業効率が落ちてしまいます。しかしキッティングをアウトソーシングすることで、端末の台数が多くても、専門業者が確実かつ短期間で作業を行ってくれます。そのため、従業員は通常の業務に専念することが可能になり、負担軽減につなげることができます。

またアウトソーシングでは、キッティングを行う際に自動化ツールを使用して作業を行うため、ミスや作業漏れなどを防ぐことができ、作業品質の均一化を図ることも可能となります。

デメリット

費用がかかる

キッティング作業をアウトソーシングすると、それなりに費用がかかる点はデメリットと言えるかもしれません。
もちろん自社でキッティングをする場合は、従業員が作業を行うため、その分委託費用はかかりません。しかし自社でキッティングの作業要員を確保しなければならないため、結果的に人件費がかかり、想定よりもコストがかかってしまうというケースもあります。

キッティングを行う際は、社内で実施する場合とアウトソーシングする場合の費用対効果をしっかり見極め判断した上で、アウトソーシングをうまく活用するようにしましょう。

キッティング後の運用まではカバーできない

キッティング作業をアウトソーシングすると、従業員の負担もかからず、安全かつ短期間で作業を済ませることができるといった点は非常に魅力的です。
しかしながら、アウトソーシングはあくまでキッティング作業のみとなっており、その後端末の運用面をサポートしてくれるわけではありません。
自社で大量の端末を運用するとなると、管理も煩雑になるため自社で端末管理や運用において、どのようにすれば効率化を図ることができるのか検討しておく必要があるでしょう。

 

キッティングの効率化にはMDMの導入もオススメ

 

新たにPCやスマートフォンなどの端末を導入する際に必ず必要となるキッティングですが、作業の膨大さと煩雑さに頭を抱える作業担当者が多くいるのも事実です。
たとえば、100台のPCを導入した場合、その分のキッティングが必要となるため、導入予定の端末が多いほどキッティング作業の効率化と作業負担の軽減が課題となってきます。

そのような状況下では、MDMと呼ばれるモバイルデバイス管理ツールを活用するのがおススメです。
MDM(モバイルデバイス管理)とは、タブレットやスマートフォンなどのモバイル端末を一元管理できるツールです。MDMを活用することで、端末に必要なアプリケーションのインストールや各種設定を一斉に行うことができます
さらに、キッティング後にアプリケーションのインストールが必要になった場合や、設定の変更が必要になった際も、状況に応じて柔軟な対応が可能となります。そのほかMDMの機能には、モバイル端末が紛失・盗難した場合にリモートロックしたり、指定外のアプリを使用できないようにする機能なども搭載しています。

このようにキッティング作業を行う場合は、MDMを活用することで、作業の効率化に加え、セキュリティを堅牢なものにすることが可能となります。

以下の動画では、実際にキッティング作業を行う際に、MDMを使用した場合とそうでない場合をiPadを用いて検証しています。気になる方はぜひご覧ください!

≫30台のiPadをmobiconnectなしにキッティング・アプリ配信してみた

まとめ

 

今回は、キッティングの基礎から具体的な作業方法、メリット・デメリットなどについて解説してきました。キッティングを行う上で、対象となる端末の台数が少なければ、そう作業負担はかかりませんが、端末の台数が大量になると、効率化を図るために作業方法をクローリングにしたり、場合によってはMDMなどのツール活用も必要となってきます。

これからPCやタブレットなどの導入を検討している企業の担当者は、今回ご紹介した内容を踏まえた上で、社内の状況に適した方法で準備を進めるようにしましょう。